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封印
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栞からの手紙で、どれだけ勝手なことをして、栞や侑弥に辛い思いをさせたのだろうと思い、その反面、元気で帰ってきてという栞の優しさに強くなると決めたのに、またグスッと泣いてしまい、祖母にも蘭にも、泣いていい涙もあると言われ、とにかく横になるようにと部屋まで連れていかれる。
なかなか眠れなかったが、それでもウトウトとして起きていくと、既に祖父母と那智に航平は城に行ったと言う。
「夏樹や南の伯父達も明日城に来ます。最後の日に私と雪翔、昴さんと胡蝶さんで行きます」
「うん……」
「なにか心配なことでもありますか?」
「九堂がどうなってもいい、って、僕思ったんだ。酷いよね……でも、みんなを傷つけたのは許せないし。こういった場合九堂はどうなるの?」
「勝手にこちらの国に来ましたから、そこは国としても妖界としても裁きはあります。今回の騒動のことについてはどう判断されるかわかりません」
「九堂がもし、人間の世界に帰れってことになったら、また狙ってくるよね?」
「かも知れません。翡翠も狙われていたようですし、九堂の話も聞かないと分かりませんけど……」
「冬弥さん、あの巻物と杖だけど、全部封印してほしいんだ」
「杖についてなにかわかったんですか?」
「あの杖、結局書いてあったのは札の一部って思うんだ。だから、あれが媒介になる強いものだと思う。それに、みんなが探してくれた場所だけは封印して行かないといけないと思うんだけど……本にやり方が書いてあったから、僕でもできると思う」
「いいんですか?強い力を持つチャンスだったかも知れませんよ?」
「そんなの要らないもん」
「分かりました。少数で行きましょう」
「後、僕も航平ちゃんと同じようにして欲しい……」
「ですが……」
「決めたんだ。僕、みんなともっとたくさん一緒にいたい。だからお願い」
「一度契約したら元には戻れませんよ?お友達とも早くにお別れしないといけなくなりますし……」
「うん、それでもいい」
本当は本に寿命を伸ばすことは書いてあったから自分でもできる。
だがそのことを言うと、みんながまた騒ぐと思っての提案だ。
きっとその術を定期的に使えば、冬弥たちと同じ程度の時間は生きられるかもしれないが、それはしたくない。
那智も勝手にしたと言っているので、冬弥ならばすぐに出来るだろう。
「封印が終わってからにしましょうか」
「栞さんにも話してね?また怒られちゃうの嫌だから」
「分かりました。その封印は杖がなくてもできるんですよねぇ?」
「そう書いてあったよ?」
「なぜ今までの祖先の方々はしなかったのでしょう?不思議だと思いません?」
「それはそうだけど、九堂が封印を破ったと僕は思ってる。そのあとどうにもならなくて、僕を探したんじゃないかな?」
「封印させるためにですか?」
「分かんないけど。悪いことに使うような気がする。僕はそんなことに使いたくないから、何があったとしても封印はする」
なかなか眠れなかったが、それでもウトウトとして起きていくと、既に祖父母と那智に航平は城に行ったと言う。
「夏樹や南の伯父達も明日城に来ます。最後の日に私と雪翔、昴さんと胡蝶さんで行きます」
「うん……」
「なにか心配なことでもありますか?」
「九堂がどうなってもいい、って、僕思ったんだ。酷いよね……でも、みんなを傷つけたのは許せないし。こういった場合九堂はどうなるの?」
「勝手にこちらの国に来ましたから、そこは国としても妖界としても裁きはあります。今回の騒動のことについてはどう判断されるかわかりません」
「九堂がもし、人間の世界に帰れってことになったら、また狙ってくるよね?」
「かも知れません。翡翠も狙われていたようですし、九堂の話も聞かないと分かりませんけど……」
「冬弥さん、あの巻物と杖だけど、全部封印してほしいんだ」
「杖についてなにかわかったんですか?」
「あの杖、結局書いてあったのは札の一部って思うんだ。だから、あれが媒介になる強いものだと思う。それに、みんなが探してくれた場所だけは封印して行かないといけないと思うんだけど……本にやり方が書いてあったから、僕でもできると思う」
「いいんですか?強い力を持つチャンスだったかも知れませんよ?」
「そんなの要らないもん」
「分かりました。少数で行きましょう」
「後、僕も航平ちゃんと同じようにして欲しい……」
「ですが……」
「決めたんだ。僕、みんなともっとたくさん一緒にいたい。だからお願い」
「一度契約したら元には戻れませんよ?お友達とも早くにお別れしないといけなくなりますし……」
「うん、それでもいい」
本当は本に寿命を伸ばすことは書いてあったから自分でもできる。
だがそのことを言うと、みんながまた騒ぐと思っての提案だ。
きっとその術を定期的に使えば、冬弥たちと同じ程度の時間は生きられるかもしれないが、それはしたくない。
那智も勝手にしたと言っているので、冬弥ならばすぐに出来るだろう。
「封印が終わってからにしましょうか」
「栞さんにも話してね?また怒られちゃうの嫌だから」
「分かりました。その封印は杖がなくてもできるんですよねぇ?」
「そう書いてあったよ?」
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「それはそうだけど、九堂が封印を破ったと僕は思ってる。そのあとどうにもならなくて、僕を探したんじゃないかな?」
「封印させるためにですか?」
「分かんないけど。悪いことに使うような気がする。僕はそんなことに使いたくないから、何があったとしても封印はする」
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