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レベルアップを目指して
社畜にも休みくらいある 1
しおりを挟むあれから吉継は、厚木からセクハラ紛いのプレイをされることが増えた。
厚木は、たぶん…いや、絶対変態である。
ノーパン出勤を何度かさせられたが、一向に慣れる気配はない。
健康法だと言われたほうがやりやすいのに、いつも厚木にからかわれる事になってしまう。
「吉継」
「なんですか」
厚木の仮眠室にはベッドだけでなくネット完備、テレビに応接セット、冷蔵庫まである。
家に帰りたくなくなるように作られた部屋としか思えない。社畜向きの良い部屋である。
今は休憩時間ということで、厚木はベッドでゴロゴロしている。
「来週から迎えに来なくていい」
「はい?」
「迎えに来なくていいと言った」
「どうしてですか」
「運転手の腰が治った」
「ああ…」
運転手の腰が良くなるまで。
もともとそういう契約だった。
「わかりました」
「長らくご苦労だったな」
もう厚木を送迎しなくていい。
今まで毎日会っていたのに。
「厚木さん」
厚木に覆いかぶさって囲い込む。
「なんだ」
「俺が運転手辞めたら厚木さんとはもう会えませんか」
「いや、そんなことはないが。…電話は?」
「電話はきらいです」
吉継は、この仕事が好きだった。
療養中の半年、厚木に会いたいと言い続け、結局ほとんど会えなかった。
短い時間でも毎日会えるのは、吉継にとって換えの効かない時間になっていた。
厚木の首筋に鼻先を押し付ける。まるで子どもである。厚木は吉継の好きにさせている。
厚木は違うのだろうか。
吉継みたいに毎日会いたいとか、どうしたらもっと気に入ってくれるのかとか、家に帰っても思い出すこととかないのだろうか。
「パートナーなのに…。会いたいって言うのは変ですか」
「いや」
そうはいっても、厚木次第なのだ。この関係は。
厚木が忙しいのはもう仕方ない。
ごねてもどうしようもないとわかっているが、初めて吉継の希望を聞いてくれたのが厚木だ。無意識の甘えがある。
厚木は、吉継をパートナーだというが、欲しいものだけをくれるDomでもない。しかし、吉継を拒否も貶めもしない。不思議な存在。手を離したらだめだと本能が言う。
厚木が吉継の顎を掬って唇を軽く吸って離れる。
目を瞬かせていると、今度は額に。
「厚木さん…?」
「明日は休みだが。家に来るか」
あの意味不明なくらい大きなあの家のことか。毎日迎えに行っているが、中に入ったことはない。
「休み…」
「ああ」
口が半開きになったまま、考えること数秒。
吉継が言ったのは。
「厚木さん、社畜の社長なのに休みなんてあるんですか?」
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