オケ!うまずたゆまずちんたらと

It

文字の大きさ
上 下
104 / 128
4章

竜王国へ  〜アン編〜

しおりを挟む
次の日早めに起きて、準備をして階下におりる。
カミーユはすでに椅子に座って待っていた。
3人で朝食をいただき、最長老様のもとへ急ぐ。
最長老様の家につくと木の前にシータが待っていた。
「おはよう」 
両手を振りながらこちらへ走ってくる。
そのまま、私に飛びついてくる。
「かなり懐かれたわね」
嬉しい事だ。
上に登りベンチに3人で並んで座る。
しばらくして最長老様がやつてくる。
「「「おはようございます」」」
3人で挨拶をする。
お茶を出していただいた。
軽く会釈して、最長老を見ると
「では、アン殿そなた精霊樹には行ったのかな!?」
と、ん!?精霊樹かぁ。
「湖のたもとまでは行きました」
「では、シータ一緒に行っておいで。
お前もそろそろ10歳であろう」
「はぁ~い」
「成人の儀ですか、最長老」
「そうじゃ、それとアン殿は呼ばれておる」
「わかりました。では、早速行ってまいります。そして、アン、カミーユはハリーを迎えに竜王国へ送り出します」
「そうか。森のお子はどうする」
「私が保護します。あちらで生活をします」
「ずる~い。シータも~」
「シータはワシと一緒じゃ。
そのうち遊びに行けば良い」
「カミーユ殿、アン殿を頼む」
「はい」
最長老様からしたら私たち家族は保護対象なのでしょうね。
本当によくしてもらってるわ。
私は最長老様に頭を下げて
「重ね重ねありがとうございます」
と言って4人で最長老様の家を後にする。
「アン、はい。ローブ」
「ありがとう」
と不意にサラが抱きついてきた。
あ、ここでお別れなんだわ。私も、サラの背中に手をまわす。
「気をつけるのよ。あんまり無茶しないで。ソフィーとナッツは、任せて」
と小さな声で呟く。
「えぇ、気をつけるわ。あの子に早く会いたいもの。あの子達の事よろしくね」
言葉は少ないが気持ちは伝わったと思う。
2人で見つめ合い、
「カミーユ、アンに何かあったら口聞いてあげないからね!」
とサラは、カミーユにも抱きつく。
カミーユは咄嗟のことに顔を真っ赤にして、サラの頭を、ポンポンと優しく叩く。
「じゃ、あの子たちのところに急ぐわ」
とサラは行ってしまった。
シータに手を引かれ湖に向かう。
後ろをカミーユがついてくる。
しばらくして、湖に着いた。前に来た時とは違う場所に出る。
きっと、家からきたら反対側から出てくるのね。
キョロキョロと辺りを見渡してみたけどやっぱりソフィーはいない。
「今日はあの子いないみたい」
と少し残念そう。
「この時間なら、まだ畑仕事をしてるんじゃないかな!?」と、シータの頭に手を置く。
「そつか、お手伝いえらいね」
と返してくれた。
「あの木のとこに行くの。ついてきて」
と湖の上を走るように木の根元まで行ってしまった。
「こっちだよ~」
え!私も!?できるかしら!?
結構距離があるのだけど……
「俺、ここで待ってるわ」
とカミーユは座り込んでしまった。
「え!?あんなこと私出来ないけど。
どうしよう」
「魔法で飛んでけよ」
そうか。私魔法使えるんだったわ。
本当に平和ボケしてる。感覚取り戻すのにどれだけ時間が必要かしら。







しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:1,243pt お気に入り:34

幽霊じゃありません!足だってありますから‼

恋愛 / 完結 24h.ポイント:78pt お気に入り:596

神様のポイント稼ぎに利用された2

BL / 完結 24h.ポイント:85pt お気に入り:329

異世界のんびり散歩旅

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:2,756pt お気に入り:745

神託など戯言です ~大聖女は人より自分を救いたい~

恋愛 / 完結 24h.ポイント:120pt お気に入り:1,360

蝶の見た夢【完結】

BL / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:25

漆黒の大魔将軍は勇者に倒されたはずでした!?

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:6

佐世保黒猫アンダーグラウンド―人外ジャズ喫茶でバイト始めました―

キャラ文芸 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:113

処理中です...