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夜を駆ける
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1時間ほど滞在し、温泉を出た。ルナが着替えている間、俺はなるべく見ないようにしていた。
中学・高校時代、体育の着替えの時間にクラスメイト達の無邪気に晒される裸体を見たいけど見ないように我慢していた事をふと思い出し、自嘲気味にほくそ笑んだ。
「何、ニヤニヤしてるの?」
さっさと服を着替えたルナが聞いてきた。
「あ、いや、なんでもないよ。」
俺が目を反らしている間、ルナは俺の事を見ていたのだろうか。
ルナは「変なの~」と笑いながら、そそくさと髪の毛を乾かしに行った。
2人で外に出ると、マサが煙草を吸っているのを見かけた。ルナを待ち伏せしているのだと思った。
「リク、走ろ!」
ルナがいきなり俺の手を掴んで走り始めた。
「おわっ」
俺は、買った服が入った紙袋を落としそうになりながらも、つられて走り出す。
繋いだルナの小さな手から温もりを感じる。
同じシャンプーを使った筈なのに、何故かそれ以上の甘い香りが鼻腔を突き抜けた。
さっきルナの手を引いた時は咄嗟の事でこんなことを考える暇はなかったけど、そういえば俺、男の人と手を繋ぐなんて初めてじゃないか?なんて考えながら、夜の街を駆け抜ける。
温泉で温まった体だけでなく、心までもがぽかぽかとするのを感じ、ずっとこうしていたいなと思った。
中学・高校時代、体育の着替えの時間にクラスメイト達の無邪気に晒される裸体を見たいけど見ないように我慢していた事をふと思い出し、自嘲気味にほくそ笑んだ。
「何、ニヤニヤしてるの?」
さっさと服を着替えたルナが聞いてきた。
「あ、いや、なんでもないよ。」
俺が目を反らしている間、ルナは俺の事を見ていたのだろうか。
ルナは「変なの~」と笑いながら、そそくさと髪の毛を乾かしに行った。
2人で外に出ると、マサが煙草を吸っているのを見かけた。ルナを待ち伏せしているのだと思った。
「リク、走ろ!」
ルナがいきなり俺の手を掴んで走り始めた。
「おわっ」
俺は、買った服が入った紙袋を落としそうになりながらも、つられて走り出す。
繋いだルナの小さな手から温もりを感じる。
同じシャンプーを使った筈なのに、何故かそれ以上の甘い香りが鼻腔を突き抜けた。
さっきルナの手を引いた時は咄嗟の事でこんなことを考える暇はなかったけど、そういえば俺、男の人と手を繋ぐなんて初めてじゃないか?なんて考えながら、夜の街を駆け抜ける。
温泉で温まった体だけでなく、心までもがぽかぽかとするのを感じ、ずっとこうしていたいなと思った。
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