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2章 一人のアルファで一人の兄で
(12)
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仕事が始まった。
年初はどうしても挨拶回りなどが増える。
社内では当然新年に絡んだ案件が多いが、無視できないのが社外的な集まりだ。
新年三日目、一月八日の昼。
潤は日比谷にある老舗ホテルの大宴会場にいた。
ここで薬業団体が新年に賀詞交換会を開催するのが恒例となっているのだ。
いくつかの団体が共催で開く賀詞交換会は大規模で華やかだ。このホテルの一番大きな宴会場を貸し切り、招待客は軽く千人を超えている。東京だけではなく、近隣の県に本社を置く、製薬企業や薬業卸の関係者が一堂に会する年に一度の催しだ。
新年は通常業務の他に社内外の挨拶回りや賀詞交換会などが続くため、潤もゆっくり参加してはいられないが、かといって疎かにもできず、開会ギリギリに到着し、関係者に挨拶を手早く済ませて帰ろうと思っていた。
それに、このような場を欠席すると、あとで思わぬ噂が立っていたりする。森生メディカルの社長が発情期で欠席したなんていう噂が立つのは勘弁して欲しい。それに、このような付き合いを面倒くさがると、この団体を担当する社員の発言力や行動力にも影響が出る。
受付を済ませ、受け取った招待客用の花リボンを、潤はダークブラウンのスリーピースのジャケットのポケットに差す。そして会場を覗くと、すでに多くの人が入り乱れており、かなりの熱気があった。
潤は、ウエイターから烏龍茶の入ったグラスを受け取る。
開始時刻ギリギリに入ったが、まだ挨拶は始まっていない様子。
しかし、会場に入った直後に、呼び止められた。
「森生社長! 明けましておめでとうございます。年末はありがとうございました」
目の前には眼鏡を掛けた五十がらみのスーツ姿の男性の姿。森生メディカルの協力会社である高地メディカル社長の鈴木だった。最後に会ったのは昨年十二月と潤は思い出す。密着取材を受けていた最中に、ランチを兼ねて会っていた。鈴木の会社の本社は仙台にあり、このような用事で上京するときにしか会うことが出来ない。
「鈴木社長、明けましておめでとうございます。いらっしゃっていたんですね。こちらこそ、年末はありがとうございました」
「以前お会いしたときに取材を受けていると仰っていた番組、年末に放映されていましたね。拝見しましたよ。非常にきっちり作られていて、驚きました。こういう社長が率いている会社なのかと、リクルーティングにも使えそうな出来でしたね」
「そうでしたか。ありがとうございます。実はまだ私は見ていないのですよ」
「あらら、そうですか。いや、森生社長は見映えがするので、ファンが増えそうですな」
鈴木の言葉に潤は苦笑する。
「私としては観て欲しかったのはそこではないですけどね」
「あはは。失礼。仕事に対する姿勢としても社長と同年代の中堅には刺激になると思います。我が社でも勧めようと思っていますよ」
「いや、なんか照れますね」
「制作側に理解があったのかなと思いますね。社長のお人柄が出ている良い仕上がりでした」
「そういえば、鈴木社長。年末に例の新デバイスが承認取得されましたね。おめでとうございます」
「お、ご覧いただいてましたか。ありがとうございます。我が社としては待望です。これから患者様だけでなく医療関係者の方にも啓発が必要な領域ですが、それを含めて社員一同やる気ですよ」
鈴木がぐっと腕を上げる。
「……皆様、大変長らくお待たせしました」
アナウンスに会場内のざわめきが少し薄れ、前方に意識が向く。
どうやら開会の挨拶が始まる様子だった。
新年の挨拶は、業界の重鎮から始まり、厚生労働省の官僚や医系、薬系議員と続き、気が付けば三十分が経っていた。皆が辛抱を切らした頃、ようやく乾杯となり、歓談タイムとなった。
潤も鈴木と会釈を交わして離れ、人の波に入り込む。広大な会場は立食形式が採られており、壁際には軽食が並べられている。所によっては職人が寿司を握っていたり、シェフが料理を切り分けていたりしていて、そこには長蛇の列が出来ている。
江上からは、この後のスケジュールが押しているのでここで昼食を済ませてきてくださいと言われたが、おそらく無理だと思った。さっさと挨拶だけ済ませて、帰ろうと思う。
「森生社長」
潤が会場を見渡していた時に、背後から呼びかける声がした。あまり聞き慣れない声。
振り向くと、ウイスキーの水割りを手にした恰幅の良い男性。
「大路社長……」
潤を呼び止めたのは、東邦製薬社長、大路泰三だった。
昨年取締役を解任され退職した佐賀安則が、協業を画策していた相手の企業が東邦製薬。
社長の大路は、佐賀同様のオメガレイシストの思想を持つと言われる人物で、江上だけでなく、飯田や大西からも、特に注意せよと言い含められている。
この人物の思想が、自分の存在を差別的に見下していると知ってはいるが、面と向かって言われでもしない限り、節度ある大人の態度として避けるわけにはいかない。
潤は対外的には友好的な表情を取り繕う。
「これは大路社長……、明けましておめでとうございます」
潤が通り一遍の挨拶をすると、大路は鷹揚な仕草でうんと頷いただけだった。
「昨年は大変お世話になりました」
潤がそう言うと、大路は潤の他意を含んだ視線を知らぬふりをして躱した。
「そういえば、茗子社長はお元気ですかな」
大路のまとわりつくような視線に潤は気が付く。この人物の視線が落ちつかない。
このような人が集まる華やかな場では、逆に若いから目立ってしまうのは自覚している。人々の注目を知らぬうちに集めていることも。しかし、大路のその視線はそれとは少し違う気がした。
「……はい、お陰様で。事業会社の社長に就任していますが、こちらのメディカル事業についてはかなり気に掛けてもらっています」
「親子で社長をやられるというのも」
「まあ、でも家を出れば上司と部下には変わりありませんし」
「しかもオメガ同士で……」
「あいにく、弊社でそのことについては、さほど気にされる要素ではありません」
潤の思わず発した断ち切るような言葉に、一瞬だけしんと沈黙が降りる。
「いえ、失礼」
「……体調はいかがですかな」
大路の突然の話題転換に潤も意表を突かれる。
「え」
「年末に体調を崩されたと風の噂で伺いましてね。心配でお声がけをさせて頂いた次第です」
潤がクリスマスイブの取締役会以降、会社に姿を現していないことを、飯田や大西といった幹部が外部に漏らしたとは思えない。たとえ一部の部下が他社に漏らしたとしても、会社としては正式なコメントを差し控えるだろうし、年末の仕事納めまでせいぜい三、四日の話だ。他愛ない話として処理されるだろうに。なぜ、こんなことを、あえてこの人物は聞いてくるのか……。
当然、加害者である佐賀と繋がっているためか……?
いや、それはないだろうと潤は否定する。
近い将来、社会的な制裁を受けるであろう佐賀と製薬会社の社長が直接的な繋がりを保つのはリスキーだ。
潤は大路に悠然と笑みを浮かべてみせた。
「お気遣いありがとうございます。少し体調を崩しただけですのでご心配には及びません。大路社長にそこまで気に掛けて頂いていたとは思いませんでした。しかし、風の噂とは。なぜそのような話をご存じで?」
潤が挑発的な視線を投げる。それを大路は鋭く傲慢な目つきで受け止める。
わずかな間、見つめ合った。
「お話中ですが失礼」
二人の睨み合いに割って入るような声がした。
思わず気が逸れて、潤はその声の元を視線で辿る。
脇から声を掛けてきたのは、見事なロマンスグレーの髪色をした、品のよい紳士。仕立ての良いウール地のジャケットに同色系のニットベスト、ネクタイと着こなしにセンスが光る。
この人物を潤は知っていた。思わず口に出る。
「長谷川社長……」
「お二人とも、明けましておめでとうございます。大路さん、少々森生社長をお借りしてよいですかな?」
柔和な表情に有無を言わさぬ威厳が漂う。すると驚いたことに大路が少し怯んだ。潤は思わず目を見張る。
この人がメルト製薬の代表取締役社長、長谷川孝太郎だった。
年初はどうしても挨拶回りなどが増える。
社内では当然新年に絡んだ案件が多いが、無視できないのが社外的な集まりだ。
新年三日目、一月八日の昼。
潤は日比谷にある老舗ホテルの大宴会場にいた。
ここで薬業団体が新年に賀詞交換会を開催するのが恒例となっているのだ。
いくつかの団体が共催で開く賀詞交換会は大規模で華やかだ。このホテルの一番大きな宴会場を貸し切り、招待客は軽く千人を超えている。東京だけではなく、近隣の県に本社を置く、製薬企業や薬業卸の関係者が一堂に会する年に一度の催しだ。
新年は通常業務の他に社内外の挨拶回りや賀詞交換会などが続くため、潤もゆっくり参加してはいられないが、かといって疎かにもできず、開会ギリギリに到着し、関係者に挨拶を手早く済ませて帰ろうと思っていた。
それに、このような場を欠席すると、あとで思わぬ噂が立っていたりする。森生メディカルの社長が発情期で欠席したなんていう噂が立つのは勘弁して欲しい。それに、このような付き合いを面倒くさがると、この団体を担当する社員の発言力や行動力にも影響が出る。
受付を済ませ、受け取った招待客用の花リボンを、潤はダークブラウンのスリーピースのジャケットのポケットに差す。そして会場を覗くと、すでに多くの人が入り乱れており、かなりの熱気があった。
潤は、ウエイターから烏龍茶の入ったグラスを受け取る。
開始時刻ギリギリに入ったが、まだ挨拶は始まっていない様子。
しかし、会場に入った直後に、呼び止められた。
「森生社長! 明けましておめでとうございます。年末はありがとうございました」
目の前には眼鏡を掛けた五十がらみのスーツ姿の男性の姿。森生メディカルの協力会社である高地メディカル社長の鈴木だった。最後に会ったのは昨年十二月と潤は思い出す。密着取材を受けていた最中に、ランチを兼ねて会っていた。鈴木の会社の本社は仙台にあり、このような用事で上京するときにしか会うことが出来ない。
「鈴木社長、明けましておめでとうございます。いらっしゃっていたんですね。こちらこそ、年末はありがとうございました」
「以前お会いしたときに取材を受けていると仰っていた番組、年末に放映されていましたね。拝見しましたよ。非常にきっちり作られていて、驚きました。こういう社長が率いている会社なのかと、リクルーティングにも使えそうな出来でしたね」
「そうでしたか。ありがとうございます。実はまだ私は見ていないのですよ」
「あらら、そうですか。いや、森生社長は見映えがするので、ファンが増えそうですな」
鈴木の言葉に潤は苦笑する。
「私としては観て欲しかったのはそこではないですけどね」
「あはは。失礼。仕事に対する姿勢としても社長と同年代の中堅には刺激になると思います。我が社でも勧めようと思っていますよ」
「いや、なんか照れますね」
「制作側に理解があったのかなと思いますね。社長のお人柄が出ている良い仕上がりでした」
「そういえば、鈴木社長。年末に例の新デバイスが承認取得されましたね。おめでとうございます」
「お、ご覧いただいてましたか。ありがとうございます。我が社としては待望です。これから患者様だけでなく医療関係者の方にも啓発が必要な領域ですが、それを含めて社員一同やる気ですよ」
鈴木がぐっと腕を上げる。
「……皆様、大変長らくお待たせしました」
アナウンスに会場内のざわめきが少し薄れ、前方に意識が向く。
どうやら開会の挨拶が始まる様子だった。
新年の挨拶は、業界の重鎮から始まり、厚生労働省の官僚や医系、薬系議員と続き、気が付けば三十分が経っていた。皆が辛抱を切らした頃、ようやく乾杯となり、歓談タイムとなった。
潤も鈴木と会釈を交わして離れ、人の波に入り込む。広大な会場は立食形式が採られており、壁際には軽食が並べられている。所によっては職人が寿司を握っていたり、シェフが料理を切り分けていたりしていて、そこには長蛇の列が出来ている。
江上からは、この後のスケジュールが押しているのでここで昼食を済ませてきてくださいと言われたが、おそらく無理だと思った。さっさと挨拶だけ済ませて、帰ろうと思う。
「森生社長」
潤が会場を見渡していた時に、背後から呼びかける声がした。あまり聞き慣れない声。
振り向くと、ウイスキーの水割りを手にした恰幅の良い男性。
「大路社長……」
潤を呼び止めたのは、東邦製薬社長、大路泰三だった。
昨年取締役を解任され退職した佐賀安則が、協業を画策していた相手の企業が東邦製薬。
社長の大路は、佐賀同様のオメガレイシストの思想を持つと言われる人物で、江上だけでなく、飯田や大西からも、特に注意せよと言い含められている。
この人物の思想が、自分の存在を差別的に見下していると知ってはいるが、面と向かって言われでもしない限り、節度ある大人の態度として避けるわけにはいかない。
潤は対外的には友好的な表情を取り繕う。
「これは大路社長……、明けましておめでとうございます」
潤が通り一遍の挨拶をすると、大路は鷹揚な仕草でうんと頷いただけだった。
「昨年は大変お世話になりました」
潤がそう言うと、大路は潤の他意を含んだ視線を知らぬふりをして躱した。
「そういえば、茗子社長はお元気ですかな」
大路のまとわりつくような視線に潤は気が付く。この人物の視線が落ちつかない。
このような人が集まる華やかな場では、逆に若いから目立ってしまうのは自覚している。人々の注目を知らぬうちに集めていることも。しかし、大路のその視線はそれとは少し違う気がした。
「……はい、お陰様で。事業会社の社長に就任していますが、こちらのメディカル事業についてはかなり気に掛けてもらっています」
「親子で社長をやられるというのも」
「まあ、でも家を出れば上司と部下には変わりありませんし」
「しかもオメガ同士で……」
「あいにく、弊社でそのことについては、さほど気にされる要素ではありません」
潤の思わず発した断ち切るような言葉に、一瞬だけしんと沈黙が降りる。
「いえ、失礼」
「……体調はいかがですかな」
大路の突然の話題転換に潤も意表を突かれる。
「え」
「年末に体調を崩されたと風の噂で伺いましてね。心配でお声がけをさせて頂いた次第です」
潤がクリスマスイブの取締役会以降、会社に姿を現していないことを、飯田や大西といった幹部が外部に漏らしたとは思えない。たとえ一部の部下が他社に漏らしたとしても、会社としては正式なコメントを差し控えるだろうし、年末の仕事納めまでせいぜい三、四日の話だ。他愛ない話として処理されるだろうに。なぜ、こんなことを、あえてこの人物は聞いてくるのか……。
当然、加害者である佐賀と繋がっているためか……?
いや、それはないだろうと潤は否定する。
近い将来、社会的な制裁を受けるであろう佐賀と製薬会社の社長が直接的な繋がりを保つのはリスキーだ。
潤は大路に悠然と笑みを浮かべてみせた。
「お気遣いありがとうございます。少し体調を崩しただけですのでご心配には及びません。大路社長にそこまで気に掛けて頂いていたとは思いませんでした。しかし、風の噂とは。なぜそのような話をご存じで?」
潤が挑発的な視線を投げる。それを大路は鋭く傲慢な目つきで受け止める。
わずかな間、見つめ合った。
「お話中ですが失礼」
二人の睨み合いに割って入るような声がした。
思わず気が逸れて、潤はその声の元を視線で辿る。
脇から声を掛けてきたのは、見事なロマンスグレーの髪色をした、品のよい紳士。仕立ての良いウール地のジャケットに同色系のニットベスト、ネクタイと着こなしにセンスが光る。
この人物を潤は知っていた。思わず口に出る。
「長谷川社長……」
「お二人とも、明けましておめでとうございます。大路さん、少々森生社長をお借りしてよいですかな?」
柔和な表情に有無を言わさぬ威厳が漂う。すると驚いたことに大路が少し怯んだ。潤は思わず目を見張る。
この人がメルト製薬の代表取締役社長、長谷川孝太郎だった。
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