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267話 アルフレッドside

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急いでフェルマーの家に向かっている中、俺とリオンはひたすら何通りかの作戦を立てて頭の中で必死にイメージを膨らませていた。

一番良いのはユーフェミアがどうにかして逃げ出してくる、という展開なんだが......そう簡単に出てくることは出来ないだろうからな。

そう考えるとどうしても突撃しないといけないんだが.......玄関からユーフェミアが閉じ込められているであろう地下までの道のりが物凄く遠い。

兵士と運よくすれ違うことがないとしても、1人か2人のメイドとは必ずバッタリ会ってしまうことになってしまうだろう。

ということは.....どうにか報告されるのよりも早く目的地に行かなければダメ、ということだ。

ミスは絶対に許されない。

そう思いながら、リオンが書いた家の見取り図と作戦が書いてある紙を見ていると、馬車の窓がコンコン、とノックされた音が聞こえてきた。

もちろん、今現在も馬車はしっかりと走っているし、石が当たった可能性もあるが.......それよりも明らかにしっかりとしたノックだったよな?

なんて思いながらチラッとリオンの方を見ると、俺と同じ考えだったみたいで

「見てみましょう.......」

と少し怖がりながらも呟いていた。

まぁ、そうだな。

あり得ないとは思っているんだが、確認はした方が良いな。

そう思いながら、ゆっくりと馬車の中のカーテンを開けると、そこには一本の腕が馬車の上の方からしっかりと伸びていた。

こんなのを見たら流石に驚くが、それと同時にこの腕は誰なのか、大体想像することが出来た。

だって、進んでいる馬車の上に飛び乗ってしがみつく.....なんて出来るのは2人しかいないだろう。

なんて思いながらゆっくりと窓を開けると、その狭い隙間からスッと1人の影が入ってきた。

それを見たリオンは

「え!?え!?えぇ!?な、なになになに!?」

なんて大げさに驚いているが......一度見た奴なんだから察して欲しいものだよな。

そう思いながら、

「ロン?リンはどうしたんだ?」

馬車に乗り込んできたばかりのロンにそう声をかけると

「お嬢、見つけた」

ただただ短くそう答えて、しっかりと俺の目を見つめてきた。

反射的に

「本当か!?ということは、やはりフェルマーの家に.....」

と言ったものの、そうなれば近くにフェルマーがいるのか、フェルマーの他に誰かいるのか、など気になることは多々ある。

それも聞こうか、とも思ったが、流石にそこまではわからないか.....。

なんて思っていると、やっと落ち着いたらしいリオンが

「皇妃様はもう保護出来たの?」

とロンに尋ねた。

すると

「それはまだ.......。どこにいるかわかったけど、鍵がかかって入れない」

ロンは悲しそうな顔をしながらそう言って下を向いてしまった。

きっとロンもリンも出来ることだったらすぐにでもユーフェミアを助けよう、と思っただろう。

だが、それが出来なかったからそんな顔をしているんだな。
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