転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜

犬社護

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本編

6話 ユミル、カーバンクル達と友達になる

この3日間、私はトーイたちから様々な事を教えてもらった。ここは神イザナガルド様の創りし異世界[ガルドマリア]、地球と違い、科学と魔法が共存する世界で、精霊や魔物といったファンタジー動物も生息している。現在、地上を席巻しているのは[人族]で、人間・エルフ・ドワーフ・獣人といった様々な種族が住んでおり、私のいる国は人間族の治める[リサイドラ王国]、差別意識の少ない比較的平穏な国のようで、カーバンクルたちも『今は住みやすい国になったよ』と微妙な言い回しで教えてくれた。多分、地球と同じく、国際情勢次第で戦争に発展することもあるから、そのせいで住みにくい時期もあったのかな。

そういった知識を仕入れた後、私はあの画面が何なのかの説明を受けた。あれはステータス画面の一部で、神の創りしシステムの一つ、人がステータスオープンと望めば、現状の強さを表示してくれる。

名前:ユミル
性別:女
年齢:4歳
出身地:リサイドラ王国第18領地
職業:精霊術師-見習い
使役精霊:カーバンクル(仮)
使役魔物:なし
レベル:1
魔力量:53 → 191
属性:空間・水・風
スキル:魔力循環・魔力制御・プログラム・NEWアイテムボックス(収納重量:最大191kg)
エレメンタルスキル:反射(D)[期間限定]
魔法:ウォータボール・ウォーターブレード・ウィンドシールド
伝統魔法:[御霊送りの儀]
称号:転生者

私が自分のステータスを見た時、初めてなので凄く感動したけど、何かが足りないと思った。それは、強さを示すための数値とその項目の少なさ。トーイにその疑問をぶつけてみると、納得のいく答えが返ってきた。

『数値自体に、意味がないからだよ。三百年前まで、HP・MP・攻撃・防御・敏捷・器用・知力・魔力量などの項目はあった。でもね、人にとって重要なのは、レベル、魔力量、スキル、魔法、使役精霊、使役魔物の6項目だけなんだ。スキルか魔法の扱い方次第で、弱者が強者に勝利することも多々あるから、鑑定スキルで数値を見ても、誰も参考にしないのさ。魔物に関しても、外見、察知系スキル、経験で強さを大凡把握できる。誰も見ない項目なんて、あるだけ無駄だから消されてしまい、6項目だけになったのさ』

それを聞いて納得した。その6項目さえわかれば、相手の強さを大凡把握できる。それに魔物との戦闘中、ゲームみたいに魔物の残りHPやMP、スキルのレベルを調査する暇なんてないもの。

自分のステータスを理解できたことで、真っ先に思い浮かんだのは、転生特典出現時の選択肢だ。あの時、スキル[経験値×10倍]を選んでいたらどうなっていたのだろう? 魔物を倒しても、数値がないのなら、自分の強さを客観的に把握できない。だから、トーイに質問すると、怖い回答が返ってきた。

『君は、運がいい。転生者は、精神年齢が高いこともあって、かなり早い段階でそういった人生の岐路とも言える選択肢が出現するんだ。今言ったものであれば死にはしないけど、ここへ連れてくることはなかっただろうね。森の出口でさよならだ』

それを聞いて、背筋に悪寒が走った。
森を抜け出た後は、1人で行動するってことだもの。
もし、護衛とかに見つかっていたら、その場で殺されていたかもしれない。
正しい選択をして良かったよ。

この3日間、私はカーバンクルたちに知識だけでなく、スキルと魔法の訓練方法も教わったおかげで、時間の停止している異空間に荷物を魔力量分だけ収納できるスキル[アイテムボックス]と魔法[ウォータボール][ウォーターブレード][ウィンドシールド]の4つを習得できたし、魔力量だって訓練前53だったものが、191にまで上がった。

私にとって、精霊カーバンクルは命の恩人で、師匠とも言える存在だね。何か御礼がしたいと思い、みんなの希望を聞いて、そのうちの一つを不恰好ながらなんとか実現させたんだけど……

「あ~そこ、そこだよ、ユミル。そこをもう少し~」
「ここだねトーイ、そ~れ」
「はわあ~~最高~~」

私の前には、行列と化したカーバンクルが勢揃い、みんなが私…というよりも、私の製作した物の虜になっているわ。カーバンクルたちが暇つぶしに拾ってきた工具や針金、木片などを利用して、不恰好な猫用ブラシを作り、一人5分と時間制限を設けることで、なんとか聖域内にいるカーバンクルたちの毛繕いに成功したけど、行列と化すほど絶賛されるとは思わなかったよ。

これが、今の私にできる精一杯の恩返しだ。

「ユミルは聞かないの?」
「何を?」

トーイはとろける表情をしながら、私に真面目な疑問をぶつけてきた。

「僕たちは人に崇拝される精霊だ。その気になれば、こういった道具も調達できる。疑問に思わないのかい?」

あ~そのことか。

「[思わない]って言うのは、嘘になるね。でもさ、人には聞いて欲しくない、これ以上踏み込んで欲しくない領域ってあるの。私の場合、前世の家族の件だね。人によっては、堂々と転落事故の詳細を聞いてくる馬鹿もいるの」

「うわあ~、それは空気を読めないレベルじゃないね。そいつは大馬鹿野郎だ。男? 女?」

「男だよ。だから、そいつの顎にアッパーをくらわせて気絶させてやったわ。私はね、そういった経験もあるから、カーバンクルにも人に対して何からの事情を抱え込んでいるんだなと思い、みんなが私に心を許してくれるまでは、絶対に踏み込んじゃダメだと思ったの」

私にとって、カーバンクルは命の恩人だ。
この子たちを失望させるような行為は、絶対にしたくない。

「ふふ、良い答えだ」

トーイは私から少し離れると、そこに他の子たちも集まっていく。これから何か始めるのかな?

「ユミル、合格だ。長以外の皆も、君のことを友達として認めてくれたよ」
「え、ということは……」
「ああ、必然的に長も君の存在を認め、全面的に信用するってことさ」

みんなが好意的な目で、私を見てくれている。
私は、精霊カーバンクルの友として認められたんだ!!
やったね!!

「君は、僕たちを使役させる器を十分に備えている。さあ、僕ともう一度握手して、正式な使役契約を結ぼう。今日以降、僕たち精霊族カーバンクルは、ユミルの協力者だ」

「え…私と契約を結んでくれるの?」

これも、この3日間で教えられたことだ。使役契約、契約を結んだ者といつでもどこでも連絡可能となり、召喚することも可能となる。

「ああ、皆が君を気に入ったのさ」

みんなが好意的な目で、私を見てくれている。
私は、精霊カーバンクルの友達として認められたんだ。
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