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やっぱりこの学校は
緊急事態
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スマホの画面には
『家にいる者、店にいる者、学校にいる者、全ての職員、生徒は外に出ることを禁じる。外にいる者は直ちに近くの建物へ入るように。』
と書いてあった。すると、家のインターホンが鳴った。直也は立ち上がり、誰かを確認する。
「・・・八重?」
予想にない人物に僕はびっくりする。
「八重君?」
「そうみたい・・」
「早く入れてあげよう。」
「そ、そうだな。」
直也が慌てて玄関の方へ行く。
「なおや・・・神瀬君!」
リビングまで八重君の声が届く。僕は気になって、リビングからひょっこり覗く。
「どうかした?」
「ごめんっ。今日っ」
走ったのか息が荒い。
「出かけてたら、っ。スマホが鳴って、」
途切れ途切れに説明を続ける。
「あの警告のお知らせが届いてて、多分あのメールを見たからなのかお店を閉める人がほとんどで入れる場所がなくて、友達と外出てみようってなって出たんだ・・・そしたら帽子を被ってる男かな?が包丁みたいなやつ持っていて怖くなって走って違うの方に行ったんだけどいつの間にか友達と離れてて、この辺の家は知らない人だから頼れるのなお、・・神瀬君しかいなくて。ごめん。」
半ば土下座みたいになって八重君は言う。
「直也・・八重君。」
「はく・・・都瀬君。」
玄関に顔を出す。
「直也。落ち着くまでは家にいてもらったら?」
「・・・でも、」
「このまま外に出して、八重君が怪我でもしたら目覚めが悪いでしょう。」
「・・・八重。分かった。リビングに行こう。」
「ありがとう。2人とも。」
交流を経ってから必要のない時以外話していない。クラスも別になり、会う機会はなかった。まさか、今日会ってしまうとは思ってもいなかった。
「直也。やっぱり嫌だった?」
八重君には聞こえないように直也にこっそり聞く。
「久しぶりに話すから少し緊張してるだけ。」
「本当に?」
「うん」
僕の頭をポンポンっと2回軽く叩いた。
「電話しても良いかな?」
ソファに座っていた八重君が聞いた。直也が頷き、白斗もソファに戻った。
「もしもし?そっちは大丈夫?うん、良かった。僕の方も少しの間は大丈夫。うん、また後でね。」
スマホを耳から離しふぅと息を吐いた。それを見た直也がテレビをつける。
『ただいま中継中です。私立男高等学校の前に来ています。ここから先は我々は入れません。今どんな状態か分からないのが現状です。あ、男高等学校の理事長が来ました。理事長!』
テレビでは男高の校門が写っている。
『「理事長!理事長!篠秋理事長。今はどんな状況ですか?」』
近くに来たのは篠秋弥生さんだった。
「理事長だったんだ・・・」
僕がポツリ呟くと八重君が今更と言う顔をした。頭を掻いてテレビに戻った。
『「ただいま、教職員と生徒は安全が確保されるまで室内で待機と警告を出しました。男高等学校内部の警察と協力し、取り押さえる準備を進めています。」
「男高等学校はこんな簡単に侵入出来て良いんでしょうか?」
「我々もこんなことは初めてで動揺している最中です。ですが今は、それよりも生徒、職員の命の方が大事です。私達、篠秋家は人力を尽くして、我々の大切な命をお守りします。」』
その言葉を最後に中継が終わり
『最新の情報が入り次第お伝えします』
と言って違うニュースに変わった。
「な、直也。」
僕は直也を見る。直也を見ると何かを悟ったのか、少し寂しそうな、顔をしてから「良いよ」と声に出した。
『家にいる者、店にいる者、学校にいる者、全ての職員、生徒は外に出ることを禁じる。外にいる者は直ちに近くの建物へ入るように。』
と書いてあった。すると、家のインターホンが鳴った。直也は立ち上がり、誰かを確認する。
「・・・八重?」
予想にない人物に僕はびっくりする。
「八重君?」
「そうみたい・・」
「早く入れてあげよう。」
「そ、そうだな。」
直也が慌てて玄関の方へ行く。
「なおや・・・神瀬君!」
リビングまで八重君の声が届く。僕は気になって、リビングからひょっこり覗く。
「どうかした?」
「ごめんっ。今日っ」
走ったのか息が荒い。
「出かけてたら、っ。スマホが鳴って、」
途切れ途切れに説明を続ける。
「あの警告のお知らせが届いてて、多分あのメールを見たからなのかお店を閉める人がほとんどで入れる場所がなくて、友達と外出てみようってなって出たんだ・・・そしたら帽子を被ってる男かな?が包丁みたいなやつ持っていて怖くなって走って違うの方に行ったんだけどいつの間にか友達と離れてて、この辺の家は知らない人だから頼れるのなお、・・神瀬君しかいなくて。ごめん。」
半ば土下座みたいになって八重君は言う。
「直也・・八重君。」
「はく・・・都瀬君。」
玄関に顔を出す。
「直也。落ち着くまでは家にいてもらったら?」
「・・・でも、」
「このまま外に出して、八重君が怪我でもしたら目覚めが悪いでしょう。」
「・・・八重。分かった。リビングに行こう。」
「ありがとう。2人とも。」
交流を経ってから必要のない時以外話していない。クラスも別になり、会う機会はなかった。まさか、今日会ってしまうとは思ってもいなかった。
「直也。やっぱり嫌だった?」
八重君には聞こえないように直也にこっそり聞く。
「久しぶりに話すから少し緊張してるだけ。」
「本当に?」
「うん」
僕の頭をポンポンっと2回軽く叩いた。
「電話しても良いかな?」
ソファに座っていた八重君が聞いた。直也が頷き、白斗もソファに戻った。
「もしもし?そっちは大丈夫?うん、良かった。僕の方も少しの間は大丈夫。うん、また後でね。」
スマホを耳から離しふぅと息を吐いた。それを見た直也がテレビをつける。
『ただいま中継中です。私立男高等学校の前に来ています。ここから先は我々は入れません。今どんな状態か分からないのが現状です。あ、男高等学校の理事長が来ました。理事長!』
テレビでは男高の校門が写っている。
『「理事長!理事長!篠秋理事長。今はどんな状況ですか?」』
近くに来たのは篠秋弥生さんだった。
「理事長だったんだ・・・」
僕がポツリ呟くと八重君が今更と言う顔をした。頭を掻いてテレビに戻った。
『「ただいま、教職員と生徒は安全が確保されるまで室内で待機と警告を出しました。男高等学校内部の警察と協力し、取り押さえる準備を進めています。」
「男高等学校はこんな簡単に侵入出来て良いんでしょうか?」
「我々もこんなことは初めてで動揺している最中です。ですが今は、それよりも生徒、職員の命の方が大事です。私達、篠秋家は人力を尽くして、我々の大切な命をお守りします。」』
その言葉を最後に中継が終わり
『最新の情報が入り次第お伝えします』
と言って違うニュースに変わった。
「な、直也。」
僕は直也を見る。直也を見ると何かを悟ったのか、少し寂しそうな、顔をしてから「良いよ」と声に出した。
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