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かなた君編
2.再会
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大学が夏休みに入り、奏汰は久しぶりにバイトのシフトに入った。
例のオフ会の後、試験期間に入ってしまったため、バイトに行くのはあの日以来だ。
「あの人、来るかな⋯」
常連っぽい雰囲気だった佐伯ともう1人の男。正直、あのスーツの男は少し怖かったので遠慮したいが、佐伯にはもう1度会いたいと思っていた。
マスターに訊けば、もしかしたら連絡先がわかるのかもしれないが、やはり自分から訊くのはちょっと気が引ける。
これからしばらくの間は、夏休みなのでシフトに入ることも増える。それでも会えなかったらその時に訊いてみよう。そう思って仕事に集中していると、
「あれ、奏汰君?」
まさかの初日に会えてしまった。
「久しぶりだね~」
「あ、えと、こんばんは」
佐伯は今日は1人のようで、カウンター席に座るとニコッと奏汰に笑みを向けた。
「元気そうで良かった。あの後何回かここ来たんだけど、いつもお休みだって言われて、ちょっと心配してたんだよ」
「あ、すみません。試験期間だったので、バイトお休みもらってて」
「え、なんだそうだったのか。マスターもそれならそうと言ってくれれば良かったのに」
「個人情報は教えられないからな」
「ケチ」
唇を尖らせる様子は、年齢よりも少し幼く見せる。そのギャップにも、奏汰は無駄にドキドキしてしまう。
心配していた、と言ってくれた。少なくとも、気にはかけてくれていたようだ。だからといって、自分と同じように会いたいと思ってくれていたとは限らないが。それでも――
「あの⋯」
奏汰は意を決して佐伯の顔を見つめる。どうせ、今更失うものなど何もない。
「俺、ずっと佐伯さんに会いたいと思ってて⋯」
「ほんと? 俺も会いたかったよ」
返事が軽すぎて、本気なのか社交辞令なのかなんなのかわからない。どうとったらいいのかわからず戸惑う奏汰に、佐伯は更に続ける。
「奏汰君、今日バイト何時まで?」
「えっと、11時です」
「じゃあ、その後どこか行く?」
「!」
意味深な微笑みにドキっと心臓が音をたてる。相変わらずお茶にでも誘うような気軽さだが、夜の11時から行ける場所など限られている。
奏汰が頰を染めながら小さく頷くと、佐伯はニコッと邪気のない笑みを浮かべた。
✦✦✦
佐伯は、奏汰のバイトが終わる時間まで店で待っていてくれた。
食事に行くかと訊かれたが、お腹は空いていなかったのでそう言うと、そのままホテルに行くことになった。
順番にシャワーを浴び、バスローブを着て戻ると佐伯はベッドに寝転がってスマホを見ていた。奏汰が風呂から出て来たことに気付くと、スマホを置いて手招きしてくる。
「おいで」
奏汰はゆっくりとベッドに近付いた。
今日、佐伯が何をするつもりなのか、奏汰は聞いていない。セックスするつもりなのか、この前のようにくすぐるだけなのか。けれど、奏汰にとってはどちらでも構わなかった。そんなことは些末な差でしかない。
佐伯のもとへ行くと、バスローブを脱ぐように言われ、下着姿になった奏汰は、仰向けで両手をバンザイした格好で拘束された。佐伯が覆い被さってくる。
「ね、キスしていい?」
「え⋯?」
この状況でそんなことを訊かれるとは思っていなかったので、一瞬返事が遅れる。それをどうとったのか、佐伯は優しく微笑んだ。
「いつもはあんまりしないんだけどね~。奏汰君可愛いからしたくなっちゃった。いい?」
「⋯はい」
頷いて目を閉じると、そっと唇を塞がれた。すぐに口内に侵入してきたものに、舌を絡め取られる。
「ん⋯、んぅ、」
ふいに首筋を撫でられ、ビクっと身体が震える。そのまま喉元をくすぐってくる手に、小さく呻いた。
「っ――⋯、ぁ、んん~」
下を向けないように左手で顎を押さえられ、右手で首をくすぐられる。キスで口を封じられているため声を出すことも出来なかったが、奏汰は必死で佐伯の舌を噛んでしまわないようにしながら耐えていた。
しばらくして、ようやく手が止まり唇を解放される。奏汰は大きく息を吐いて、蕩けた瞳で目の前の男を見つめた。
「顔とろとろだね。こっちも反応してるけど、気持ち良かった?」
「あっ⋯」
いつの間にか緩く勃ち上がっていた自身に下着の上からそっと触れられ、羞恥に頰を染める。隠すように足を閉じると、手はすぐにそこから離れていった。
「ね、俺普通にエッチするつもりないけど、いいの?」
「っ⋯、ふ」
二の腕をスッと指先で撫でられ、奏汰は目を細めて頷く。
指はそのまま奏汰の左腋に触れ、ゆっくりとくすぐり始める。
「ん⋯んく⋯、っ、ふ⋯」
「じゃあ今日は時間気にする必要もないし、いっぱいくすぐってあげるね」
「っあ! ん、ふふふ⋯、ぁ⋯」
この前とは違い、今日はすぐに反対側の腋もくすぐられた。けれど、この前よりは耐えられているような気がする。前はこの時点ですでに笑い声が止まらなかったように思う。少しは慣れたのか、状況が違い恥ずかしさが薄れたためか、はたまた佐伯が手加減してくれているのか。
薄々気づいてはいたが、単に手加減してくれていただけだというのはすぐにわかった。徐々に激しくなり、奏汰は逃げるように身を捩る。
「あっはははは! やあああ! だめ、くすぐったいぃいやあぁはははは!」
くねくねと身体を捩るも、左側を隠そうとすれば右側が露わになり、身体を浮かせば背中の方までくすぐられる。暴れるのを咎められることはなかったが、徐々に体力が奪われ、次第に大人しくなっていった。
すると、いったん手が止まり、奏汰は脱力して荒く息を吐いた。
「ちょっと休憩ね」
佐伯はそう言って、水のペットボトルを差し出してくれる。
休憩して身体が落ち着くと、佐伯は今度は太腿の辺りに背中を向ける形で座った。
「佐伯さん?」
顔が見えないと僅かに不安になり名前を呼ぶと、そっと足の裏を撫でられた。
「ひゃっ!」
「ここはこの前は触らなかったけど、どうかな~?」
「あっ、ふふ⋯、あははははは!」
軽く両手で両方の足の裏を撫でられた後、片方ずつ順番にくすぐられる。親指を掴んで、ぴんと張った状態でくすぐられると我慢出来なかった。
指の間も丹念に撫でられ、首を激しく左右に振ったり仰け反ったりして感覚を逃がそうとするが、ほとんど効果はなく悲鳴のような声が上がる。
足の裏が終わると、佐伯は再び奏汰と向き合うように座り直す。開かせた足の間に陣取り、M字ほどではないが外側に膝を倒して内腿を晒す格好をさせられ、奏汰は真っ赤になった。
「や、佐伯さん、恥ずかしい⋯」
「俺しか見てないから大丈夫だよ」
何が大丈夫なのか全然わからないが、内腿をくすぐられるとすぐにどうでもよくなっていった。
その後は足の付根やお腹、脇腹、腋など、ランダムに弱いところをくすぐられた。
佐伯は時々、手の場所を変える時などに1、2秒肌から手を離し、その度に奏汰は大きく息を吐いた。息が出来なくなるほどの苦しさがない分、ただただくすぐったい感覚を与えられる。
その内に手が離れるほんの一瞬に物足りなさを感じるようになっていき、僅かに焦らされた後またすぐに与えられる刺激を、脳が快感として認識し始める。
「はあ、あっ、あは⋯、な、んで⋯んああぁ」
「ふふ。可愛い。くすぐったいの気持ちいい?」
「んっ⋯はあ、あはは⋯、やあぁっ」
奏汰はこくこくと頷く。優しく髪を撫でられて、うっとりした顔で佐伯の目を見つめた。
「じゃあ、おねだりしてごらん」
「⋯⋯て」
「うん?」
「⋯もっと、くすぐって⋯」
素直に従うと、満足そうに笑う佐伯に唇を塞がれた。キスをしたまま上半身を撫で回され、更に思考が蕩けていく。
足の間にも手が伸びてきて、奏汰は大きく喘いだ。
「んああぁあ!」
「だいぶ濡れてきてるね。ここもこちょこちょしてあげるから、このままイッてごらん」
右手で下着の上から性器をくすぐられ、左手は脇腹や足の付根を無造作に撫で回される。
「あぁあああ! やあっ、ぁああはははは! んああぁああー!」
白く霞んでいく意識の中で強烈な快樂に呑まれ、奏汰はそのまま気を失った。
✦✦✦
奏汰がアルバイトをしているバーで、2度目のオフ会が開かれていた。今日もシフトに入っているが、この前のような見てはいけないものを見ているような感覚はない。違う意味で緊張はしているのだが。
「おかわりちょうだい」
「わかりました」
カウンター席に座る佐伯に、グラスを差し出される。それを受け取ろうとしたところで、そっとその手を掴まれた。
「っ、あの⋯」
「どこ見てたの?」
「っ!」
あちこちで行われているくすぐりプレイに意識が行っていたことがバレていたようだ。
佐伯は身を乗り出して耳許に唇を寄せてくる。
「羨ましい?」
「⋯ぁ」
掴まれた手の平を、そっと指先で撫でられる。潤んだ瞳で佐伯の顔を見つめた。
「ふふ。終わったらいっぱいしてあげるから、楽しみにしてて」
「⋯はい」
恋人の甘く意地悪な声に、それだけで思考が溶けていくような感覚を得て、奏汰は気付かれないようにそっと溜息を吐いた。
END.
例のオフ会の後、試験期間に入ってしまったため、バイトに行くのはあの日以来だ。
「あの人、来るかな⋯」
常連っぽい雰囲気だった佐伯ともう1人の男。正直、あのスーツの男は少し怖かったので遠慮したいが、佐伯にはもう1度会いたいと思っていた。
マスターに訊けば、もしかしたら連絡先がわかるのかもしれないが、やはり自分から訊くのはちょっと気が引ける。
これからしばらくの間は、夏休みなのでシフトに入ることも増える。それでも会えなかったらその時に訊いてみよう。そう思って仕事に集中していると、
「あれ、奏汰君?」
まさかの初日に会えてしまった。
「久しぶりだね~」
「あ、えと、こんばんは」
佐伯は今日は1人のようで、カウンター席に座るとニコッと奏汰に笑みを向けた。
「元気そうで良かった。あの後何回かここ来たんだけど、いつもお休みだって言われて、ちょっと心配してたんだよ」
「あ、すみません。試験期間だったので、バイトお休みもらってて」
「え、なんだそうだったのか。マスターもそれならそうと言ってくれれば良かったのに」
「個人情報は教えられないからな」
「ケチ」
唇を尖らせる様子は、年齢よりも少し幼く見せる。そのギャップにも、奏汰は無駄にドキドキしてしまう。
心配していた、と言ってくれた。少なくとも、気にはかけてくれていたようだ。だからといって、自分と同じように会いたいと思ってくれていたとは限らないが。それでも――
「あの⋯」
奏汰は意を決して佐伯の顔を見つめる。どうせ、今更失うものなど何もない。
「俺、ずっと佐伯さんに会いたいと思ってて⋯」
「ほんと? 俺も会いたかったよ」
返事が軽すぎて、本気なのか社交辞令なのかなんなのかわからない。どうとったらいいのかわからず戸惑う奏汰に、佐伯は更に続ける。
「奏汰君、今日バイト何時まで?」
「えっと、11時です」
「じゃあ、その後どこか行く?」
「!」
意味深な微笑みにドキっと心臓が音をたてる。相変わらずお茶にでも誘うような気軽さだが、夜の11時から行ける場所など限られている。
奏汰が頰を染めながら小さく頷くと、佐伯はニコッと邪気のない笑みを浮かべた。
✦✦✦
佐伯は、奏汰のバイトが終わる時間まで店で待っていてくれた。
食事に行くかと訊かれたが、お腹は空いていなかったのでそう言うと、そのままホテルに行くことになった。
順番にシャワーを浴び、バスローブを着て戻ると佐伯はベッドに寝転がってスマホを見ていた。奏汰が風呂から出て来たことに気付くと、スマホを置いて手招きしてくる。
「おいで」
奏汰はゆっくりとベッドに近付いた。
今日、佐伯が何をするつもりなのか、奏汰は聞いていない。セックスするつもりなのか、この前のようにくすぐるだけなのか。けれど、奏汰にとってはどちらでも構わなかった。そんなことは些末な差でしかない。
佐伯のもとへ行くと、バスローブを脱ぐように言われ、下着姿になった奏汰は、仰向けで両手をバンザイした格好で拘束された。佐伯が覆い被さってくる。
「ね、キスしていい?」
「え⋯?」
この状況でそんなことを訊かれるとは思っていなかったので、一瞬返事が遅れる。それをどうとったのか、佐伯は優しく微笑んだ。
「いつもはあんまりしないんだけどね~。奏汰君可愛いからしたくなっちゃった。いい?」
「⋯はい」
頷いて目を閉じると、そっと唇を塞がれた。すぐに口内に侵入してきたものに、舌を絡め取られる。
「ん⋯、んぅ、」
ふいに首筋を撫でられ、ビクっと身体が震える。そのまま喉元をくすぐってくる手に、小さく呻いた。
「っ――⋯、ぁ、んん~」
下を向けないように左手で顎を押さえられ、右手で首をくすぐられる。キスで口を封じられているため声を出すことも出来なかったが、奏汰は必死で佐伯の舌を噛んでしまわないようにしながら耐えていた。
しばらくして、ようやく手が止まり唇を解放される。奏汰は大きく息を吐いて、蕩けた瞳で目の前の男を見つめた。
「顔とろとろだね。こっちも反応してるけど、気持ち良かった?」
「あっ⋯」
いつの間にか緩く勃ち上がっていた自身に下着の上からそっと触れられ、羞恥に頰を染める。隠すように足を閉じると、手はすぐにそこから離れていった。
「ね、俺普通にエッチするつもりないけど、いいの?」
「っ⋯、ふ」
二の腕をスッと指先で撫でられ、奏汰は目を細めて頷く。
指はそのまま奏汰の左腋に触れ、ゆっくりとくすぐり始める。
「ん⋯んく⋯、っ、ふ⋯」
「じゃあ今日は時間気にする必要もないし、いっぱいくすぐってあげるね」
「っあ! ん、ふふふ⋯、ぁ⋯」
この前とは違い、今日はすぐに反対側の腋もくすぐられた。けれど、この前よりは耐えられているような気がする。前はこの時点ですでに笑い声が止まらなかったように思う。少しは慣れたのか、状況が違い恥ずかしさが薄れたためか、はたまた佐伯が手加減してくれているのか。
薄々気づいてはいたが、単に手加減してくれていただけだというのはすぐにわかった。徐々に激しくなり、奏汰は逃げるように身を捩る。
「あっはははは! やあああ! だめ、くすぐったいぃいやあぁはははは!」
くねくねと身体を捩るも、左側を隠そうとすれば右側が露わになり、身体を浮かせば背中の方までくすぐられる。暴れるのを咎められることはなかったが、徐々に体力が奪われ、次第に大人しくなっていった。
すると、いったん手が止まり、奏汰は脱力して荒く息を吐いた。
「ちょっと休憩ね」
佐伯はそう言って、水のペットボトルを差し出してくれる。
休憩して身体が落ち着くと、佐伯は今度は太腿の辺りに背中を向ける形で座った。
「佐伯さん?」
顔が見えないと僅かに不安になり名前を呼ぶと、そっと足の裏を撫でられた。
「ひゃっ!」
「ここはこの前は触らなかったけど、どうかな~?」
「あっ、ふふ⋯、あははははは!」
軽く両手で両方の足の裏を撫でられた後、片方ずつ順番にくすぐられる。親指を掴んで、ぴんと張った状態でくすぐられると我慢出来なかった。
指の間も丹念に撫でられ、首を激しく左右に振ったり仰け反ったりして感覚を逃がそうとするが、ほとんど効果はなく悲鳴のような声が上がる。
足の裏が終わると、佐伯は再び奏汰と向き合うように座り直す。開かせた足の間に陣取り、M字ほどではないが外側に膝を倒して内腿を晒す格好をさせられ、奏汰は真っ赤になった。
「や、佐伯さん、恥ずかしい⋯」
「俺しか見てないから大丈夫だよ」
何が大丈夫なのか全然わからないが、内腿をくすぐられるとすぐにどうでもよくなっていった。
その後は足の付根やお腹、脇腹、腋など、ランダムに弱いところをくすぐられた。
佐伯は時々、手の場所を変える時などに1、2秒肌から手を離し、その度に奏汰は大きく息を吐いた。息が出来なくなるほどの苦しさがない分、ただただくすぐったい感覚を与えられる。
その内に手が離れるほんの一瞬に物足りなさを感じるようになっていき、僅かに焦らされた後またすぐに与えられる刺激を、脳が快感として認識し始める。
「はあ、あっ、あは⋯、な、んで⋯んああぁ」
「ふふ。可愛い。くすぐったいの気持ちいい?」
「んっ⋯はあ、あはは⋯、やあぁっ」
奏汰はこくこくと頷く。優しく髪を撫でられて、うっとりした顔で佐伯の目を見つめた。
「じゃあ、おねだりしてごらん」
「⋯⋯て」
「うん?」
「⋯もっと、くすぐって⋯」
素直に従うと、満足そうに笑う佐伯に唇を塞がれた。キスをしたまま上半身を撫で回され、更に思考が蕩けていく。
足の間にも手が伸びてきて、奏汰は大きく喘いだ。
「んああぁあ!」
「だいぶ濡れてきてるね。ここもこちょこちょしてあげるから、このままイッてごらん」
右手で下着の上から性器をくすぐられ、左手は脇腹や足の付根を無造作に撫で回される。
「あぁあああ! やあっ、ぁああはははは! んああぁああー!」
白く霞んでいく意識の中で強烈な快樂に呑まれ、奏汰はそのまま気を失った。
✦✦✦
奏汰がアルバイトをしているバーで、2度目のオフ会が開かれていた。今日もシフトに入っているが、この前のような見てはいけないものを見ているような感覚はない。違う意味で緊張はしているのだが。
「おかわりちょうだい」
「わかりました」
カウンター席に座る佐伯に、グラスを差し出される。それを受け取ろうとしたところで、そっとその手を掴まれた。
「っ、あの⋯」
「どこ見てたの?」
「っ!」
あちこちで行われているくすぐりプレイに意識が行っていたことがバレていたようだ。
佐伯は身を乗り出して耳許に唇を寄せてくる。
「羨ましい?」
「⋯ぁ」
掴まれた手の平を、そっと指先で撫でられる。潤んだ瞳で佐伯の顔を見つめた。
「ふふ。終わったらいっぱいしてあげるから、楽しみにしてて」
「⋯はい」
恋人の甘く意地悪な声に、それだけで思考が溶けていくような感覚を得て、奏汰は気付かれないようにそっと溜息を吐いた。
END.
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