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29.月花の花びら
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「レンは気付いてたと思うか?」
「····間違いなく」
改めて尋ねられた問いに答え、俺達は一緒にため息を吐く。
お互い吐いた息はとても深いものだったが、それは仕方ないと思う。
「レンから聞いてた竜人の魔の森への侵入者がこんな形で繋がってくるとはな。
あの国が月花で滅びるとしたら麻薬中毒の線が出てきたな。
侵入者の死体もワイバーン同様魔獣が食わないようだし。
だがそれだけとも思えんのだが····」
「団長、何でレンは月花の花びらを俺に渡したと思います?
副団長に月夜花を渡してるのに。
俺へのただの好意だと思ってましたが、違うような気がして複雑です。
めちゃくちゃ可愛い笑顔で日光で乾燥させて飲んでねって言ってたんですが」
はぁ、今思い出してもあの少しはにかんだ感じの笑顔が俺の獣性を刺激する。
早く解決して匂いを嗅ぎたい。
「····何か裏があると思ってしまうが、好意からとも思えるしな。
可愛いのは認めるが、仕事中だ。
その顔はさっさと戻せ。
そういえばあの夜、寝ずにひたすら月花をザルに干してたぞ。
それもけっこう大量にチマチマと子リスみたいに。
おい、睨むな。
念の為日光当てといてくれ」
「わかりました。
団長の記憶から俺の可愛い子リスの記憶は消しておいて下さい。
俺の子リスなので直ちにお願いします」
2人して嫌な予感に首を捻りながら、取りに行こうとしたところで副団長から風魔法を使った伝令がきた。
「団長、私です」
「話せ」
「月夜花でした」
「わかった。
すぐに陛下達に風を送る」
やはりそうか。
「陛下、太子、騎士団長のドランクです····」
団長の急な伝令にも、忙しいだろう陛下と王太子はすぐに返事を返して人払いをしたようだ。
団長の報告と仮説に、すぐに検査の許可がおりた。
ジェスに風を送り、王太子の侍従が直接見張りの使臣を引き離した隙に指示通り動くよう通達する。
そうして出た結果は予想通りだった。
第1王子とその友人達は脇や肩に針の跡があり、全員に毒の反応が出た。
しかしここで問題だったのが月夜花の根の毒かを限定できない事だった。
神経性の毒なのは間違いないが、他国の王族を相手取る以上どうしても月夜花の関連性を断定したい。
ジェスの話では明日には毒が完全に体から抜けるらしいが····。
「月花の花びらがあれば良かったんすけどねぇ」
俺の執務室でジェスがため息をつく。
「····何故だ?」
「何すか、その変な間は。
あれ、単体を煎じたら月夜花の下毒薬になるっす。
掛け合わせて無毒化したら間違いなく根の毒って証明になるっすよ」
「····副団長が摘んでたらしいぞ」
「え、でもそんなこと言ってなかったっすよ?」
「····夜の魔獣の脅威にさらされながら花摘んでたって知られたくなかったんだろう」
「あー、兎属って可愛いの好きっすからねぇ。
月花は夜にしか摘めないから····筋金入りっすね。
貰ってくるっすー」
俺の執務室で直接報告に来たジェスが勢い良く出て行った。
レン、ファルに遠慮したのかもしれんがもう少し詳しく教えといて欲しかった。
団長の指示通り副団長を可愛い物好きの兎として売った俺は悪くないと思う。
後で謝って····いや、そっとしといた方が被害は少なそうだ。
そして全ての証拠が揃った。
王弟の船が到着し、謁見の間にて回復したので付き添いたいと申し出た第2王子と王弟が会し、人払いがされた。
今回の不祥事について王弟より謝罪と自国での処罰等が淡々と告げられていく。
第2王子もそれに白々しく同意したところで我が国の陛下と王太子により独自に調べた事として彼らへ揃えた証拠を突きつけていった。
「····間違いなく」
改めて尋ねられた問いに答え、俺達は一緒にため息を吐く。
お互い吐いた息はとても深いものだったが、それは仕方ないと思う。
「レンから聞いてた竜人の魔の森への侵入者がこんな形で繋がってくるとはな。
あの国が月花で滅びるとしたら麻薬中毒の線が出てきたな。
侵入者の死体もワイバーン同様魔獣が食わないようだし。
だがそれだけとも思えんのだが····」
「団長、何でレンは月花の花びらを俺に渡したと思います?
副団長に月夜花を渡してるのに。
俺へのただの好意だと思ってましたが、違うような気がして複雑です。
めちゃくちゃ可愛い笑顔で日光で乾燥させて飲んでねって言ってたんですが」
はぁ、今思い出してもあの少しはにかんだ感じの笑顔が俺の獣性を刺激する。
早く解決して匂いを嗅ぎたい。
「····何か裏があると思ってしまうが、好意からとも思えるしな。
可愛いのは認めるが、仕事中だ。
その顔はさっさと戻せ。
そういえばあの夜、寝ずにひたすら月花をザルに干してたぞ。
それもけっこう大量にチマチマと子リスみたいに。
おい、睨むな。
念の為日光当てといてくれ」
「わかりました。
団長の記憶から俺の可愛い子リスの記憶は消しておいて下さい。
俺の子リスなので直ちにお願いします」
2人して嫌な予感に首を捻りながら、取りに行こうとしたところで副団長から風魔法を使った伝令がきた。
「団長、私です」
「話せ」
「月夜花でした」
「わかった。
すぐに陛下達に風を送る」
やはりそうか。
「陛下、太子、騎士団長のドランクです····」
団長の急な伝令にも、忙しいだろう陛下と王太子はすぐに返事を返して人払いをしたようだ。
団長の報告と仮説に、すぐに検査の許可がおりた。
ジェスに風を送り、王太子の侍従が直接見張りの使臣を引き離した隙に指示通り動くよう通達する。
そうして出た結果は予想通りだった。
第1王子とその友人達は脇や肩に針の跡があり、全員に毒の反応が出た。
しかしここで問題だったのが月夜花の根の毒かを限定できない事だった。
神経性の毒なのは間違いないが、他国の王族を相手取る以上どうしても月夜花の関連性を断定したい。
ジェスの話では明日には毒が完全に体から抜けるらしいが····。
「月花の花びらがあれば良かったんすけどねぇ」
俺の執務室でジェスがため息をつく。
「····何故だ?」
「何すか、その変な間は。
あれ、単体を煎じたら月夜花の下毒薬になるっす。
掛け合わせて無毒化したら間違いなく根の毒って証明になるっすよ」
「····副団長が摘んでたらしいぞ」
「え、でもそんなこと言ってなかったっすよ?」
「····夜の魔獣の脅威にさらされながら花摘んでたって知られたくなかったんだろう」
「あー、兎属って可愛いの好きっすからねぇ。
月花は夜にしか摘めないから····筋金入りっすね。
貰ってくるっすー」
俺の執務室で直接報告に来たジェスが勢い良く出て行った。
レン、ファルに遠慮したのかもしれんがもう少し詳しく教えといて欲しかった。
団長の指示通り副団長を可愛い物好きの兎として売った俺は悪くないと思う。
後で謝って····いや、そっとしといた方が被害は少なそうだ。
そして全ての証拠が揃った。
王弟の船が到着し、謁見の間にて回復したので付き添いたいと申し出た第2王子と王弟が会し、人払いがされた。
今回の不祥事について王弟より謝罪と自国での処罰等が淡々と告げられていく。
第2王子もそれに白々しく同意したところで我が国の陛下と王太子により独自に調べた事として彼らへ揃えた証拠を突きつけていった。
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