転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜

犬社護

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本編

25話 視線を感じます

私とカイト兄が冒険者ギルドに入ると、早朝ということもあってか、色んな冒険者たちが掲示板のところに屯しており、自分たちに見合う依頼を探している。そこには、私と同年代の子供はいない。ここから見える限り、いるのは10歳くらいの男女混成パーティーくらいだ。

冒険者登録をしてわかったけど、今の時点で私が最年少冒険者で、私と同年代の子供はいない。ここへ来た当初、私は冒険者になるにあたっての初心者講習を受けた。内容自体が私のためになるものばかりだったので、授業を真剣に聞き入れ、内容でいくつか疑問に感じた箇所に関しては、皆のいる前でその都度、申し訳ない気持ちで講師の先生に質問した。そのせいで、講習終了が予定時刻より30分程遅れてしまい、皆に迷惑を掛けてしまったので、その場ですぐに出席者6名(10~13歳)と先生に謝罪したら、皆に怒られるどころか褒められてしまった。講習を終えて、トーイたちが大勢の冒険者たちと話していたので、みんなに講習での出来事を話すと、私の納得のいく答えが返ってきた。

・初心者講習は、誰もが知ってて当たり前のことばかり。そのため、出席者側の殆どにやる気がなく、毎回眠っている人が続出している。先生側はその理由もわかるけど、舐められては困るので、その都度注意を入れるため、喧嘩に発展する場合がある。

・出席者側も真剣に聞き入れることもあるけど、講師側に滅多に質問しない。理由は簡単、その質問自体が知ってて当たり前のものであった場合、ギルド側に名前を覚えられ、評価を落とす可能性があり、ランクが上がりにくくなると思い込んでいる。

今回、私が一番前の席を確保し、真剣に授業に臨み、わからない箇所はその都度質問していたことで、居眠り者はゼロだった。私の質問内容が他の出席者の思っていたものと酷似していたので、質問する手間が省けた。その結果、これまでの講習の中でも最高の終わり方になったので、先生側も出席者側も褒めてくれたみたい。

私は4歳で何も知らなくて当然だし、積極的に質問したことで、両方からかなりの好印象を与え、周囲の雰囲気を緩和させたようだ。初日の登録以降、どういうわけか講習時の私の様子が皆に知れ渡っていたようで、私が訪れると、年齢に関係なく、皆が笑顔となり、多くの人々が挨拶も兼ねて、私の頭を撫でていく。

そして、今日も…

「お~ユミル~~早いな~~」
「本当ね~今日も頑張ってね~~~」
「最年少冒険者さん、魔物と遭遇したら真っ先に逃げるか、近場の冒険者に知らせるようにね」

今日も今日で、私はみんなに頭を撫でられている。
う~ん、なんだか恒例になってきている気がする。

「はい、頑張ります!!」

そんな私を見て、カイト兄も笑顔だ。

「はは、いつもの日常の始まりだな」
「うん、今日も一日頑張るよ!!」

とりあえず、私たちは依頼の貼られている掲示板へと、足を運ぶ。

「新しい依頼が入ったのかな?」

私は登録時の講習で、冒険者についての説明を受けた。冒険者には、[強S・A・B・C・D・E・F弱]の7つのランクがあり、一階の大掲示板には、各ランクに分けられた7つの区画があり、冒険者たちは自分の現ランクと一つ上のランクを受注できる。

私の場合なら、FとEランクだ。

「そうだろうな。あそこまで群がるってことは、高い報酬の依頼が入ったんだ。位置的に、DとEランクかな。まあ、今の俺とユミルには厳しいから、焦らず無難なFランクの依頼から遂行して、ポイントを稼いでいこう」

カイト兄の目標は、Eランクに位置するゴブリン討伐依頼を1人で達成させること。そのためにも、攻撃力の向上が必須事項だ。普通、冒険者はスキル[剣術][身体強化]などで攻撃力を向上させるけど、カイト兄は剣術しか持っていないから、[身体強化]がない分をどうやって補うかで、今も悩んでいる。

……なんだろう?

何か、ねっとりとした視線を感じる。
これって、敵意?

視線の元を探しキョロキョロしていると、2階から私を見ている10歳くらいの女の子と、目が合った。ここ1階は一部吹き抜けになっているから、2階の廊下から1階を覗ける。

多分、この視線はあの子だ。
水色の髪と瞳、お洒落で貴賓ある服装、貴族かな?

「アイリス、どうしました?」

彼女は誰かに話しかけられたのか、後方を向く。

「お父様、探している子供はあの子でしょうか? 隣に、カイトさんもいます」

ここからだと、会話が聞こえないよ。
あ、今度は30代のおじさんがこっちを見てきた。
優し気な顔で、怖い雰囲気を出していない。

「ああ、間違いありませんね。カイト君から聞いた幼女は、彼女のことでしょう。私たちが行くと目立ちますから、館内放送を流して、我々のいる部屋へ来てもらいましょう」

「はい」

周囲が騒ついているせいもあって、2人の話している内容がこっちまで聞こえてこない。

「カイト兄、2階にいる10歳くらいの女の子が、私を見て何か言ってる」

「あれは、街長のマーカス様と次女のアイリス様じゃないか!! そうか、俺があの件の報告も兼ねて、ユミルのことを話したから、もう様子を見にきたのか」

カイト兄は、スラム地区の状況を街長様に報告する義務がある。ラピスが目覚め、危険な状態を脱し、健康に問題ないと判明したのが昨日、だからカイト兄はリアテイル様の書いた手紙を持って、街長様の邸へと赴いた。

街長様がこの件を知ったら、解決に導いた私の存在を気にかけ、冒険者ギルドを通じて、話し合いの場をセッティングしてくると、リアテイル様やトマス爺、トーイも言っていたけど、昨日の今日でもう会いにきたってことかな。

でも、街長様はわかるけど、どうしてその子供が冒険者ギルドへ来たの?
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