10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます（リメイク版）

4章 ベイツの過去

4章 登場人物リスト

ミーシャ（人間・女・享年32歳）

咲耶の保護者となったベイツの元妻。

今から約2年前、家族旅行で訪れた村にて、天災（ハリケーン）に遭遇してしまう。当時、ベイツは天災の被害を少しでも抑えるため、嵐の中を外出しており、宿泊先にはミーシャとティリルしかいなかった。そこに、突風による建物の倒壊により、魔法を使う間もなく下敷きになってしまい、ティリルと共に致命傷を負ってしまう。ベイツが急いで駆けつけ、魔法とスキルで建物の全てを吹き飛ばし助け出した時には、2人は傷だらけで既に事切れていた。

死後、ミーシャは天界にて、自分の死を御使から聞いたことで愕然とする。

まさか、2年半前に埋めた短剣がキッカケで、死んでしまうとは思わなかったのだ。しかも、数多くの天災によって死亡した人々が真相を知ったことで、自分とティリルに殺到する事態に陥る。2人でひたすら謝るものの、取り返しのつかない事態になっているので、どうすることもできなかった。ただ、下界にいるベイツが、不定期に起こる天災の原因を突き止めようと必死に働き、善行を積んでいたため、亡くなった人々もその姿を見ていくうちに、心に潜む憎悪を少しずつ減衰させていった。

その憎悪もほぼ消失したある日、ティリルが御使たちの雑談を盗み聞きしてしまい、ベイツの危機を知ってしまう。その危機を彼にどうやって伝えるか悩む日々が続き、天災で亡くなった人々に相談してしまう。少し先の未来で起こるかもしれないベイツの悲惨な死を聞いたことで、皆の心が一致団結し、御使たちに何度も直訴することで、ようやく自分達の声が神様に届き、特別な許しを得ることに成功するも、条件を付けられてしまう。

① 下界に行けるのは、ミーシャとティリルのみ。
② 行動範囲は、ベイツの家から直径20メートル以内
③ ベイツとルウリ以外に、自分たちの正体を明かしてはいけない。
④ 天災の原因を、必ずベイツに告げること。
⑤ 上記②～④の約束のうち、一つでも破った場合は天界にいる関係者全員の魂を消滅させる。

ミーシャとティリルは、咲耶とユウキに正体を知られないよう協力してもらい、ベイツに訪れるはずだった非業な死を回避することに成功する。それを見届けた天災関連で亡くなった人々も、下界に残る未練を完全に断ち切ることに成功したので、現在多くの人々が御使を通じて、転生手続きに入っている。そこには、ミーシャとティリルも含まれている。


ティリル（人間・女・享年7歳）

ベイツとミーシャの一人娘。

外見はミーシャ、性格はベイツに似ており、何事も積極的に動き、物事をハキハキいう性質のため、生きている当時は周囲の大人や子供たちからも、人気があった。本編で語られていないが、リットとも付き合いがあり、今の咲耶と同じ立ち位置にいたため、もし現在でも生存していれば、咲耶、ユウキ、リットと素晴らしい友人関係を築けていただろう。

今回、ミーシャとティリルの行動範囲が、ベイツの家を中心とする半径20メートル以内となっていたため、咲耶たちと別れた直後、知人に見つからないよう、すぐにポストの中にある合鍵を使い、家の中へと入っている。ティリルは満足して天界に帰っていったが、リットと会えなかったことが唯一の未練かもしれない。