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ネコ型デザート
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第三でもヒューゼル隊長とバーンズ卿にバトラーズ副隊長と同じように説明すると頭を撫でられた。
「偉いぞ~自主性も大事だからな~」
グリグリ グリグリ
「皆の体のことを考えてくれて嬉しいぞ~」
グリグリ グリグリ
「皆グリグリなさるので首の筋肉が鍛えられてます」
「「 皆? 」」
「あの、来週の後半から鎧を中心に作業をしてもいいですか。かなり時間がかかるのです」
「可能なら週3にするか?」
「でも、他の3名は週2ですから」
「試用期間だからだ。使えるかどうかも分からないし、付きっきりにはなれないからひとり作業が多い。最初から勤務日数を多くできないんだ。
任せても大丈夫だと判断したら本人の希望を聞いて日数を増やして行くんだ」
「そうなのですね」
「アネットの場合はアネットに危険がないかどうか判断する為に週2日にしたんだ。
真面目に仕事をすることは分かっているからな」
「危険ですか?」
「男だらけの職場だからな。
日数はアネット次第だ。週2でも週5でもいいんだ」
「もし鎧の実験が上手くいったら、第三の鎧を磨き終わるまで週5にしてもいいですか。
防汚が上手くいくなら手入れが楽になりますからその時は減らします」
「分かった。今週はもう1日増やしてもいいか。来週の後半の勤務から週4にしておく。失敗だったら相談しよう」
「はい」
毎週月、水だったが金曜が加わった。
実験後は月、火、金、土にして、予定次第で曜日変更可能となった。
午前中はカーテンを付け替えて洗濯に回し、床の拭き掃除をした。
「アネット、先に食堂に行けるか?誰か付けようか」
「バーンズ卿、ひとりで大丈夫です」
「すぐ追いかけるから」
「分かりました」
雑巾とバケツを洗い、外に干す。
「食べに行くぞ」
「バトラーズ副隊長!」
私の肩に腕を回し食堂に連行する彼からはいい匂いがした。さすが公爵家
クンクンクン
「何してるの」
「いい匂いだなと。洗剤は何を使ってるんですか」
「知りたい?」
「はい」
「うちに来れば分かるよ」
「それはちょっと」
「何で」
「緊張し過ぎて胃に穴が空いたら困りますから」
「王宮に遊びに来て泊まるのに?」
「ステファニーは親友ですから」
「バトラーズ邸もそう思えばいいじゃないか」
「無茶ありますよね、それ」
「可愛いな」
「じゃあ、うちに来る時の手土産は洗剤の名前でお願いします」
「はいはい」
「団長が“はいは1回だ”って言ってました」
「デザート頼んでいいぞ」
「王宮持ちじゃないですか」
「ハハッ!」
「高貴な詐欺師発見」
「私を詐欺師と呼ぶのはアネットくらいだ」
「見事な二つ名ですね。広めましょうよ」
「絶対胃に穴なんか開かないだろう」
「えへへっ」
頭をグリグリされながら食堂へ着いた。
「ケイトさん、こんにちは」
「アネットちゃん、こんにちは。今日は違う騎士様を連れているのね」
「監視役です」
「そうなの? 今日は何にするの」
「ケイトさんならどれにします?」
「今日の魚の甘酢漬けは美味しいわよ」
「それにします」
「少なめね?」
「はい」
「一応取ってはいるけど骨に気を付けるのよ」
「はい。ありがとうございます」
「私はAを頼む」
「かしこまりました」
2階席に座った。
「バーンズ卿の分も聞いておけば良かったかも」
「バーンズ副隊長が来るのか?」
「そう言っていました」
「食堂の職員と仲がいいんだな。まだ2日目だろう?」
「靴を買いに行った時に街中で見かけてお茶に誘ったのです。1日目の時に注文を受けてくださった人だと思って声をかけました」
「彼女は平民か?」
「さぁ。“ケイト”と名乗られれば“ケイト”なのです。道端では家名があるかどうかはなんて気になりません」
「そうか」
「お待たせしました」
「ありがとうございます。わぁ~可愛い!」
「……私のと違うな」
「お嬢様の為にケイトが菓子係に頼み込んでいました。大喜びだったと伝えておきますね」
「ありがとうございます!」
デザートがネコ型になってる~
「アネットはすごいな。こんな待遇は初めて見るぞ」
「アネット、お待たせ」
「バーンズ卿」
「お疲れ様ですバトラーズ副隊長」
「お疲れ様です」
「アネットは魚にしたのか」
「はい。バーンズ卿の分も聞いて注文しておけば良かったですね。ここに来て気が付きました。すみません」
「いいんだよ。予定が変わっちゃったらもったいないことになるから。
午前中何してたの」
「カーテンの交換と床を磨いていました。
ピカピカになったと思います」
「そうか。偉いぞ。午後はどうするんだ?」
「掃除道具のお部屋を整理してチェックをします」
「チェック?」
「不足しているものや劣化して交換すべきものを報告して判断を仰ぎます」
「じゃあ、それは私に報告してくれるか」
「はい」
「アネット、お疲れ」
「皆様お疲れ様です」
第三の皆が集まってきた。
不思議そうな顔をしながらバトラーズ副隊長にも挨拶をして座っていく。
「アネット、飴ありがとう。生き返るよ」
「可愛い妹がいると生活が変わるな」
「うちの妹と交換したい」
「そんなことを言ったら妹さんが可哀想ですわ」
「優しいなぁ」
食事も終わったのだが……
「アネット、デザートは?」
「か、可愛過ぎてスプーンを入れられません。どうしましょう」
「仕方ないなぁ」
そう言ってバーンズ卿が容赦なくスプーンを入れてすくい、私の口元に運んだ。
条件反射で口が開く。
「美味しいか」
「はい」
次々と口元に運ぶので自分で食べると言う隙を与えることなく全て食べさせられた。
「お茶も飲んで」
「はい」
「………いつもこうか」
「いつもでは、、、ないです」
「アネット!!」
「ステファニー!」
皆が立ち上がる
「皆座って!そのまま休んでいて。
アネット、エプロン可愛いわね」
「青いの」
「青いわね。似合ってるわ。
困ってない?怪我してない?手荒れは?」
「大丈夫よ。革手袋やハンドクリームまで用意してくださったわ。皆様親切にしてくださるの。楽しく働かせてもらえてるわ」
「良かった!今日帰りに寄って。お揃いの寝巻きが届いたの。茶菓子も用意するわ」
「終わったら寄るわね」
「じゃあ、後でね!」
「本当に仲が良いな」
「有難いです」
「偉いぞ~自主性も大事だからな~」
グリグリ グリグリ
「皆の体のことを考えてくれて嬉しいぞ~」
グリグリ グリグリ
「皆グリグリなさるので首の筋肉が鍛えられてます」
「「 皆? 」」
「あの、来週の後半から鎧を中心に作業をしてもいいですか。かなり時間がかかるのです」
「可能なら週3にするか?」
「でも、他の3名は週2ですから」
「試用期間だからだ。使えるかどうかも分からないし、付きっきりにはなれないからひとり作業が多い。最初から勤務日数を多くできないんだ。
任せても大丈夫だと判断したら本人の希望を聞いて日数を増やして行くんだ」
「そうなのですね」
「アネットの場合はアネットに危険がないかどうか判断する為に週2日にしたんだ。
真面目に仕事をすることは分かっているからな」
「危険ですか?」
「男だらけの職場だからな。
日数はアネット次第だ。週2でも週5でもいいんだ」
「もし鎧の実験が上手くいったら、第三の鎧を磨き終わるまで週5にしてもいいですか。
防汚が上手くいくなら手入れが楽になりますからその時は減らします」
「分かった。今週はもう1日増やしてもいいか。来週の後半の勤務から週4にしておく。失敗だったら相談しよう」
「はい」
毎週月、水だったが金曜が加わった。
実験後は月、火、金、土にして、予定次第で曜日変更可能となった。
午前中はカーテンを付け替えて洗濯に回し、床の拭き掃除をした。
「アネット、先に食堂に行けるか?誰か付けようか」
「バーンズ卿、ひとりで大丈夫です」
「すぐ追いかけるから」
「分かりました」
雑巾とバケツを洗い、外に干す。
「食べに行くぞ」
「バトラーズ副隊長!」
私の肩に腕を回し食堂に連行する彼からはいい匂いがした。さすが公爵家
クンクンクン
「何してるの」
「いい匂いだなと。洗剤は何を使ってるんですか」
「知りたい?」
「はい」
「うちに来れば分かるよ」
「それはちょっと」
「何で」
「緊張し過ぎて胃に穴が空いたら困りますから」
「王宮に遊びに来て泊まるのに?」
「ステファニーは親友ですから」
「バトラーズ邸もそう思えばいいじゃないか」
「無茶ありますよね、それ」
「可愛いな」
「じゃあ、うちに来る時の手土産は洗剤の名前でお願いします」
「はいはい」
「団長が“はいは1回だ”って言ってました」
「デザート頼んでいいぞ」
「王宮持ちじゃないですか」
「ハハッ!」
「高貴な詐欺師発見」
「私を詐欺師と呼ぶのはアネットくらいだ」
「見事な二つ名ですね。広めましょうよ」
「絶対胃に穴なんか開かないだろう」
「えへへっ」
頭をグリグリされながら食堂へ着いた。
「ケイトさん、こんにちは」
「アネットちゃん、こんにちは。今日は違う騎士様を連れているのね」
「監視役です」
「そうなの? 今日は何にするの」
「ケイトさんならどれにします?」
「今日の魚の甘酢漬けは美味しいわよ」
「それにします」
「少なめね?」
「はい」
「一応取ってはいるけど骨に気を付けるのよ」
「はい。ありがとうございます」
「私はAを頼む」
「かしこまりました」
2階席に座った。
「バーンズ卿の分も聞いておけば良かったかも」
「バーンズ副隊長が来るのか?」
「そう言っていました」
「食堂の職員と仲がいいんだな。まだ2日目だろう?」
「靴を買いに行った時に街中で見かけてお茶に誘ったのです。1日目の時に注文を受けてくださった人だと思って声をかけました」
「彼女は平民か?」
「さぁ。“ケイト”と名乗られれば“ケイト”なのです。道端では家名があるかどうかはなんて気になりません」
「そうか」
「お待たせしました」
「ありがとうございます。わぁ~可愛い!」
「……私のと違うな」
「お嬢様の為にケイトが菓子係に頼み込んでいました。大喜びだったと伝えておきますね」
「ありがとうございます!」
デザートがネコ型になってる~
「アネットはすごいな。こんな待遇は初めて見るぞ」
「アネット、お待たせ」
「バーンズ卿」
「お疲れ様ですバトラーズ副隊長」
「お疲れ様です」
「アネットは魚にしたのか」
「はい。バーンズ卿の分も聞いて注文しておけば良かったですね。ここに来て気が付きました。すみません」
「いいんだよ。予定が変わっちゃったらもったいないことになるから。
午前中何してたの」
「カーテンの交換と床を磨いていました。
ピカピカになったと思います」
「そうか。偉いぞ。午後はどうするんだ?」
「掃除道具のお部屋を整理してチェックをします」
「チェック?」
「不足しているものや劣化して交換すべきものを報告して判断を仰ぎます」
「じゃあ、それは私に報告してくれるか」
「はい」
「アネット、お疲れ」
「皆様お疲れ様です」
第三の皆が集まってきた。
不思議そうな顔をしながらバトラーズ副隊長にも挨拶をして座っていく。
「アネット、飴ありがとう。生き返るよ」
「可愛い妹がいると生活が変わるな」
「うちの妹と交換したい」
「そんなことを言ったら妹さんが可哀想ですわ」
「優しいなぁ」
食事も終わったのだが……
「アネット、デザートは?」
「か、可愛過ぎてスプーンを入れられません。どうしましょう」
「仕方ないなぁ」
そう言ってバーンズ卿が容赦なくスプーンを入れてすくい、私の口元に運んだ。
条件反射で口が開く。
「美味しいか」
「はい」
次々と口元に運ぶので自分で食べると言う隙を与えることなく全て食べさせられた。
「お茶も飲んで」
「はい」
「………いつもこうか」
「いつもでは、、、ないです」
「アネット!!」
「ステファニー!」
皆が立ち上がる
「皆座って!そのまま休んでいて。
アネット、エプロン可愛いわね」
「青いの」
「青いわね。似合ってるわ。
困ってない?怪我してない?手荒れは?」
「大丈夫よ。革手袋やハンドクリームまで用意してくださったわ。皆様親切にしてくださるの。楽しく働かせてもらえてるわ」
「良かった!今日帰りに寄って。お揃いの寝巻きが届いたの。茶菓子も用意するわ」
「終わったら寄るわね」
「じゃあ、後でね!」
「本当に仲が良いな」
「有難いです」
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