《完結御礼》【溺愛中】秘密だらけの俺の番は可愛いけどやることしれっとえげつない~チートな番を伴侶にするまでの奔走物語

嵐華子

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157.大人の雄

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「レンちゃんや?
ほれほれ、こっちに····」
「····や」

 まず獅子になった親父が一文字で撃沈。
昨日よりややタメがあったが、ざまあみろ。

「レン?
俺の····」
「や」

 くっ、昨日より俺の時の反応早くないか?!
今日は獣体なのに何でだ?!
絶対愛情の差だ!
もちろん俺の方が上だよな?!
な?!

「レン、なら兎を膝に乗せてみますか?
少し大きいですが、膝で丸くなってますから、撫でてもいいんですよ?」
「ひ、膝····や」

 おい、何で副団長をチラッと見て躊躇う?!
俺もレンの膝に顎乗せていいか?!

「レン、熊で抱っこはどうだ?
ふかふかだぞ?」

 ピクリと反応して再び振り返ると団長の胸板をじっと見つめる。

「····や」

 プイッと元の位置に顔が戻る。

「あー····とりあえず皆の方には向か····」
「や」

 レンは今日も安定のコアラ属になっている。
ソファに腰かけるトビにへばりついて離れない。

 あれからレンカの魔法だか夢見だかの効果が切れたのか、トビはすぐに起きた。
レンカが作った資料を見せると、大きくため息を吐いた。

「レンちゃんの知識はやっぱりレンカちゃんのやってんやな。
何か他に言うてた?」

 俺の腹のあたりで眠るレンをベッドに寝かし直しながら 何とも言えない顔でそう尋ねた。
レンカの話した内容を伝えるとトビは途端に脱力した。

「何やってんの、あの人」

 ベッドに突っぷしてしまう。

「ホンマに困ったちゃんばっかやん」

 そう言いながら不意に隣の部屋へ行くと、すぐに騒がしい声が聞こえた。

「話し合いは終わりましたか?」
「とりあえず明日に持ち越しなったわ。
悪いけど明日もちょっと席外しといて」
「わかった。
さっきこっちの元国王から明日お誘い受けたんだけど、その間に用件済ませてくるね。
カミュラも連れてっていい?
時間はこっちに合わせるってー」
「かまへんよ。
カミュラ、ついててやって」
「はい。
でもレンは大丈夫ですか?」
「明日はレンちゃんの身支度だけ手伝ってあげて。
今日は疲れてしもてるから、このまま寝かすわ。
護衛の方はザッカルードの国王陛下もおるし、この部屋からは出る予定もないから問題あらへん」
「わかったー」
「わかりました」
「ほな寝支度しよか。
兄さん達はどないする?」

 そう言ってトビはこちらの部屋をのぞいた。

「私達はお暇します。
陛下へ報告も必要ですから」
「くっ····俺も····ですよね。
わかってます」

 聞くだけ聞いてみただけで、そんなに睨まなくても····。

 その後1度レンから離れて任務に戻り、親父と団長には報告を入れる。
2人共、トビと同じように脱力していた。
あの親父まで脱力させるとは、さすがだな、レンカ。

 そうして1度レンから離れて任務に戻り、午前中は護衛のゼネガラを伴ったトビ、護衛のジェロムと宰相のラスイードを伴った新国王、交代で仮眠を取りながら護衛する騎士団を伴ったうちの国王と王太子の会議。

 からの、今だ。

 会議を終えて再びレンのいる客室に行けば、出迎えたレンがすぐさまトビに抱っこをせがみ、それからはずっとこの状態····俺に言えばいいのに!!
いや、さすがに今は任務中だから遠慮したに違いないが、寂しすぎる!!

 と思ったら、親父は獅子のままでレンのいるソファの空いたスペースに体を横たえ、華奢な腰骨あたりに頭を擦りつけた。

 レンは呆気に取られていたものの、我慢しきれなかったのか耳や鬣にそっと片手を伸ばしてしまう。

 クソ親父めが!!

 それならばと俺は護衛にかこつけて同じく獅子のままレンのいるソファの背面に回り、レンと向かい合うようにして背もたれに腕を引っかけ、掴まり立ちのようにして2本脚で立ち、顔をレンに近づけた。

 やはりこちらも我慢出来ず、遂にもう片方の手を俺の耳と鬣、そして顎の下に伸ばしてもふっていく。

 トビめ、ざまあみろ!
これでコアラではなくなった。

 こちらを見る呆れたような、残念な何かを見るような熊と兎の目は無視だ。

「そろそろ昨日の続きを話してもらえるかのう。
そこの2人はそちらに座っておれ」
「陛下····」

 団長が何かを言おうとしたが、すぐに親父が遮る。

「レンちゃんの緊張を解しておるのじゃ!
邪魔するでないわ。
昨日と今日はちょっとばかし儂よりレンちゃんのヤ反応が遅かったからというて、調子に乗るなよ!
トビもじゃ!
獅子の実力を思い知るのじゃ!」
「····陛下」

 今度は副団長が呆れたように呟く。
トビはチラリとこちらを見たが、何も言わない。
だが団長達と同じ目をしている。

 つうか親父のやつ、根に持ってたのかよ。
ヤ反応って何だよ。
まあ気持ちはわかるけど。

 何となくレンが申し訳無さそうな顔を俺達に向けてくるが、今のレンは幼児返りで家族に甘えたいだけだと俺は知っている。

 大丈夫、俺は包容力と理解のある大人の雄だぞ、レン!
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