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271話

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急に倒れた兵士たちに関しては、私だけではなくここにいる全員が驚いているみたいで、特にシルム様なんて

「お、おい!お前たち!さっさと起きろ!」

と顔を真っ青にさせて叫んでいますわ。

うーん......この様子を見ると、あれほどまで強気だったのは自分に味方がいる、と思っていたからこそのものだったんでしょうか?

だとすると、フォルン様とギール様がこれほどまでに怖がっていた理由が理解できませんわね。

なんて思っていると、シルム様は顔を真っ青にさせたまま、私達の方を見て

「おい!兵士たちに何をした!」

と叫んできましたわね。

何をした、といわれましても.........正直、私自身何が起こったのか理解していませんのよ?

それなのに答えられるわけがありませんわよ。

それは私以外の2人も同じ考えだったみたいで2人とも不思議そうな、ですがどこか不安そうな顔をして兵士たちのことを見ていますわ。

シルム様も何が起こっているのか、という様子で、今までの勢いを失っていますわね。

なので、とりあえず兵士たちの肌が出ている個所を重点に何か変わったことはないか、と確認をしましたわ。

だって、全員がしっかりと甲冑を着こんでいますし、剣やナイフを使ったのであればわかりやすく刺さっているのが普通ですわよね?

それなのに、どこにも刺さっていませんもの。

そう考えると肌の出ているどこかになにかー....と考えるのが普通の流れじゃありませんか?

なんて思いながら観察を続けていると、ふと兵士の首に目が留まりましたわ。

首の付け根辺りの.....本当に細い隙間に一瞬でしたがキラッと光る何かが見えたような.......。

そう思った私は、3人に気付かれないようにジッと目を凝らして倒れている兵士のことを観察すると、私がさっき見たところと同じところに全員が違和感を感じましたわ。

こんなに細い、ということは、きっと針ですわよね。

先端部分に毒や睡眠薬などを仕込んで打つ、という武器ですわ。

ん?あぁ....なんでそんなことを知っているのか、ということですわよね?

だって、その針の武器は私がリンとロンにそれぞれプレゼントしたものですもの。

消耗品でもある針を使う人は少ない、とお父様も言っていたので、きっと私が想像している人で合っていると思っていますわ。

近くに信用できる人がいる、とわかった私はシルム様に

「皇妃である私に護衛が居ない、とでも思っていましたの?」

と言ってニッコリと微笑みました。

すると、それを聞いたシルム様だけではなくフォルン様もギール様も

「「え!?」」

と驚いた声を上げて私のことを見ていますわ。

まぁ、そうですわよね。

だって、今まで私に護衛がいる、なんて聞いていませんし、dあったらなぜ誘拐されたんだ、という話になってきますしね。

シルム様は私の言葉に何を思ったのか

「ま、まさかお前が........お前が兵士たちを........」

と顔を真っ青にして聞いてきましたが.......えっと、私の話は聞いていましたわよね?

護衛がいますよ、という話をしたんですのよ?

それなのに、なぜ私が兵士たちを殺した、ということになりますの?


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