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イザベル・バネット(卒業パーティの前)
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【 イザベル・バネットの視点 】
平凡な子爵家に産まれ平凡に生きてきた。
兄二人に両親。ギリギリに近い領地運営だったけど仲良く過ごしてきた。
だけどある時、隣のサルト領が領地を閉鎖した。日数はかかるが物資の行き来は可能。だけど人の出入りは絶たれた。
その理由は直ぐに分かった。領内の診療所が頻拍していると連絡が入り、父が状況を把握するために町に出た。兄は他領を調べながら王都へ向かった。
結果、父も兄も生きて帰っては来なかった。
感染が落ち着いたのは初夏だった。
次兄が子爵を継ぎ、母と一緒に領内の被害状況を調べたら、死者が領民の2割近かった。
領内の収穫物が激減したり生産が遅れたりして収入も減り、ギリギリの税収が激減した。
孤児も増え、主人を亡くし生活の行き詰まった夫人が自殺をしたり。
とにかくお金が必要だということで、売るものがなかったから領地を切り売りすることになった。
サルト領側の山と川がある土地を売りに出したら買い手が付いた。
それから数ヶ月後、サルト家から連絡があった。
それから我が家は慌ただしくなった。人の出入りもでてきて、聞いても答えてもらえなかった。
そしてしばらくすると母と兄から説明があった。
以前売ったサルト領に面した土地にある山から鉱物が採れるから返してくれるという。
しかも採掘にかかる費用を投資してくれる人を国が紹介してくれたという報告だった。
サルト領はとても栄えていて裕福な領地だ。
そこにはとても美しい夫人が嫁いだ。
当主も美男子だが目が不自由と聞いていた。
『イザベルと同い年の双子が美男美女らしい。双子の妹子も可愛いと噂だが社交にでないようだ』
自分には全く関係のない人達だが、いつか会ったらお礼を言いたいと思っていた。
その機会は茶会で訪れた。
後半、子爵家が入場し、男爵家が入ると会場は息を飲んだ。
神話から抜け出たような美しい令嬢と、令嬢とはまた違った逞しさと美しさで魅了する令息だった。
お礼を言わなくてはと機会をうかがっていた。
『子爵領を助けていただきありがとうございました』
令息はいろいろと質問をして教師を派遣すると言う、
よく分からないが怖いので返事をしてしまった。
翌日、昨日の話をすると兄が驚いていた。
『ライアン・サルトが?』
『はい 』
『返事をしたのか』
『はい 』
『様子をみよう』
音沙汰なく、二週間が経過した頃に手紙が届いた。
『イザベル、ライアン・サルト男爵令息が訪ねて来るそうだ』
『分かりました』
数日後、ライアン様は二人の客人とバネット邸に連れてきた。
『はじめまして、バネット子爵。
私はサルト家の長男、ライアンと申します』
『デレク・バネットと申します。その節はお世話になりました』
『こちらはフィロム先生。学業に必要なことを全て教えてくださいます。
目標は上位入学ですが、今からですと難しいでしょう。少しでも順位を上げましょう。
そしてミルズ先生。淑女教育から社交まで教えてくださいます。上位貴族の令嬢を教えている先生です。最初はできなくて当然です。
どこまで身につくかはイザベル嬢次第です』
『サルト男爵令息、バネット家にはまだ有能な教師を雇う余裕がありません』
『費用はこちらで持ちます。
最寄りの町の宿に部屋をとっています。
そこから通ってもらうのなら馬車の送迎をお願いします。
部屋を屋敷の中に用意して貰えるのならこれから荷物をとりに行きます。
いかがでしょう』
『何故ですか』
『山を戻して投資家を見つけてもまだ不足だと分かったからです。
父と母はバネット領が持ち直すことを望みました。
ですがあれだけでは不足だと知ったのです。
せっかくなのですからもう少し関わらせていただきたいのです』
『とてもお返しできません』
『見返りは要りません。隣の領地が豊かであって欲しいだけです。それには教育が必要です。嫁ごうが残ろうが令嬢にも最善を用意すべきです。
迷ってはいけません。この時期は人生を左右する大事な時期です。しっかりと教育を施して侮られることのないようにしなくてはなりません。
学園ではいろいろな貴族が集まります。学力と品のある立ち振る舞いがイザベル嬢を守るのです。寮生活になるのなら全て一人で対処しなくてはなりません。妹の無事を願うなら躊躇せずイザベル嬢に教育の機会を与えてください』
『……、宿に荷物を取りに向かわせます。
フィロム先生、ミルズ先生宜しくお願いします』
ライアン様は帰って行った。
先生方の授業は厳しい反面楽しかった。
教え方も上手だし、できるようになれば褒めてくれる。
雇っていた教師とは雲泥の差だった。
寝る間も惜しんで勉強した。
一つでも順位を上げてライアン様に助けて良かったと思ってもらえるように。
そして入学を果たすことになる。
あれからサルト家が融資をしてくれてゆとりある生活が送れていた。
学費も寮費も全てサルト家が支払ってくれた。部屋のランクもいい。個室で三番目にいい仕様の部屋だった。援助がなければ相部屋の一番安い部屋だっただろう。
クローゼットを開けると地図と住所と店の名前が書いた紙があった。次の週末に行けと書いている。
辿り着いた先は仕立て屋だった。
「いらっしゃいませバネット様。早速採寸から始めましょう」
「私は、」
「サルト様からバネット様に衣類と靴を用意するように依頼を受けました。
街中に着ていける服を三着、領地へ戻る時の服を二着、下着は10日分、夜着は三着、選んでいただきます。
費用は既にいただいておりますので、見合う品をご用意いたします」
「え?」
「入学祝いだと仰っておられました。
さあ、どうぞこちらへ」
流れるように店で注文して寮に帰ってきた。
「疲れたぁ~」
そして登校初日。私はギリギリで上位クラスに入れていた。猛勉強でも間に合っていなかったが、先生方の入試予想が見事に的中した。これから授業についていくのが大変だ。
教室に入るとまた驚いた。
昨年先に入学しているはずのミーシェ様がいたからだ。
ミーシェ様は誰も近寄らせない。空気を読まずに近寄るものを冷たくあしらう。
帰りにお礼を言うために呼び止めた。
「サルト男爵令嬢、ありがとうございました。隣の領地のバネット家の長女です」
「両親とライアンがしていることだから気にしないでください。それと学園では距離をとらないと巻き添えになります。用がない限り近寄らないようになさってください」
何のことだか分からなかったが、数日後にはよく分かった。
絡まれたり嫌がらせをされるのだ。
だけどミーシェ様は全く相手にしない。
度がすぎるとライアン様がやってくる。
どうやらワッツ公爵令息が知らせに走っているようだった。
何処かで水をかけられたみたいだがそのまま座り授業を受けようとするも、教師が気付いて大騒ぎ。
机が荒らされると、机を傾けて中のものを落とし、そのまま授業を受けようとするも、教師が気付いて大騒ぎ。
椅子に釘が仕掛けられていて制服のスカート部分が破れてもそのまま。
脚が見えるのでライアン様がやってきた。
ライアン様は釘を抜いてクラスメイト一人一人に目の前に釘を出す。そしてある令嬢の机の上に釘を置いた。
『最高クラスに入れても賢くはないのだな。
次はお前の命をかけろ』
『私は侯爵家の者よ!無礼だわ!』
『では、私は王族だ。親友のライアンに代わって私が言おう。
“最高クラスに入れても賢くはないのだな。
次はお前の命をかけろ”
君のことはよく覚えておくよ』
ライアン様は教師に話に行くと了承を得たようでミーシェ様を抱き上げて去って行った。
その後も時々嫌がらせは続いた。多分他のクラスの女生徒の仕業だろう。
それでもミーシェ様はずっと態度を変えなかった。
二年生になると数人メンバーが変わった。
進級試験で下のクラスへ落ちた者と上がってきた者がいるからだ。
私は放課後も夜も休日もずっと勉強を続けてきた。
三年生になったある時、ミーシェ様が反撃に出た。相手は三年次からこのクラスに入ってきた女生徒だ。
先生の授業を巻き込んで大恥をかかせた。
それでも懲りずに机を物色していた令嬢はミーシェ様の罠にかかっていた。
衝撃だったのはサルト男爵家の財力だ。
サルト家とライアン様個人で寄付!?
まさかと思い、放課後、男子寮へ向かうライアン様を呼び止めた。
『ライアン様、お尋ねしたいことがございます』
『こっちへ』
人気を避けた先で、
『もしかして教師や学費の援助はライアン様個人でしてくださっているのですか』
『……そうだ』
『お礼をサルト家宛に出しておりました。申し訳ございません』
『同じことだ。構わない。
これからも、ミーシェのゴタゴタに距離をおけ。イザベルに矛先が向けられては困る。
ミーシェは私と王家が付いているから問題ないし、本人が強い』
『でも傷付かないわけではありませんわ』
『巻き添えが出る方がミーシェが気に病む。
頼むから言うことを聞いてくれ』
『分かりました』
その後、殴打事件で大きな嫌がらせは無くなった。
平凡な子爵家に産まれ平凡に生きてきた。
兄二人に両親。ギリギリに近い領地運営だったけど仲良く過ごしてきた。
だけどある時、隣のサルト領が領地を閉鎖した。日数はかかるが物資の行き来は可能。だけど人の出入りは絶たれた。
その理由は直ぐに分かった。領内の診療所が頻拍していると連絡が入り、父が状況を把握するために町に出た。兄は他領を調べながら王都へ向かった。
結果、父も兄も生きて帰っては来なかった。
感染が落ち着いたのは初夏だった。
次兄が子爵を継ぎ、母と一緒に領内の被害状況を調べたら、死者が領民の2割近かった。
領内の収穫物が激減したり生産が遅れたりして収入も減り、ギリギリの税収が激減した。
孤児も増え、主人を亡くし生活の行き詰まった夫人が自殺をしたり。
とにかくお金が必要だということで、売るものがなかったから領地を切り売りすることになった。
サルト領側の山と川がある土地を売りに出したら買い手が付いた。
それから数ヶ月後、サルト家から連絡があった。
それから我が家は慌ただしくなった。人の出入りもでてきて、聞いても答えてもらえなかった。
そしてしばらくすると母と兄から説明があった。
以前売ったサルト領に面した土地にある山から鉱物が採れるから返してくれるという。
しかも採掘にかかる費用を投資してくれる人を国が紹介してくれたという報告だった。
サルト領はとても栄えていて裕福な領地だ。
そこにはとても美しい夫人が嫁いだ。
当主も美男子だが目が不自由と聞いていた。
『イザベルと同い年の双子が美男美女らしい。双子の妹子も可愛いと噂だが社交にでないようだ』
自分には全く関係のない人達だが、いつか会ったらお礼を言いたいと思っていた。
その機会は茶会で訪れた。
後半、子爵家が入場し、男爵家が入ると会場は息を飲んだ。
神話から抜け出たような美しい令嬢と、令嬢とはまた違った逞しさと美しさで魅了する令息だった。
お礼を言わなくてはと機会をうかがっていた。
『子爵領を助けていただきありがとうございました』
令息はいろいろと質問をして教師を派遣すると言う、
よく分からないが怖いので返事をしてしまった。
翌日、昨日の話をすると兄が驚いていた。
『ライアン・サルトが?』
『はい 』
『返事をしたのか』
『はい 』
『様子をみよう』
音沙汰なく、二週間が経過した頃に手紙が届いた。
『イザベル、ライアン・サルト男爵令息が訪ねて来るそうだ』
『分かりました』
数日後、ライアン様は二人の客人とバネット邸に連れてきた。
『はじめまして、バネット子爵。
私はサルト家の長男、ライアンと申します』
『デレク・バネットと申します。その節はお世話になりました』
『こちらはフィロム先生。学業に必要なことを全て教えてくださいます。
目標は上位入学ですが、今からですと難しいでしょう。少しでも順位を上げましょう。
そしてミルズ先生。淑女教育から社交まで教えてくださいます。上位貴族の令嬢を教えている先生です。最初はできなくて当然です。
どこまで身につくかはイザベル嬢次第です』
『サルト男爵令息、バネット家にはまだ有能な教師を雇う余裕がありません』
『費用はこちらで持ちます。
最寄りの町の宿に部屋をとっています。
そこから通ってもらうのなら馬車の送迎をお願いします。
部屋を屋敷の中に用意して貰えるのならこれから荷物をとりに行きます。
いかがでしょう』
『何故ですか』
『山を戻して投資家を見つけてもまだ不足だと分かったからです。
父と母はバネット領が持ち直すことを望みました。
ですがあれだけでは不足だと知ったのです。
せっかくなのですからもう少し関わらせていただきたいのです』
『とてもお返しできません』
『見返りは要りません。隣の領地が豊かであって欲しいだけです。それには教育が必要です。嫁ごうが残ろうが令嬢にも最善を用意すべきです。
迷ってはいけません。この時期は人生を左右する大事な時期です。しっかりと教育を施して侮られることのないようにしなくてはなりません。
学園ではいろいろな貴族が集まります。学力と品のある立ち振る舞いがイザベル嬢を守るのです。寮生活になるのなら全て一人で対処しなくてはなりません。妹の無事を願うなら躊躇せずイザベル嬢に教育の機会を与えてください』
『……、宿に荷物を取りに向かわせます。
フィロム先生、ミルズ先生宜しくお願いします』
ライアン様は帰って行った。
先生方の授業は厳しい反面楽しかった。
教え方も上手だし、できるようになれば褒めてくれる。
雇っていた教師とは雲泥の差だった。
寝る間も惜しんで勉強した。
一つでも順位を上げてライアン様に助けて良かったと思ってもらえるように。
そして入学を果たすことになる。
あれからサルト家が融資をしてくれてゆとりある生活が送れていた。
学費も寮費も全てサルト家が支払ってくれた。部屋のランクもいい。個室で三番目にいい仕様の部屋だった。援助がなければ相部屋の一番安い部屋だっただろう。
クローゼットを開けると地図と住所と店の名前が書いた紙があった。次の週末に行けと書いている。
辿り着いた先は仕立て屋だった。
「いらっしゃいませバネット様。早速採寸から始めましょう」
「私は、」
「サルト様からバネット様に衣類と靴を用意するように依頼を受けました。
街中に着ていける服を三着、領地へ戻る時の服を二着、下着は10日分、夜着は三着、選んでいただきます。
費用は既にいただいておりますので、見合う品をご用意いたします」
「え?」
「入学祝いだと仰っておられました。
さあ、どうぞこちらへ」
流れるように店で注文して寮に帰ってきた。
「疲れたぁ~」
そして登校初日。私はギリギリで上位クラスに入れていた。猛勉強でも間に合っていなかったが、先生方の入試予想が見事に的中した。これから授業についていくのが大変だ。
教室に入るとまた驚いた。
昨年先に入学しているはずのミーシェ様がいたからだ。
ミーシェ様は誰も近寄らせない。空気を読まずに近寄るものを冷たくあしらう。
帰りにお礼を言うために呼び止めた。
「サルト男爵令嬢、ありがとうございました。隣の領地のバネット家の長女です」
「両親とライアンがしていることだから気にしないでください。それと学園では距離をとらないと巻き添えになります。用がない限り近寄らないようになさってください」
何のことだか分からなかったが、数日後にはよく分かった。
絡まれたり嫌がらせをされるのだ。
だけどミーシェ様は全く相手にしない。
度がすぎるとライアン様がやってくる。
どうやらワッツ公爵令息が知らせに走っているようだった。
何処かで水をかけられたみたいだがそのまま座り授業を受けようとするも、教師が気付いて大騒ぎ。
机が荒らされると、机を傾けて中のものを落とし、そのまま授業を受けようとするも、教師が気付いて大騒ぎ。
椅子に釘が仕掛けられていて制服のスカート部分が破れてもそのまま。
脚が見えるのでライアン様がやってきた。
ライアン様は釘を抜いてクラスメイト一人一人に目の前に釘を出す。そしてある令嬢の机の上に釘を置いた。
『最高クラスに入れても賢くはないのだな。
次はお前の命をかけろ』
『私は侯爵家の者よ!無礼だわ!』
『では、私は王族だ。親友のライアンに代わって私が言おう。
“最高クラスに入れても賢くはないのだな。
次はお前の命をかけろ”
君のことはよく覚えておくよ』
ライアン様は教師に話に行くと了承を得たようでミーシェ様を抱き上げて去って行った。
その後も時々嫌がらせは続いた。多分他のクラスの女生徒の仕業だろう。
それでもミーシェ様はずっと態度を変えなかった。
二年生になると数人メンバーが変わった。
進級試験で下のクラスへ落ちた者と上がってきた者がいるからだ。
私は放課後も夜も休日もずっと勉強を続けてきた。
三年生になったある時、ミーシェ様が反撃に出た。相手は三年次からこのクラスに入ってきた女生徒だ。
先生の授業を巻き込んで大恥をかかせた。
それでも懲りずに机を物色していた令嬢はミーシェ様の罠にかかっていた。
衝撃だったのはサルト男爵家の財力だ。
サルト家とライアン様個人で寄付!?
まさかと思い、放課後、男子寮へ向かうライアン様を呼び止めた。
『ライアン様、お尋ねしたいことがございます』
『こっちへ』
人気を避けた先で、
『もしかして教師や学費の援助はライアン様個人でしてくださっているのですか』
『……そうだ』
『お礼をサルト家宛に出しておりました。申し訳ございません』
『同じことだ。構わない。
これからも、ミーシェのゴタゴタに距離をおけ。イザベルに矛先が向けられては困る。
ミーシェは私と王家が付いているから問題ないし、本人が強い』
『でも傷付かないわけではありませんわ』
『巻き添えが出る方がミーシェが気に病む。
頼むから言うことを聞いてくれ』
『分かりました』
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