転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜

犬社護

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本編

57話 平民たちのいる通りへ行きましょう

私とトーイは、平民たちで賑わう大通りへとやって来た。

「良いね、いいね! 今度こそ、ショッピングだ!」
「ふふふ、楽しそうでなにより。まずは、何処に?」

せっかく王都に来たのだから、お土産の定番とも言える店に行きたい。

「伝統工芸品の置いてあるお店!」

行きたい店を叫んだら、トーイが苦笑いになった。

「また…渋い選択を…。ユミルくらいの歳頃だと、可愛いヌイグルミのある子供用の民芸品店とかなのに」

普通の4歳児の子供なら、そういったお店やお菓子販売店とかに行くかもね。

「ヌイグルミを見ても、購買欲が全然湧かないよ。前世の記憶が影響して、今は王都の伝統工芸品を見たいの」

前世の記憶がある分、私の精神年齢は普通の幼児よりずっと上だ。言葉遣いに関しては子供っぽくできるけど、趣味とかはどうしても前世に引っ張られるし、そこに子供の好奇心旺盛が加わることで、前世以上にこの国の伝統をもっと深く知りたいという思いが膨れ上がってくる。

私はトーイと手を繋いで、伝統工芸品の置いてそうなお店を手当たり次第に探していくのだけど、目当ての店が中々見つからない。生活雑貨類などのお店ならあるんだけど、ただの工芸品ばかりで、お目当てのものがない。

「あ、このお店、こぢんまりとして穴場っぽい! 入ってみよう」
「それ、悪口に入るからね」

あはは、そうだね~。店に入ると、そこは異空間のような雰囲気を醸し出し、色々な民芸品が並べられている。他の店でも見た品物がいくつかあるけど、内装を他店より古風に設定しているせいか、印象が全然違う。ここなら、江戸切子のような私をあっと驚かせる品があるかもしれない。

「おじさん、王都の伝統工芸品って何ですか?」

私はレジに座っている50歳くらいの男性に話しかける。

「あははは、面白いことを言う子供だ。王都で有名な伝統工芸品といえば、魔道具じゃないか。店が違うよ」

「へ? 魔道具」
「そうだよ。王都だからこそ、最新鋭から希少価値のある古参魔道具も揃えることが可能なのさ。2人で、色々と散策してみるといい」

そうだ、男性の言葉を聞いて思い出したよ。

研究の過程でアイリス様から聞いたけど、魔道具の歴史ってかなり古い。現存している最古参と言われているのが、確か254年前に作られた物だったはず。そうか、この異世界にしかない魔道具も、立派な伝統工芸品に入るんだ。せっかくの機会だし、面白魔道具について尋ねてみよう。

「ここにはないの?」
「魔道具の正規販売には、正式な許可証が必要なんだ。残念ながら、私はそれを持っていない」

そんなのが必要なんだ。

「おじさん、魔道具がないって本当ですか?」

不意に、後方から声が聞こえたので振り向くと、10歳くらいの眼鏡をかけた男の子が悲しそうな目で、おじさんを見ている。

「ああ、すまんな」
「安くて珍しい魔道具を探しているんです。何か、知りませんか?」

安くて珍しい?
用途を言わなくていいの?

「何の保証もされていない安物なら、今催されているフリーマーケットに行けば入手できると思うが…」

「フリーマーケット!そうか、その手があった! おじさん、ありがとう!」
「待ちなさい。保証されていない物だから、すぐに壊れる危険もある。目利きの出来る人間と一緒に行くんだ!」

「わかりました!」

あの子、笑顔で出て行ったけど、ちゃんと聞こえていたのかな?
フリーマーケットか、この世界にもあるんだね。

よ~し、次の目的地はフリーマーケットが催されている公園だ。中古品を販売している場所でなら、この国の色んな伝統工芸品を見れるはずだよ!


○○○


おお、この風景と賑やかさ、前世を思い出すな~。

「色んな種族がいるし、人混みで酔いそう」

こういった賑やかな場所って、トーイは苦手なんだね。

「トーイ、大丈夫?」
「大丈夫だけど、変な輩に絡まれないよう注意しよう」

これだけ人が多いと、盗人連中が紛れているかもしれないから注意しろってことか。よし、十分に注意して行動しないと…。

「痛!?」

行動を起こそうとしたら、背の高い男性が私に気づかず、背後からぶつかってきた。そのまま地面に転ぶと思った瞬間、誰かが私を受け止めてくれた。

「大丈夫か?」
「ありがとう、大丈夫だよ」

人混みのせいで、ぶつかってきた男性が誰かわからないけど、少し離れた先で誰か転んだのか、他の男性と言い争いを始める。

「ユミル、ぶつかってきた男は、少し懲らしめておいた」

やっぱり、トーイが何かしたんだね。おっと、それより抱き止めてくれた男の子にお礼を言おう。

「あの…ありがとう」
「人が多いから注意…あれ? 君たち、さっきの店にいたお客?」
「あ…さっきの男の子!」

私を助けてくれたのは、お店で出会った10歳くらいの男の子だ。確か、安く入手可能な珍しい魔道具を探していたっけ。

「私、ユミル、4歳! こっちはトーイ。あなたは?」
「僕? 僕はシン、11歳」
「魔道具、見つかったの?」
「今来たばかりでね、僕の好奇心を満たす物は見つかっていないよ」

それもそっか。
あれから時間も、大して経過してないもんね。

「ねえねえ、私も魔道具や伝統工芸品を探しているの。一緒に探そうよ」

ここで出会ったのも、何かの縁。

「え? まあ、良いけど…」

シンさんが、ちらっとトーイを見る。

「ユミルが望んでいるのなら、一緒に行動しても構わないよ」
「やった!」

規模の大きなフリーマーケットだから、私の求める古くからの伝統で由緒ある物って、きっとあるはずだよ。シンさんの求める魔道具も合わせて、探しに行きましょう!
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