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25.はじめての収穫

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25.はじめての収穫

そして、たった一日で収穫できたにんじんがこちら。


《にんじん》★★


「おお~! レアドロップ産のアイテム以外で、★★のアイテムは今まで発見されていません。
紛れもなく新発見です! おめでとうございます!」


「ありがとう」


「さすが! 神様とケサランパサラン両方から加護を貰うお方ですね!」


私からしたら普通のことをしただけで、こそばゆいくらいに褒めてくれて、ちょっと嬉しくなっちゃう。


「いっぱい褒めてくれてありがとうね。
とりあえず、❖の表示は多分水やり完了ですよ、のマークだよね?」


「そうでしょうね。にんじんのような、特別ではない野菜は水やり5回のようですね。
それに、12時間の間で5回ならば、頑張って30分ごとに来なくても良さそうです」


「昨日みたいに最初にまとめて30分を5回やっても、2時間おきくらいで来ても、逆に最後の方にまとめて来ても良いってことね」


「ですが、最後にまとめるのは万が一忘れたり少し時間がズレたりして5回が貯まらないのが怖いですね」


「たしかに、ギリギリで足りなくなっちゃったら悲しいよね。
野菜作りをする日は一日かかるつもりでいた方が良さそう。少なくとも午前中全部はかかるし。
今度は色んな種を買って試してみたいね」


「麻婆豆腐に使うものが★★で栽培できたら、もっとレア度の高いものが作れるかもしれませんからね」


「たしかに。じゃあ次は豆と玉ねぎをつくろうかな。……ん? スピカちゃん、あれは何?」


庭の片隅に積まれた石を指さす。


「あれは、《土妖精ノームの塚》ですね。土を見守る農耕の妖精を祀っているそうで、何かを育てる場所ならどこでも作る、伝統的な物です」


「なるほど、お地蔵さん的なポジションなのね。とりあえずこれでもお供えしとこっか」


今収穫したばかりのにんじん★★を1個分けてお供えしておく。


「え、★★ですよ? ここは時間経過がありますから、明日の朝には劣化していますよ?」


「もったいないかなぁ。でも、お供えってそういうものじゃない? 初収穫だし、1個くらいはお供えしとこうよ」


「アカリさまが良いのであれば構いませんが……」


ちょっと納得いかない様子のスピカちゃんだけど、まあ20個もあるんだしいいでしょ。

お地蔵さん、意外と大事だよ?



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