110 / 182
第1章
第百九話 カノユール王国の王都
しおりを挟む
異世界からの侵略を前もって阻止できたので、ノイリに地脈用通信指輪で呼びかける。
「ノイリ、聞こえる?」
「はいはーい、聞こえますよ、アキトさん。どうしましたか?」
「この間の神託の事なんだけど、さっき相手の異世界転移魔法陣を潰しておいたからもう来ないよ」
「え?そんなに簡単に出来ちゃったりするのですか?」
「そうだよ、どんどん強くなっているんだよ、アキトは!」と、会話に割り込んできたのはユウキだった。
「それじゃあ、エソルタ島の奪還ももうすぐですね!」
あ、そこは報告し忘れていたな……。エソルタ島の奪還は既に完了して、これから復興に向けての確認やら準備などに追われることをノイリに伝えた。
全ての報告を聞き終えると
「やはり、次元が違いますね、アキトさんは……。ルーミエ、ユウキ本当によかったね。私も復興開始式典にはぜひ行ってみたいかな。いいでしょ?」
「ああ、必ず招待するよ。それとは別にまた神託が出たら教えてくれよ」
そう伝えて通信を切った。
復興開始式典はカノユール王国かイメノア王国の王都で行いたいと思っているが、カノユール王国の王都にはまだ行ったことがないから、これから行ってみよう。
これからエソルタ島の復興のための裏設定と攻略ポイントも決める。
全ての街は無理かもしれないが、冒険者たちの活動費用を中心に経済を回す。どれだけの冒険者たちが来てくれるか、口コミも大切だよな。カガモン帝国のギルドをはじめ近隣の国にも、残党狩りのダンジョンを魅力あるものにして、情報を流してみるか……。
□
「おーい、ゾンヌフこれからカノユール王国の王都にいくけど、ついてくるか?」
「そうだな、王都ザインの状況も確認しておきたいところだな、それが済んだら俺も一旦国に戻って陛下に会って報告したいし、これからのことを決めておきたい」
王都ザインには箱魔法で俺とゾンヌフとカラルで向かい、到着してから王都同士を結ぶ転移魔法陣で王女たちには来てもらうことになった。
移動途中にゾンヌフに伝える。
「カガモン帝国のどこかにエソルタ島と繋がる魔法陣を設置したいが、どこかいいところはないか?」
「?」
ゾンヌフは首を傾けた?いやいやおっさんが傾けてもかわいくないからね……。
「この世界初の転移魔法陣だ。支援してくれるカガモン帝国に設置したいと思っている。なるべく冒険者が多く通る所、ギルドが一番なんだが、配置できるところを手配してくれ」
「カガモン帝国とエソルタ島がつながるのか?」
「ああ、そうだ。一日のうちで少ししか繋げることができないが……」
「それでも充分だ」
「数日後に復興開始式典をエソルタ島のカノユール王国の王都で開催する。これから準備に取り掛かる。そしてそこに生存者すべての人を集める予定だ。生き残りのニ千人近くとカガモン帝国の関係者をもてなすための料理関係を準備してほしい。金はエソルタ島の両国の貨幣を使う」
「まあ、金の事は別に構わないのだが……カノユール王国の方が被害が甚大だと聞くぞ」
「そうなんだが式典でぜひしたいことがあるんだ。ルーミエにザインの街並みを聞いた感じではそっちの方が俺の理想に近いかも知れない……」
「わかった。何をするか俺も楽しみにしているぞ」
□
ザインに到着した。
もともとこの王都には生存者は1人もいなかった。ニ千人のリストにはルーミエの親族はいなかったことやこの王都の状況を目にして惨劇の大きさを新ためて実感した。
「これはひどいな……」
ゾンヌフもそれ以上は黙り込んでしまい、付近を見て回っている。
以前にカムラドネでカラルに家を作ってもらったことを思い出して聞いてみた。
「カラル、これまでにダンジョンコアにため込んだ精気でどのくらい創成できるものなんだ?」
「そうですね……わらわの封印解除で半分は使ってしまいましたが、ザインほどの街を十都市とダンジョンなら百くらいは作れる程度は残っているわ。それにわらわの持っているダンジョンから精気を引き出せばもう少し可能よ」
「カラルも規格外な感じになっていないか?」
「それはアキト様が命を賭して封印を解除してくださったおかげです。これまでのわらわとは夜の性活も含めて別物と思っていただいた方が良いかと…」
「……」
別物ってあれ以上どう違うものになるのか?と不思議に思ったがその時が来るのを楽しみにしておこう。
「ノイリ、聞こえる?」
「はいはーい、聞こえますよ、アキトさん。どうしましたか?」
「この間の神託の事なんだけど、さっき相手の異世界転移魔法陣を潰しておいたからもう来ないよ」
「え?そんなに簡単に出来ちゃったりするのですか?」
「そうだよ、どんどん強くなっているんだよ、アキトは!」と、会話に割り込んできたのはユウキだった。
「それじゃあ、エソルタ島の奪還ももうすぐですね!」
あ、そこは報告し忘れていたな……。エソルタ島の奪還は既に完了して、これから復興に向けての確認やら準備などに追われることをノイリに伝えた。
全ての報告を聞き終えると
「やはり、次元が違いますね、アキトさんは……。ルーミエ、ユウキ本当によかったね。私も復興開始式典にはぜひ行ってみたいかな。いいでしょ?」
「ああ、必ず招待するよ。それとは別にまた神託が出たら教えてくれよ」
そう伝えて通信を切った。
復興開始式典はカノユール王国かイメノア王国の王都で行いたいと思っているが、カノユール王国の王都にはまだ行ったことがないから、これから行ってみよう。
これからエソルタ島の復興のための裏設定と攻略ポイントも決める。
全ての街は無理かもしれないが、冒険者たちの活動費用を中心に経済を回す。どれだけの冒険者たちが来てくれるか、口コミも大切だよな。カガモン帝国のギルドをはじめ近隣の国にも、残党狩りのダンジョンを魅力あるものにして、情報を流してみるか……。
□
「おーい、ゾンヌフこれからカノユール王国の王都にいくけど、ついてくるか?」
「そうだな、王都ザインの状況も確認しておきたいところだな、それが済んだら俺も一旦国に戻って陛下に会って報告したいし、これからのことを決めておきたい」
王都ザインには箱魔法で俺とゾンヌフとカラルで向かい、到着してから王都同士を結ぶ転移魔法陣で王女たちには来てもらうことになった。
移動途中にゾンヌフに伝える。
「カガモン帝国のどこかにエソルタ島と繋がる魔法陣を設置したいが、どこかいいところはないか?」
「?」
ゾンヌフは首を傾けた?いやいやおっさんが傾けてもかわいくないからね……。
「この世界初の転移魔法陣だ。支援してくれるカガモン帝国に設置したいと思っている。なるべく冒険者が多く通る所、ギルドが一番なんだが、配置できるところを手配してくれ」
「カガモン帝国とエソルタ島がつながるのか?」
「ああ、そうだ。一日のうちで少ししか繋げることができないが……」
「それでも充分だ」
「数日後に復興開始式典をエソルタ島のカノユール王国の王都で開催する。これから準備に取り掛かる。そしてそこに生存者すべての人を集める予定だ。生き残りのニ千人近くとカガモン帝国の関係者をもてなすための料理関係を準備してほしい。金はエソルタ島の両国の貨幣を使う」
「まあ、金の事は別に構わないのだが……カノユール王国の方が被害が甚大だと聞くぞ」
「そうなんだが式典でぜひしたいことがあるんだ。ルーミエにザインの街並みを聞いた感じではそっちの方が俺の理想に近いかも知れない……」
「わかった。何をするか俺も楽しみにしているぞ」
□
ザインに到着した。
もともとこの王都には生存者は1人もいなかった。ニ千人のリストにはルーミエの親族はいなかったことやこの王都の状況を目にして惨劇の大きさを新ためて実感した。
「これはひどいな……」
ゾンヌフもそれ以上は黙り込んでしまい、付近を見て回っている。
以前にカムラドネでカラルに家を作ってもらったことを思い出して聞いてみた。
「カラル、これまでにダンジョンコアにため込んだ精気でどのくらい創成できるものなんだ?」
「そうですね……わらわの封印解除で半分は使ってしまいましたが、ザインほどの街を十都市とダンジョンなら百くらいは作れる程度は残っているわ。それにわらわの持っているダンジョンから精気を引き出せばもう少し可能よ」
「カラルも規格外な感じになっていないか?」
「それはアキト様が命を賭して封印を解除してくださったおかげです。これまでのわらわとは夜の性活も含めて別物と思っていただいた方が良いかと…」
「……」
別物ってあれ以上どう違うものになるのか?と不思議に思ったがその時が来るのを楽しみにしておこう。
44
あなたにおすすめの小説
ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~
楠富 つかさ
ファンタジー
ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。
そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。
「やばい……これ、動けない……」
怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。
「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」
異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!
異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜
舞桜
ファンタジー
「初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎」
突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、
手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、
だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎
神々から貰った加護とスキルで“転生チート無双“
瞳は希少なオッドアイで顔は超絶美人、でも性格は・・・
転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?
だが、死亡する原因には不可解な点が…
数々の事件が巻き起こる中、神様に貰った加護と前世での知識で乗り越えて、
神々と家族からの溺愛され前世での心の傷を癒していくハートフルなストーリー?
様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、
目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“
そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪
*神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのか?のんびりできるといいね!(希望的観測っw)
*投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい
*この作品は“小説家になろう“にも掲載しています
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる