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ダニエルとのお食事デート
しおりを挟む無理やりダニエルに手を引かれてやってきたのは、先程のレストランとはそんなに遠く離れていない別のレストランだった。ここは王都で最も歴史のあるレストランで上流階級の貴族や特権階級の金持ちが利用しているばかりでなく、王族すらも時々見かける程の格式ある店だ。なので普通の一般貴族である私が一生足を踏み入れることのない場所であり、最高級の料理とサービスを誇る名門店だった。
入り口に黒いスーツに身を包んでかしこまったウェイターが迎えてくれる。店内にいる客も顔だけは知っている上流貴族ばかりで、いつになく緊張感が増してきた。ダニエルの顔を見ただけでウェイターが彼の名を呼び丁寧に礼をすると私の存在を見とめ、無言で頷いて店の奥のテーブルにうやうやしく案内された。
重厚な重い質感のある丸いテーブルに私たちは向かい合わせに席に着いた。ダニエルはメニューをぱらぱらっとめくったかと思ったら、すぐにメニューを閉じて、まだメニューを見ている私に向かってにっこりと微笑んだ。
私はさっきルイス様と昼食を食べたばかりなのでお腹が一杯だ。せっかくの名門店だがデザートと紅茶にしようとデザートのページを開いた途端に、ダニエルが先程まで固く閉じていた口を開いた。
「僕は若鴨のコースにするよ。でももし君がそのページに載っているデザートにするつもりなら、僕も君に合わせなければいけないね。朝から騎士団の訓練で疲労していて昼から戻らないといけないけど、重い剣を持つくらいはできそうだから僕の事は気にしないで好きなものを注文していいんだよ」
くぅぅぅ、ダニエルは私がさっきの店でデザートを食べていたのを知っているはずだ。お昼のコースを済ませていると分かっていてのこの言動なのだろう。何てドSなんだ!
しかもダニエルは私が開いているページの内容が見えないはずなのに、ページをめくる度に私がいまどのページを見ているか分かっている様だ。私が見ているページの中でお勧めのメニューを楽しそうに語って聞かせる。しかもそのどれもが重そうでお腹にどっしりとくる料理なのだ。そういえばダニエルは稀に見る天才だともキャサリンが言っていた。もしかしてあんな一瞬で全部のメニューを覚えたとでもいうのだろうか?!
「・・・舌平目のコースにします」
あまりに悔しさに小さく震える声でダニエルに伝える。すると彼はすぐにウェイターに声をかけて自分の注文と私の食事を伝えた。
「ああ・・・それと彼女にパンナコッタをメニューとは別で頼むよ。エミリーはパンナコッタが食べられなくて残念だって言っていたよね。僕は大事なエミリーの言った事は絶対に忘れないからね」
「そ・・・そうで・・・す・・」
あまりの屈辱に返す言葉が見つからない。ウェイターはダニエルの紳士的な振る舞いを微笑ましい目で見ると、注文を書き留めて下がっていった。
昼のコースを二回も食べた上でパンナコッタを食べろというのか・・・。悪魔だ・・・こいつは悪魔に違いない・・・。
私はドレスのお腹の部分にそっと手を当てながらがっくりと俯いた。理不尽だ・・・どうして私だけがこの悪魔に付きまとわれているのだろうか・・・。
その時、ダニエルが制服の下から何枚かの紙をだしてテーブルの上に置いた。
「これは・・・?」
見てみるとルイス・バーデモント様の調査書類だ。そこにダニエルが言っていたことと同じことが記載されている。ダニエルはやはり、どんな方法だか分からないが私の行動を監視しているに違いない。
「まさかエミリーが僕という婚約者がいながら、あんな男とデートしているとは思わなかったよ」
コースのオマール海老のスープを優雅な動作で飲みながら、にっこりと微笑んでダニエルが話し始めた。隣のテーブルとは距離が離れているので何を話しているかは分からないだろうが、表情は見えるに違いない。微笑みを絶やさないように注意しながら会話を続ける。
王国最強の頭脳と兵器だと謳われているオルグレン伯爵が女性を連れて現れたのだ。店内にいる客のほとんどが私達のテーブルを気にかけているのが肌で感じられる。私はにっこりと淑女の微笑みを浮かべながら冷めた目でダニエルを見ながら話す。
「私は貴方の婚約者じゃないわ。私は貴方が大嫌いだし、婚約した覚えはないもの」
「そうだね・・・でもいづれエミリーは僕を好きになって婚約するようになるよ。だからその前に変な男に引っかかると困るんだ」
「ダニエルと婚約なんて絶対にあり得ないわね。貴方の事は顔以外は全くタイプじゃないし最悪だとも思っているの。でもそうね、もう二度と私の人生に関わらないでいてくれたら、貴方の事を少しは好きになるかもしれないわ」
次に運ばれた前菜を何とか終わらせるとメイン料理が運ばれてきて、私の目の前に大きな舌平目がその存在を主張して横たわった。私は料理のボリュームに驚きながらも感情を隠して頬笑みを崩さないようにダニエルを見つめる。他のテーブル客は私たちがこんな緊張感のある会話をしているとは思っていないに違いない。
「そうやって君が拒絶する度に、僕は君がますます好きになる。その僕を見る蔑んだ目・・・他の誰もそんな侮蔑の目で僕を見ないし嫌いだなんて絶対にいわないよ」
「そうでしょうね。それは貴方の表向きの顔に騙されているからだわ。本当の貴方はただのエゴイストでナルシストの塊だもの」
「そうだね、エミリーは僕をよく理解していてくれているよね。エゴイストとナルシストか・・・はは、確かに合ってる。そういう所が堪らなく大好きだよ。愛している、エミリー。」
駄目だ・・・何を言っても堪えないし、そうやって否定すればするほど逆にダニエルを喜ばせているような気がしてきた。
「僕が本気で君を手に入れようとすれば、それは本当に簡単な事なのだと知っているよね。でも僕がそうしないのは、君とこうやってもう少し遊んでいたいからなんだ」
面白そうにダニエルが話す。そんな事は分かっている。ダニエルは王国の政治にも深く介入していて、王国を治める王族や有力貴族とも知り合いが大勢いるはずだ。その絶大なる権力を使われたら、明日にでも私を彼の妻にしてしまう事はとても簡単なことだろう。
というかこの男は本当に私を自分の妻にしたいのだろうか?その辺りがさっぱり分からない。私を愛していると囁くその端正な顔は、いつもの笑顔が張り付いているだけでとても本気には見えない。きっと天才の考えることなど凡人には考えも及ばないものなのだ。
私はげっそりしながら舌平目にナイフを入れた。既にダニエルはもうメインを食べきっているというのに、私の皿にはまだ半分くらい舌平目が残っていた。なのにもうお腹がパンパンで食道にまで食べ物が溜まっている気がする。
「・・・ダニエルはどうすれば私を諦めてくれるの?あの夜会の日、貴方とダンスを踊った日に従順な女を演じていたら良かったのかしら。今でも悔やまれるわ。判断を誤ったのね、わたし・・」
「違うよ。エミリーがエミリーであるから僕は君が好きになった。エミリーほど僕を楽しませてくれる女性は他にいないからね」
「私は貴方を楽しませるために生きている訳じゃないわ。それに私のようにダニエルが血反吐を吐くほど嫌いな女性だってこの世にはいると思うの。なのにどうして私なの?」
「ふふ・・・どうしてエミリーじゃないと駄目なのか・・・それは君が僕に教えて欲しいな。僕は一日中君を想って毎日を過ごしているよ。どうしてこうなるのか自分でも分からないんだ。僕の人生で唯一全く理解できないものだよ」
そうしてダニエルは少し目を伏せて切ない表情になった。その切れ長の瞳に完璧なラインを描く顎筋・・・美しい天使のような容貌が憂いに染まって・・・一瞬見惚れてしまった。本当に顔だけは好みなのだ、非の打ち所が全くない。胸の奥がドクンと音を立てて頬に熱がこもったのを感じた。
「・・・残念だわ・・・」
つい心の中の声が漏れ出してしまった。ダニエルがこんな性格でさえなければどれほど良かったのだろうか・・。積み重ねられていく胃の重みがその思いを増幅させていく。もう二度とこんな高級レストランに足を踏み入れることはないだろう。なのに絶対に美味しいはずの舌平目の味が全く分からない悔しさに目頭が熱くなる。
この上パンナコッタまでテーブルに乗せられたら、食べ物が逆流するより先にドレスが張り裂けてしまうに違いない。もう限界かとフォークを皿の上に置こうとしたとき、ダニエルが目の前でその形のいい唇を大きく開けた。
これはどういうことだ?こんな一流レストランで、私に食べさせて欲しいとでもいっているのだろうか?!それともこれは新手の嫌がらせで、私がダニエルの口の中に舌平目を突っ込んだら、罵倒されて蔑まれて土下座させられるそういうパターンなのだろうか?!
ダニエルは究極に戸惑っている私の様子を見て、楽しそうに無言で目を細めた。その瞬間私の心は決まった。舌平目を盛れるだけフォークに盛って周りの客の視線を避けながら、震える指でそのフォークをそうっとダニエルの口の前に差し出した。するとダニエルは自分からその舌平目を口の中に入れるとフォークから唇を離し、にっこりと私を見つめて笑った。
貴族のマナーからは逸脱したエリート年下騎士のその行為に、私の心臓は高鳴っていた。
た・・食べた!!食べたわ!どうしてなの?!
目の前のダニエルはゆっくりとその口を動かせて舌平目を咀嚼する。最初は目を伏せながら・・・徐々にその金色の長い睫毛のある瞼を開いていき魅力的な青い瞳で見上げる。その一連の動作があまりにも官能的で、再びどきりと胸がときめいた。
「君の味がする・・・」
そういってダニエルが唇を舌で少し舐めた。あまりのエロさに一瞬で耳まで真っ赤になったのが感覚でわかった。私は空になったフォークを見て震えるしかほかなかった。
「そのフォークを舐めて・・・」
突然ダニエルが突拍子もないことを言い始めた。冗談かと思ってその顔を怯えた目で見返すが、もちろんそんな訳はない。その史上最高に楽しそうなダニエルの顔を見て、私は震える声で抵抗の意を示した。
「や・・・嫌よ・・・・」
「舐めてくれたらパンナコッタはお土産用に包んでもらうよ。どうする?」
「・・・・・・・」
一瞬彼が天使に見えたのは思い込みに過ぎなかったのだ。やはりダニエルはドSの悪魔だ!
私はフォークを目の前にして生唾を飲んだ。ダニエルの唾液がついているだろうこのフォーク。これを口に含むだけでパンナコッタからは逃れられる。しかもお土産にして持って帰ることが出来れば、この最高級レストランの味を屋敷でゆっくりと堪能することができる。
大体ダニエルとはキスをしたこともあるし、人に言えないそれ以上の事までした仲だ。こんな事は大したことではない。でも問題は私のプライドだ。これを舐めることは私のダニエルに対する敗北を意味する。そんな屈辱を受け入れることが果たして私にできるのだろうか・・・。
重々しく唇を開けてしばらくフォークとダニエルの顔を交互に見つめる。心の中を葛藤がせめぎあう。そうして私は決心した。
ダニエルの顔を睨んだままフォークを掴む指から力を抜いた。
銀のフォークが重力に引かれて落ちてゆき、床にあたってカシャンと音を立てる。すかさずウェイターが現れて新しいフォークが私の手元に置かれ、落としたフォークを拾って去っていった。
そうして私はにっこりと小首をかしげてダニエルを見ると本日最高の笑みを浮かべてこういった。
「ごめんなさい、ダニエル。手が滑って落としてしまったわ。フォークを舐めればいいのだったわね?」
そういって私は勝ち誇ったような顔をして新しく置かれたフォークを口の中に入れ、ダニエルにしか見えない角度で舌を絡めて舐めた。ダニエルは私のその様子を瞬きもせずに射抜くような目で見つめていた。互いに無言のままなのに見つめられるその青い瞳は、私の姿だけを熱く映しているのが光彩の反射で見えて、ぞくりと別の感情が背中を伝って湧いてきた。
彼は私に欲情しているのだ・・・。王国の無二の宝である頭脳明晰のダニエルが・・・私を見て欲情している。
その感覚は私の支配欲をいい感じに刺激した。私がフォークの先を舌で弄んでいるのをしばらく食い入るように見つめていたダニエルが、ふと気が付いたように懐中時計を胸元から取り出した。
「残念だ・・・もう騎士団に戻らないといけない時間だ。エミリーといると楽しすぎて時間がすぐに経ってしまうね。パンナコッタはキャサリンの分の包んでもらうから心配しないで」
やった!ダニエルに勝ったわ!!
私は勝利の余韻に酔いしれた。だがそれはほんの一瞬の事だった。
その後ダニエルの反撃が始まる。
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・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
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