チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號

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第1章

第百九話 カノユール王国の王都

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 異世界からの侵略を前もって阻止できたので、ノイリに地脈用通信指輪で呼びかける。

「ノイリ、聞こえる?」

「はいはーい、聞こえますよ、アキトさん。どうしましたか?」

「この間の神託の事なんだけど、さっき相手の異世界転移魔法陣を潰しておいたからもう来ないよ」

「え?そんなに簡単に出来ちゃったりするのですか?」

「そうだよ、どんどん強くなっているんだよ、アキトは!」と、会話に割り込んできたのはユウキだった。

「それじゃあ、エソルタ島の奪還ももうすぐですね!」

 あ、そこは報告し忘れていたな……。エソルタ島の奪還は既に完了して、これから復興に向けての確認やら準備などに追われることをノイリに伝えた。

 全ての報告を聞き終えると

「やはり、次元が違いますね、アキトさんは……。ルーミエ、ユウキ本当によかったね。私も復興開始式典にはぜひ行ってみたいかな。いいでしょ?」

「ああ、必ず招待するよ。それとは別にまた神託が出たら教えてくれよ」

 そう伝えて通信を切った。

 復興開始式典はカノユール王国かイメノア王国の王都で行いたいと思っているが、カノユール王国の王都にはまだ行ったことがないから、これから行ってみよう。

 これからエソルタ島の復興のための裏設定と攻略ポイントも決める。

 全ての街は無理かもしれないが、冒険者たちの活動費用を中心に経済を回す。どれだけの冒険者たちが来てくれるか、口コミも大切だよな。カガモン帝国のギルドをはじめ近隣の国にも、残党狩りのダンジョンを魅力あるものにして、情報を流してみるか……。



「おーい、ゾンヌフこれからカノユール王国の王都にいくけど、ついてくるか?」

「そうだな、王都ザインの状況も確認しておきたいところだな、それが済んだら俺も一旦国に戻って陛下に会って報告したいし、これからのことを決めておきたい」

 王都ザインには箱魔法で俺とゾンヌフとカラルで向かい、到着してから王都同士を結ぶ転移魔法陣で王女たちには来てもらうことになった。

 移動途中にゾンヌフに伝える。

「カガモン帝国のどこかにエソルタ島と繋がる魔法陣を設置したいが、どこかいいところはないか?」

「?」

ゾンヌフは首を傾けた?いやいやおっさんが傾けてもかわいくないからね……。

「この世界初の転移魔法陣だ。支援してくれるカガモン帝国に設置したいと思っている。なるべく冒険者が多く通る所、ギルドが一番なんだが、配置できるところを手配してくれ」

「カガモン帝国とエソルタ島がつながるのか?」

「ああ、そうだ。一日のうちで少ししか繋げることができないが……」

「それでも充分だ」

「数日後に復興開始式典をエソルタ島のカノユール王国の王都で開催する。これから準備に取り掛かる。そしてそこに生存者すべての人を集める予定だ。生き残りのニ千人近くとカガモン帝国の関係者をもてなすための料理関係を準備してほしい。金はエソルタ島の両国の貨幣を使う」

「まあ、金の事は別に構わないのだが……カノユール王国の方が被害が甚大だと聞くぞ」

「そうなんだが式典でぜひしたいことがあるんだ。ルーミエにザインの街並みを聞いた感じではそっちの方が俺の理想に近いかも知れない……」

「わかった。何をするか俺も楽しみにしているぞ」



 ザインに到着した。

 もともとこの王都には生存者は1人もいなかった。ニ千人のリストにはルーミエの親族はいなかったことやこの王都の状況を目にして惨劇の大きさを新ためて実感した。

「これはひどいな……」

 ゾンヌフもそれ以上は黙り込んでしまい、付近を見て回っている。

 以前にカムラドネでカラルに家を作ってもらったことを思い出して聞いてみた。

「カラル、これまでにダンジョンコアにため込んだ精気でどのくらい創成できるものなんだ?」

「そうですね……わらわの封印解除で半分は使ってしまいましたが、ザインほどの街を十都市とダンジョンなら百くらいは作れる程度は残っているわ。それにわらわの持っているダンジョンから精気を引き出せばもう少し可能よ」

「カラルも規格外な感じになっていないか?」

「それはアキト様が命を賭して封印を解除してくださったおかげです。これまでのわらわとは夜の性活も含めて別物と思っていただいた方が良いかと…」

「……」

 別物ってあれ以上どう違うものになるのか?と不思議に思ったがその時が来るのを楽しみにしておこう。
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