26 / 30
第二十六話 決着
しおりを挟む
大広間に、重苦しい空気が漂っていた。アストリアの告発に加えて、ロイドの証言とデニスの捜査結果が明らかになり、パーティー出席者たちはマリラの去就に注目していた。彼女の華麗な容姿も、今はその存在感を失っていた。
「これは陰謀なのです。すべて、作り話ですわ!」
マリラは顔をこわばらせ、衛兵隊の剣に囲まれたまま、なおも空虚な声を張り上げていた。
「マリラ公爵令嬢。もう証拠は揃った。もはや言い逃れはできない。君がしたことを認めるべきだ」
エーベルは、厳しい表情で彼女を見つめる。
「すべて捏造です。こんな話、私は聞くに堪えません!」
マリラは必死に叫び続けた。だが、もはや彼女の主張に耳を貸す者はいなかった。
そのとき、広間の奥から、マリラの両親である、公爵夫妻が静かに進み出てきた。好奇と非難の眼差しを浴びる中、彼らは足早に、娘のもとへと歩み寄った。
「マリラ……」
父である公爵が、声を震わせながら言った。
「私たちも、先ほどからのやりとりを全て聞かせてもらった。お前が何をしたか、何が起きたか、よく分かったよ」
「お父様!」
マリラは振り返り、すがるように父を見た。
「私はお父様の娘でしょう? 信じてください! 」
母である公爵夫人が、涙を浮かべながら声をかけた。
「マリラ、私たちはマリラを愛しているわ。だからこそ、お前がこれ以上苦しむ姿を見たくないの。どうか、正直に話してちょうだい。自分がしたことは素直に認めて」
「そんな、お母様……」
両親からも引導を渡され、マリラは絶望して肩を落とした。公爵もまた、悲しそうな表情で告げる。
「罪を償うことでしか、お前はこの苦しみから解放されないんだよ。私たちも、お前が素直に事実を話して、正しい道を歩んでほしいと望んでいる」
公爵夫人が涙を拭いながら、マリラの手を取り、優しく言った。
「お願いよ、マリラ。私たちはずっと、マリラの味方でいたい。でも、そのためには、マリラが素直になってくれなくちゃ」
静寂の中で、彼女はしばらく視線をさまよわせたが、とうとう、力なくうなづいた。
「わかりました……」
彼女の声はかすれていたが、はっきりと聞こえた。
「私はあの夜、東宮殿で会った女性をアストリア殿下とは露知らず、ひどい目に遭わせました」
マリラの反抗的な目つきが、次第に消えていく。
「王女殿下の失踪を知らされ、あの時の女性がもしや王女殿下ではと怖くなりましたが、『そんなはずはない』と勝手に自分を納得させて、今日まで黙っておりました。本当に申し訳ありません」
その言葉が大広間に響いた瞬間、一段と大きなざわめきが再び起こった。
「やはり彼女が犯人か……」
「やっと認めたな……」
エーベルは怒りに震えながら、厳しい表情で告げた。
「マリラ! 君がしたことは重罪だ。罪を認めた以上は、正当な裁きを受けてもらうぞ!」
父である公爵が、床に膝をついて、深く頭を下げた。
「国王・王妃両陛下、エーベル王子殿下。そして何よりも被害者である、アストリア王女殿下。私たちは、娘マリラの罪を重く受け止めます。彼女がしたことは、許されるべきではありません。その上で、申し上げたいことがございますが、よろしいでしょうか」
エーベルが公爵に答えた。
「申してみよ、公爵」
公爵は一礼すると、口を開いた。
「陛下の命により、我が公爵家でも、この事件について独自に調査を進めて参りました。まず、王女殿下の部屋の窓についてです。あの窓は鍵で施錠されるのが通例ですが、あの夜だけ、何故か施錠されていなかったようです」
アストリアが、目を見開きながら言った。
「確かに、公爵様のおっしゃる通りです。あの夜、私が東宮殿に行きたいと何度頼んでも、乳母のリディアは拒みました。ところがその後で、リディアは窓に鍵をかけずに出て行ったんです」
「それでアストリアは、あの夜、窓から抜け出して東宮殿に行こうと急に思いついたわけか……」
エーベルが驚きながらつぶやく。公爵は報告を続けた。
「次に、マリラの護衛隊長だったフリードという者が、公爵家の荷物を搬入すると言い張って、東宮殿の裏口から王宮の衛兵隊を移動させたことが分かっています。衛兵隊の排除後も、フリードは裏口に私兵を配置しませんでした」
アストリアが、またも納得した表情を見せる。
「物陰から見ていたら、衛兵が急に移動を始めて、誰もいなくなりました。それで私は、裏口から入れたんです。騒ぎの間も、衛兵隊は誰一人来ませんでした」
さらなる意外な事実を、公爵は明かす。
「あの事件の後、王女殿下の乳母だったリディア、公爵家の護衛フリード、そしてマリラの侍女だったエルザという者が、ほぼ同時期に退職しております。調査の結果、三人揃って、隣国・セルヴァ王国行きの船に乗り、海路で出国しておりました」
「エルザ……? そうよ、エルザよ! エーベル殿下の部屋に浮気相手の女がいると、私にわざわざ知らせに来たのは、エルザでしたわ!」
マリラが青ざめた表情で叫んだ。公爵はうなづきながら、話を続ける。
「なるほど。今のマリラの発言が事実とすれば、リディア、フリードに加え、元侍女のエルザを含めた三人は、何者かに買収されたスパイだった可能性も考えられます」
「貴様も陰謀だと言い出すのか? 今さら何を……」
エーベルが不快そうな表情もあらわに、公爵の話を遮った。だが、公爵は真摯な態度で説明を続ける。
「殿下。最初に申し上げた通り、娘を庇う意図は、もうありません。ただ、三人の動きを総合すると、アストリア殿下が東宮殿へ忍び込むよう誘い込んでおり、一方で、我が娘マリラには疑心暗鬼を煽っている。両人を鉢合わせさせてトラブルを誘発し、宮廷内の混乱を狙ったのではと」
「なるほど。その点は、さらなる詳しい調査が必要だな」
「もちろん、たとえ三人に嵌められたのだとしても、です。王女殿下に対する娘マリラの悪逆非道の数々は、全て娘自身の判断によるものでした」
公爵は深く溜め息をついた。
「彼らも、娘があそこまでやるとは、予想外だったでしょう。そのような残忍な性格に育てた、私どもの教育不行届です。その報いは、公爵家一同が甘んじて背負うつもりです。以上、ご報告申し上げます……」
公爵が目に涙を溜めながら、長い報告を終えると、エーベルは答えた。
「よく分かった、公爵。既に公爵令嬢が罪を認めた以上、今は、これ以上の詮索は不要だ。彼女の罪は罪として、厳正に裁く。スパイの関与の有無は、引き続き詳しく調査を進めよう」
公爵はエーベルに一礼すると、マリラのほうへ向き直って言った。
「家門のための結婚で、お前に重圧をかけたな。私たちが悪かったんだ。この罪は、お前だけには背負わせない。お前の罪の償いに、公爵家の財産を差し出そうと思う」
マリラは、目を伏せながら言った。
「お父様、お母様。私が愚かでした。不安を煽られて、怖くて、どうかしてました。王女殿下に、取り返しのつかない、本当にひどいことをしました」
公爵夫人はマリラの眼前で泣き崩れる。
「とにかく、これからは正直に生きて、罪を償いなさい。それが私たちの、唯一の願いなのよ」
母の懇願に、マリラもついに観念した。衛兵隊に向かって、おとなしく両手を差し出す。
「お手間取らせました……。わ、私、自分の罪を償います……」
ここまで高慢な態度を取り続けた彼女だったが、風船のように張り詰めた彼女の気が、この瞬間、いっぺんに破れて弾け飛んだ。もはや別人のように顔を醜く歪め、わんわんと大声を上げて泣きながら、マリラは連行されていくのだった。
「これは陰謀なのです。すべて、作り話ですわ!」
マリラは顔をこわばらせ、衛兵隊の剣に囲まれたまま、なおも空虚な声を張り上げていた。
「マリラ公爵令嬢。もう証拠は揃った。もはや言い逃れはできない。君がしたことを認めるべきだ」
エーベルは、厳しい表情で彼女を見つめる。
「すべて捏造です。こんな話、私は聞くに堪えません!」
マリラは必死に叫び続けた。だが、もはや彼女の主張に耳を貸す者はいなかった。
そのとき、広間の奥から、マリラの両親である、公爵夫妻が静かに進み出てきた。好奇と非難の眼差しを浴びる中、彼らは足早に、娘のもとへと歩み寄った。
「マリラ……」
父である公爵が、声を震わせながら言った。
「私たちも、先ほどからのやりとりを全て聞かせてもらった。お前が何をしたか、何が起きたか、よく分かったよ」
「お父様!」
マリラは振り返り、すがるように父を見た。
「私はお父様の娘でしょう? 信じてください! 」
母である公爵夫人が、涙を浮かべながら声をかけた。
「マリラ、私たちはマリラを愛しているわ。だからこそ、お前がこれ以上苦しむ姿を見たくないの。どうか、正直に話してちょうだい。自分がしたことは素直に認めて」
「そんな、お母様……」
両親からも引導を渡され、マリラは絶望して肩を落とした。公爵もまた、悲しそうな表情で告げる。
「罪を償うことでしか、お前はこの苦しみから解放されないんだよ。私たちも、お前が素直に事実を話して、正しい道を歩んでほしいと望んでいる」
公爵夫人が涙を拭いながら、マリラの手を取り、優しく言った。
「お願いよ、マリラ。私たちはずっと、マリラの味方でいたい。でも、そのためには、マリラが素直になってくれなくちゃ」
静寂の中で、彼女はしばらく視線をさまよわせたが、とうとう、力なくうなづいた。
「わかりました……」
彼女の声はかすれていたが、はっきりと聞こえた。
「私はあの夜、東宮殿で会った女性をアストリア殿下とは露知らず、ひどい目に遭わせました」
マリラの反抗的な目つきが、次第に消えていく。
「王女殿下の失踪を知らされ、あの時の女性がもしや王女殿下ではと怖くなりましたが、『そんなはずはない』と勝手に自分を納得させて、今日まで黙っておりました。本当に申し訳ありません」
その言葉が大広間に響いた瞬間、一段と大きなざわめきが再び起こった。
「やはり彼女が犯人か……」
「やっと認めたな……」
エーベルは怒りに震えながら、厳しい表情で告げた。
「マリラ! 君がしたことは重罪だ。罪を認めた以上は、正当な裁きを受けてもらうぞ!」
父である公爵が、床に膝をついて、深く頭を下げた。
「国王・王妃両陛下、エーベル王子殿下。そして何よりも被害者である、アストリア王女殿下。私たちは、娘マリラの罪を重く受け止めます。彼女がしたことは、許されるべきではありません。その上で、申し上げたいことがございますが、よろしいでしょうか」
エーベルが公爵に答えた。
「申してみよ、公爵」
公爵は一礼すると、口を開いた。
「陛下の命により、我が公爵家でも、この事件について独自に調査を進めて参りました。まず、王女殿下の部屋の窓についてです。あの窓は鍵で施錠されるのが通例ですが、あの夜だけ、何故か施錠されていなかったようです」
アストリアが、目を見開きながら言った。
「確かに、公爵様のおっしゃる通りです。あの夜、私が東宮殿に行きたいと何度頼んでも、乳母のリディアは拒みました。ところがその後で、リディアは窓に鍵をかけずに出て行ったんです」
「それでアストリアは、あの夜、窓から抜け出して東宮殿に行こうと急に思いついたわけか……」
エーベルが驚きながらつぶやく。公爵は報告を続けた。
「次に、マリラの護衛隊長だったフリードという者が、公爵家の荷物を搬入すると言い張って、東宮殿の裏口から王宮の衛兵隊を移動させたことが分かっています。衛兵隊の排除後も、フリードは裏口に私兵を配置しませんでした」
アストリアが、またも納得した表情を見せる。
「物陰から見ていたら、衛兵が急に移動を始めて、誰もいなくなりました。それで私は、裏口から入れたんです。騒ぎの間も、衛兵隊は誰一人来ませんでした」
さらなる意外な事実を、公爵は明かす。
「あの事件の後、王女殿下の乳母だったリディア、公爵家の護衛フリード、そしてマリラの侍女だったエルザという者が、ほぼ同時期に退職しております。調査の結果、三人揃って、隣国・セルヴァ王国行きの船に乗り、海路で出国しておりました」
「エルザ……? そうよ、エルザよ! エーベル殿下の部屋に浮気相手の女がいると、私にわざわざ知らせに来たのは、エルザでしたわ!」
マリラが青ざめた表情で叫んだ。公爵はうなづきながら、話を続ける。
「なるほど。今のマリラの発言が事実とすれば、リディア、フリードに加え、元侍女のエルザを含めた三人は、何者かに買収されたスパイだった可能性も考えられます」
「貴様も陰謀だと言い出すのか? 今さら何を……」
エーベルが不快そうな表情もあらわに、公爵の話を遮った。だが、公爵は真摯な態度で説明を続ける。
「殿下。最初に申し上げた通り、娘を庇う意図は、もうありません。ただ、三人の動きを総合すると、アストリア殿下が東宮殿へ忍び込むよう誘い込んでおり、一方で、我が娘マリラには疑心暗鬼を煽っている。両人を鉢合わせさせてトラブルを誘発し、宮廷内の混乱を狙ったのではと」
「なるほど。その点は、さらなる詳しい調査が必要だな」
「もちろん、たとえ三人に嵌められたのだとしても、です。王女殿下に対する娘マリラの悪逆非道の数々は、全て娘自身の判断によるものでした」
公爵は深く溜め息をついた。
「彼らも、娘があそこまでやるとは、予想外だったでしょう。そのような残忍な性格に育てた、私どもの教育不行届です。その報いは、公爵家一同が甘んじて背負うつもりです。以上、ご報告申し上げます……」
公爵が目に涙を溜めながら、長い報告を終えると、エーベルは答えた。
「よく分かった、公爵。既に公爵令嬢が罪を認めた以上、今は、これ以上の詮索は不要だ。彼女の罪は罪として、厳正に裁く。スパイの関与の有無は、引き続き詳しく調査を進めよう」
公爵はエーベルに一礼すると、マリラのほうへ向き直って言った。
「家門のための結婚で、お前に重圧をかけたな。私たちが悪かったんだ。この罪は、お前だけには背負わせない。お前の罪の償いに、公爵家の財産を差し出そうと思う」
マリラは、目を伏せながら言った。
「お父様、お母様。私が愚かでした。不安を煽られて、怖くて、どうかしてました。王女殿下に、取り返しのつかない、本当にひどいことをしました」
公爵夫人はマリラの眼前で泣き崩れる。
「とにかく、これからは正直に生きて、罪を償いなさい。それが私たちの、唯一の願いなのよ」
母の懇願に、マリラもついに観念した。衛兵隊に向かって、おとなしく両手を差し出す。
「お手間取らせました……。わ、私、自分の罪を償います……」
ここまで高慢な態度を取り続けた彼女だったが、風船のように張り詰めた彼女の気が、この瞬間、いっぺんに破れて弾け飛んだ。もはや別人のように顔を醜く歪め、わんわんと大声を上げて泣きながら、マリラは連行されていくのだった。
28
あなたにおすすめの小説
所詮、わたしは壁の花 〜なのに辺境伯様が溺愛してくるのは何故ですか?〜
しがわか
ファンタジー
刺繍を愛してやまないローゼリアは父から行き遅れと罵られていた。
高貴な相手に見初められるために、とむりやり夜会へ送り込まれる日々。
しかし父は知らないのだ。
ローゼリアが夜会で”壁の花”と罵られていることを。
そんなローゼリアが参加した辺境伯様の夜会はいつもと雰囲気が違っていた。
それもそのはず、それは辺境伯様の婚約者を決める集まりだったのだ。
けれど所詮”壁の花”の自分には関係がない、といつものように会場の隅で目立たないようにしているローゼリアは不意に手を握られる。
その相手はなんと辺境伯様で——。
なぜ、辺境伯様は自分を溺愛してくれるのか。
彼の過去を知り、やがてその理由を悟ることとなる。
それでも——いや、だからこそ辺境伯様の力になりたいと誓ったローゼリアには特別な力があった。
天啓<ギフト>として女神様から賜った『魔力を象るチカラ』は想像を創造できる万能な能力だった。
壁の花としての自重をやめたローゼリアは天啓を自在に操り、大好きな人達を守り導いていく。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~
いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。
地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。
「――もう、草とだけ暮らせればいい」
絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。
やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる――
「あなたの薬に、国を救ってほしい」
導かれるように再び王都へと向かうレイナ。
医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。
薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える――
これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ
凜
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます!
貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。
前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?
あっ、追放されちゃった…。
satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。
母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。
ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。
そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。
精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。
オネエ伯爵、幼女を拾う。~実はこの子、逃げてきた聖女らしい~
雪丸
ファンタジー
アタシ、アドルディ・レッドフォード伯爵。
突然だけど今の状況を説明するわ。幼女を拾ったの。
多分年齢は6~8歳くらいの子。屋敷の前にボロ雑巾が落ちてると思ったらびっくり!人だったの。
死んでる?と思ってその辺りに落ちている木で突いたら、息をしていたから屋敷に運んで手当てをしたのよ。
「道端で倒れていた私を助け、手当を施したその所業。賞賛に値します。(盛大なキャラ作り中)」
んま~~~尊大だし図々しいし可愛くないわ~~~!!
でも聖女様だから変な扱いもできないわ~~~!!
これからアタシ、どうなっちゃうのかしら…。
な、ラブコメ&ファンタジーです。恋の進展はスローペースです。
小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。(敬称略)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる