【完結】平民として慎ましやかに生きようとするあいつと僕の関係。〜平民シリーズ③ライリー編〜

華抹茶

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15※ ヴィンセントside

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※モブ姦要素&暴力表現あります。苦手な方はご注意下さい。

* * * * * *



「皆行っちゃったねー。じゃあ僕たちも仕事しよっか。」

クリスさんに言われて窓口の仕事に戻る。


最近クリスさんがおかしい。いつもは明るく元気なクリスさんだけど、よく眉間に皺を寄せて泣きそうな顔をする事がある。

声を掛けると、はっとしてまた笑顔で何事もないかの様に振る舞っている。

何かあったのか聞いた方がいいのかわからずそのままにしていたのだけど。

でもライリーさん達が出かけてから酷くなった気がする。

大丈夫なのだろうか。

クリスさんも魔力が綺麗な方だ。だけど、少しずつ輝きが減ってきている様な感じもする。

これはどういう事なのだろう。


「ヴィンセント、ライリー達は無事に討伐が終わった様で今日ここに帰ってくる予定だ。」

「そうなのですね。無事で良かったです。この3日間、お世話になりましてありがとうございました。ギルドマスター。」

今日ライリーさん達が帰ってくる。早く会いたい。

この会えなかった数日、私は寂しいと思った。いつも側にいて下さったライリーさんがいない事が凄く寂しかった。

今まで私は1人でいる事になんの不安も不満もなかったのに、今はもう1人でいる事が寂しくて仕方ない。

「じゃあ今日もよろしく頼むな。」

「はい。頑張ります。」

さて仕事をしなければ、といつもの作業に入った。そこへ珍しく遅れてクリスさんがいらっしゃった。

「おはようございます、クリスさん。珍しいですね、遅れてこられるのは。」

「あ、ヴィンセント君…おはよう…。」

? どうしたんだろう。クリスさんの様子がおかしい。いつも元気に挨拶されるのに、今日は声に張りがなく少し顔色も悪い?

「あの…クリスさん。どうかされたんですか?いつもと様子が違うのですが…。」

「あ…あの。……ヴィンセント君、お願いが、あるんだ…。」

お願い?なんだろう。私で力になれるのならなりたいと思い、クリスさんに連れられてギルドの外へと出た。

「クリスさん?どちらへ行かれるんです?」

しばらく無言で歩き続けるクリスさん。ギルドから少し離れてしまった。仕事をしなければならないからあまり遠くに行ってしまうことは出来ない。

真面目なクリスさんだからそんな事はわかっているはずだ。

一体何があったのだろうか。

「ヴィンセント君…ごめんね。ごめん。本当に、ごめん!」

「っ!?」

ごめんと何度も謝りながら泣きそうな顔で、私の鼻と口を被う様に布を力一杯当ててきた。

何をされているのか分からず、暴れようとするが嗅いだことのない匂いを嗅いだ途端、目の前が真っ暗になって気を失ってしまった。

ずっとクリスさんはごめんなさいと謝り続けていた。







「ん…。」

ふと気がつき目を開けると、ここは知らないどこか。

頭がガンガンする。…私はなぜここに居るのだろうか。

……ああ、思い出した。クリスさんに何かを嗅がされ気を失ったのだった。
ではここに連れてきたのはクリスさん?


部屋を見渡してみると、窓はなく外からの光は一切ない。ベッドの上に寝かされていたらしく、ベッドの近くに小さなランプがあるだけだ。


「うっ…。ここは、どこ?」

痛む頭を押さえながらゆっくりと体を起こす。ランプを持ち上げ部屋全体を見てみると奥に扉が1つあるだけで他の出入り口はないようだ。


クリスさんに連れてこられたにしてもこれは異常だ。それだけはわかる。私は何かに巻き込まれたのだろう。それが何かはわからないけど、ここから逃げなければ。良いことが起こっているとは思えない。

扉に向かおうと立ち上がった時、ガチャリと扉が開いて3人の男が入ってきた。

「お。お目覚めかい?」

この人達は、ギルドに来ていた冒険者の3人。魔力の色が悪い人達だ。

私はこの人達に攫われたのか。なのために?この人達は一体なんなんだ。


「何で自分がここにいるのか分からないって顔だな。そりゃそうだろう。言ってないんだから。」

「俺たちはお前を誘拐した。これで理解できるか?」

誘拐。私は誘拐されたのか。…じゃあクリスさんも仲間?そんな…。

「あいつがもたもたしやがったせいでお前を連れてくるのが遅くなっちまった。せっかく『英雄』がこの街からいなくなったってのに。」

「わ、たしを、最初から、誘拐する、つもりだった?」

「お。頭いいねぇ。そうだぜ。お前を最初から狙ってた。英雄の仲間のお前をな。」

英雄の仲間。そんな大したものなんかじゃない。ただお世話になっていただけだ。でもそんな事、この人達には関係ない。

「私をどうする、つもりですか?」

「知りたいか?そうだろうな。じゃあ親切に教えてやろう。…お前を人質にして『英雄』をガンドヴァに連れて行く。そしてガンドヴァの『英雄』としてこの国に戦争を仕掛ける。だからお前はその為の『エサ』になってもらう。」

なんて事を…。私の世界を変えてくれたあの人達をそんな事に使おうとするなんて…。優しいあの人達を戦争の道具にしようとするなんてっ。

「…私はただの居候です。私を人質にした所で意味はありません。」

「そんな事はないってことくらい知ってるぜ。お前はかなり大事にされてる。ソルズに入ってから十分に調べてきたからな。だからお前を殺すつもりはない。大事に大事に生かしてやるさ。安心しろ。」

「…それでもあの人達が動く保証はありません。」

「いいや、必ず動くさ。なんてったって『英雄』だからな。お人好しの英雄。困ってる人を放っとけない優しい優しい英雄様だ。…目の色が違う気持ちの悪いお前を大切にしてるんだ。お前を人質にすれば言う事を聞いてくれるはずだぜ。」

「おい、まだ話すつもりか?こっちはもう我慢出来ないんだが?」

別の男が話に割り込んできたと思ったら私に近づいてきた。

「…目の色が気持ち悪いが、顔立ちはまあまあだな。」

私の顎を掴み上へと無理やり向かせる。思いっきり力を入れられていてかなり痛い。

すると男は私の目を隠すように布で巻いた。


「よし、これなら気持ち悪い目を見なくてすむな。…へへ、まずは存分に可愛がってやるからな。楽しもうぜ。」

そう言うと私の服を思いっきり引き裂いた。

「っ!何を!やめてくださっ…!」

抵抗しようとすると左頬にとてつもない衝撃と痛みが走った。殴られたのだ。思いっきり。

そのままの勢いで床に倒れ込んでしまう。

「ぐっ…。」

「弱者が吠えてんじゃねぇよ。」

そのまま頭を踏みつけられて何度も何度も蹴られた。
この痛みと熱さは、昔母に叩かれた時以来だろうか。

痛い痛い痛い。熱い辛い苦しい。

もうやめてほしい。このままでは死んでしまう…。


あ、そうか…。死んでしまえばライリーさん達に迷惑をかける事はない。人質にならずに済む。

「こんな…事をして…お前達はっ…馬鹿なのかっ!」

「は?のこのこアイツについて行って誘拐された馬鹿なお前に馬鹿と言われる筋合いはねぇんだよっ!!」

益々力を入れて蹴り付けられる。そう、それでいい。そうやって怒りに任せて私を殺せ。

こんな痛みくらい我慢できる。ライリーさん達に迷惑をかけてしまうくらいなら、戦争の道具にされてしまうくらいなら。

私のこんな命などいくらでも差し出そう。


「ふん…お前、達は…ぐっ…ただのっ愚か者、だっ!…がはっ!…うぐっ!弱い者にっ…しか…ぐぅっ!強く、出られないっ!…ぐはっ!…情けないっ!…大馬鹿者だっ!…がっ!ぐふっ!」

口の中が切れているのか血の味がする。何度も蹴られて体が痛い。
でももっと煽らなければ。怒りに任せて私を殺せ。

「おいおい。待て待て待て。そのままじゃこいつ死んじまうぞ。」

「そうだぞ!せっかくコイツに挿入いれるの楽しみにしてたのに。」

「ちっ…。はぁ。じゃあ始めるか。」

くそ…。止まってしまった。他の男達が冷静だったか。このままでは私は死ねない。

痛みで動けない私の口を開けて、を入れて水を流した。

いきなりの事で驚いたがそのまま飲み込んでしまった。

「ごほっ!ごほっ!」

「安心しろ。毒なんかじゃねぇよ。催淫剤だ。疼いて疼いて堪らなくなるぜ。早く挿入てくださいって懇願する様になる。俺達にねだって腰振って快感を求める様にな!」

「じゃあ薬が効くまで、お口で奉仕してもらおうか。…ほらよっ!」

「うぐっ!」

髪を掴み、無理やり押しつけられる。目が見えないから何か分からないけど、おそらくこれは男の性器。無理やり口に押し込まれ口淫を強要する。

喉の奥まで出し入れされて物凄く苦しい。

「おらっ!ちゃんとご奉仕しろ!下手くそがっ!」

一気に口から外されたと思ったら、また顔を殴られた。そしてまた無理やり口淫される。

早く殺して。私を殺して。もう死にたい。

やはり私は生きていてはいけない人間だったのだ。


体がおかしい。何だこれは。これが薬の影響か。私の性器に熱がこもり固くなっているのがわかる。

「そろそろか?薬が効いてきただろう。…これからもっともっと気持ち良くなるからな。」

男達に服を脱がされ一糸纏わぬ姿にされた。そのまま私の秘所にトロリとした液体を落とし、指だろうか、それを出し入れし始めた。

ぐちゅぐちゅという音と、男達の荒い息遣いだけが聞こえる。

ああ、ここで犯されるのか。私は非力で戦う術もない。何もできない自分に怒りが沸く。

違う。ライリーさん達に迷惑をかけている事に怒りが沸くんだ。


ごめんなさい。私は御恩を仇で返してしまった。ごめんなさい。

お願いです。私を殺してください。殺して。


隠された目から涙が溢れてくる。

「そろそろいいか。じゃあ俺からヤるぜ。お前達はちょっと待ってろよ。」

そう言うと男が私の腰を掴み性器を押し当てた。

ぐっと唇を噛み締めたその時、何かが破壊される様な音が響いた。

「ヴィンセントー!!」


これはライリーさん?ライリーさんの声?


ああ、こんなところを見られてしまった。ライリーさんに見られてしまった。

ごめんなさい。早く、早く。



誰か私を殺して。
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