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第2章

第144話 帰宅

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遠夜見(とおよみ)の巫女の屋敷の裏手に建てた我が家。カラルがみんなの意見を取り入れて10分ほどで作成した家だが、さすがと言うべきか住み心地は最高だ。

「ただいまー」
玄関の扉を開けると、レイラとメイドさん3人が出迎えてくれた。レイラのお腹はますます大きくなっているような感じがした。出産まであと2か月ほどらしい。

「お帰りなさい、アキト」
銀色の髪は三つ編みにして1本にまとめられている。やはりエルフの血を引く者。我が妻ながら美しいな。

「急に返ってきて驚かせたね。特に何もないけれど戻ってきたくなったんだ」

「我が家ですもの当然だわ。夕食にまだ時間があるし、料理はこれから作ってもらうから大丈夫よ。それにしても3人ともどろどろじゃない。はいはい、まとめてお風呂入ってきてちょうだい!」
どろんこになって帰ってきた子供に言う母親のように風呂へ誘導する。
「「「はーい」」」
3人とも自分たちの姿を改めて見て、おとなしく風呂場に向かう。
俺はそのまま中に入り風呂の準備をする。ルーミエとユウキは脱衣所ですでに脱ぎ始めている。湯船に湯をはり終えたところで、タオルで隠しながら2人が入ってくる。

そうそう、恥じらいっていうのも大切だよね。

「わー、アキト。ありがとうね」

「お兄ちゃん、髪洗ってくれる?」

「はいはい」

俺はその場で上着を脱ぎ、アイテムボックスに放り込んだ。
2人の髪を洗ってやり、続いて俺も服を脱いで体を洗おうとすると2人がかりで髪と体を洗ってくれた。



湯船につかりながら、洗濯もすることにした。1m四方の箱魔法を展開して、その中に洗濯物をぽいぽいと放り込む。

「2人とも洗濯物はないの?」

「あるけれど……恥ずかしいじゃない」
ルーミエは下着などの洗い物もあるから気にしている。

「あたしは平気だもんね。」
ユウキはあっけらかんとしたもので、下着類はメッシュの袋に入れてあり、ぽいぽいと放り込んだ。

「ユウキ、その袋貸してくれない?」

「いいよ~どうぞ」

予備がいくつかあるらしく、ルーミエに渡して、同じく箱魔法の中に入れる。
洗濯用洗剤を入れ、お湯を入れ、回転を加えていくが、魔力消費は微々たるものだ。

お湯はすぐに汚れ濁る。お湯を入れ替え、その作業を何度か繰り返す。
洗剤をすすぎ落として次は乾燥だ。

少しのぼせたので俺とユウキはここで風呂から上がる。

さすがの風呂好きルーミエはまだ入っている。

箱魔法の大きくして洗濯物に温風をふきつけながら、同時にユウキの髪も乾かすというまるで家電のような働きをみせる箱魔法。
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