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第5章 社交界の陰謀その2

5ー13 捕虜

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 5ー13 捕虜

 ラミナス隊長は、意を決したように俺を見た。
 「俺たちの呪いを解いてくれ。頼む」
 「呪いは、まだ、全て解くことはできません。しかし、みなさんを竜から人化することはできます。それでよければ竜化の呪いを解きますが」
 俺の言葉にラミナス隊長は、頷いた。
 「それでかまわない。俺たちは、このまま死ぬまで竜として戦い続けるのは嫌なんだ。頼む。人の姿に戻してくれ」
 俺は、頷くとチヒロの力を解放した。
 一瞬にして竜たちは、姿を消した。
 そして、その場には俺と同じ龍人たちが立っていた。
 もと竜たちは、歓声をあげた。
 「人の姿に戻った!」
 「もう、戦わなくてもいいんだ!」
 「故郷へ帰れるぞ!」
 俺は、声を張り上げた。
 「みな、きいてくれ!」
 龍人たちが俺の方をみたのを確認すると俺は、話し出した。
 「呪いは生きている。それに、アイヒミューゼン王国の連中がみなを解放することはない。おそらくこのことが知れたらみな殺されるだろう」
 「そんな!」
 黒龍だった黒髪の男が俺に詰めよった。
 「それじゃ、俺たちは、いったいどうすればいいんだ?」
 「もし、みながよければ俺のもとで保護しよう」
 俺は、みなに提案した。
 「俺の領地で暮らせばいい」
 「お前の領地?」
 ラミナス隊長が問うたので俺は、答えた。
 「俺は、奈落に領地を得ている。そこならアイヒミューゼン王国でもすぐに手を出すことはできない筈だ。もし、みなが望むならそこで暮らしてくれればいい」
 龍人たちは、しばらくラミナス隊長を中心にして話し合っていたが、すぐに意見はまとまったようだった。
 「今は、それが一番いい策のようだな」
 ラミナス隊長は、俺に告げた。
 「我々ドラグーン騎兵隊は、全員、お前のもとに下ることにする」
 「了解した」
 俺は、みなを背に乗せると羽ばたいて空中に飛んだ。
 そして、上空から砦を攻撃した。
 神都ライヒバーンからの電撃で俺は、砦を破壊するとエルフの村へと戻った。
 エルフの村では、トランスたちが俺を待っていた。
 俺は、エルフたちに砦を破壊したことを告げた。
 俺は、つれてきたもとドラグーン騎兵隊の連中を背中から下ろすと捕虜としてトランスたちに紹介した。
 エルフたちは、自分たちを蹂躙したドラグーン騎兵隊を前に気色ばんだ。
 しかし、トランスは、彼らを捕虜として受け入れることを俺に約束してくれた。
 ドラグーン騎兵隊の人々が今では、ただの人に戻っていることを理解してくれたのだ。
 トランスは、地上にいくつかの天幕を張りそこでもとドラグーン騎兵隊の連中は、過ごすことになった。
 俺は、ラミナス隊長に奈落の俺の領地で彼らを受け入れる準備が整うまでここで暮らしてもらうように頼んだ。
 ラミナス隊長たちは、俺の提案を受け入れてくれた。
 
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