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ダニエルの過激な愛情表現
しおりを挟む時間が無いので私も一緒にダニエルの馬車に乗って先に騎士団に行き、そこでダニエルが降りて私はその馬車に乗ったまま馬車で屋敷に送ってくれるという事になった。レストランで包んでもらったお土産のパンナコッタを手に持ち、私は意気揚々と豪華な馬車に乗り込む。
パンナコッタを御者に手渡してダニエルに手を引いてもらい先に馬車の座席に座ると、ダニエルが乗り込んできてその反対側に腰を下ろした。するとダニエルが突然いつもの笑顔でこういった。
「エミリーは座席に座っちゃ駄目だよ」
「えっ?」
「聞こえなかった?座席には座らないようにしてくれないと馬車は出さない」
この男はまた私に嫌がらせをしようとしているのか?!この粘着質のドS男!恐らくこの彼は私を床に座らせて屈辱にまみれさせようとしているに違いない。ああ、その心底楽しそうな笑顔が益々私をイライラさせるわ。
「そうね、じゃあここに座るわね」
そういって私はにっこりと笑って座席を立つと、ダニエルに背中を向けて彼の膝の上に全体重を乗せて座った。ダニエルの脚が長いので膝に乗ると私の足は空中を泳いでいる。調子に乗った私はそのまま背中を思い切りよくダニエルの上にもたれ掛けさせる。私の後頭部がダニエルの顎を少しかすめたようで、痛そうな呻き声が聞こえた。
「あら、ごめんなさい。座席に座れないから貴方の上に座ったのだけれども、固くてごつごつしていて座り心地はあまりよくないわね。ふふっ」
広い空間なのでダニエルの膝の上に座ってもかなり余裕がある。御者の腰かけている前方の座席の上部には小さいカーテンのついた窓がある。他にも乗り口以外の場所に窓があってそのどれもがカーテンを閉めてあった。私を床に惨めに座らせているのを見せたくなかったに違いないが、まさか私が自分の膝の上に座るだなんて思ってもみなかったに違いない。
「いい子だ、エミリー。君は本当に僕の期待を裏切らないよね。ああ、君の香りで一杯でむせてしまいそうだ。それにいつか言ったよね。エミリーの首には赤い色が良く似合うって・・・」
意味深な発言をしたダニエルが、突然私の首筋に顔を埋めたかと思ったら再び首筋を歯で噛んだ。
「ちょ!やだ!痛っ!!!」
突き刺すような痛みと共に、ダニエルの口内の熱が首から伝わってくる。初めて噛まれた時とは違って、彼はずっと私の肌に噛みついたまま動かない。彼の呼吸の調子が肌にあたる生暖かい風と共にわかる。
「やだ、やだ、早く口を離してったら!せっかく前の噛み痕が治ったのに、また毎日チョーカーを付けないといけないの?!」
「大丈夫、君の為に特別に用意したからこれを付けて帰るといいよ。君の血の味は甘くて格別に美味しいんだ、知ってた?」
歯を離した後そう呟くとダニエルは首筋の傷を舌で舐めあげた。温かくてぞわりとした舌の感触に漏れ出てくる声が止められない。
「あっ・・・・」
その時チャリッといった小さな金属音と共に、私の首に何かネックレスのようなものが巻かれた。自分では見えない位置にあるので手で触ってみるとベロア生地の感触がした次に、布の上にあしらわれた金属の冷たい手触りがする。
「プレゼントだよ、ダイヤをふんだんに使ってある。これなら僕のつけた傷も見えないはずだ。僕の君への愛の証と思ってくれたらいい。ああ、この体勢は君の体を余すところなく感じられて気持ちがいいけれど、君の屈辱にまみれた可愛い顔が見えなくて辛いよ」
いやいやいや・・・これってこの間言っていた首輪ってやつなのじゃないかしら?今日私を噛むと分かっていてこのダイヤのついた首輪を用意したとでもいうの?!何だか私のお尻の下に固くて熱いモノがあたっている気がするのは気のせいよね!
「そういえば僕のつけた歯形はまだあったはずだよね。そこの傷はもう治っちゃったのかな。確かめてみてもいい?」
も・・・もしかしてこのドS男は、私の左胸につけられたあの歯形の事を言っているのかしら!
私は思わず自分の胸を押さえて守りに入った。なのにその手をうまく避けてドレスの上部の胸が開いた部分からダニエルがすかさず手を差し込んでくる。そうして傷が残っているか指先で確かめるように左の胸の突起の周りを指で丹念にまさぐる。
「ダニエル・・やぁ・・」
「あれ、こっちの乳房じゃなかったかな?あの夜の事は君に出会えた感動であまり覚えていないんだ」
そういってダニエルは反対側の手も使い、両方の乳房を直接手で覆って優しく揉みしだきはじめた。首につけられた首輪からチャリチャリと金属が擦れて鳴る音や・・・首筋の痛みとダニエルの吐息の熱さがないまぜになって、否が応でも自然に官能が高められていく。ダニエルが私の耳を口の中の柔らかい部分で甘く噛んできて、舌を使って耳の中を蹂躙する。
「うっ・・・ふぅっ・・・」
狭い馬車の中で声を上げると御者に聞こえてしまうかもしれない。ダニエルの手の邪魔をすることは諦めて、自分の口に両手を当てて声が漏れ出さないように覆った。するとダニエルが耳元でくすっと笑ったかと思うと、右の乳房を揉んでいた手を放してドレスをたくし上げて裾から手を入れた。あっという間にドロワースの中にまで辿り着き、目的の部位に指を這わせた。
「んーー!!」
「ほら、エミリー。その手を放して道を歩く人たちに君の淫乱な声を聞かせてあげるといいよ。そうすれば君が僕のものだと皆に分からせることが出来るしね」
ダニエルの手が後ろから抱き着く形で左の乳首を弄びながら、もう一方の手で濡れた秘部を指を使って刺激する。自然に足が動いて馬車の脇にあたってガタンと音を立てた。
「そんなに気持ちがいいの?エミリーは本当に僕が好きなんだね。僕の手でいじられてこんなに濡れてびちょびちょになっているよ」
「違っ!あ・・・駄目っ!!そこ・・!」
ダニエルの指がアソコに挿入されたのが感触で分かって、身体全体を捻じってダニエルの手から逃れようとするががっしりと掴まれていて身動きすら取れない。挿入された指が膣壁を探るように撫でて奥へと吸い込まれていく。突然の激痛に思わず声が出た。
「痛い!ダニエル!」
「ここにあるのが君の純潔の証だよ。エミリーの処女膜を僕の指で触れていると考えただけで、イッてしまいそうだ。君の中は温かくて本当に気持ちがいい」
そういって痛いくらいに私の体を自分の胸の中に抱きしめると、ダニエルは興奮して息を荒げた。指はいまだに私の中でゆっくりと生き物のようにうごめいている。
長い間、膣の内部を指で執拗に撫でまわされて、与えられる痛みが何か別のものに変容していくのが分かった。じんとした痛みがじーんとした快感に変わってきたと思ったら、腰から全身に電気が走っていくのが分かった。思わず大きな声が出そうになるのを唇を噛んで耐える。
「んんーーーーーーーーーっ!!!!」
ビクンビクンと波打つように体が跳ねる。その体を力強い腕が膝の上からずり落ちないように支えてくれた。
「はぁっ・・・・はぁっ・・・・」
「ふぅっ・・・はぁっ、エミリー・・」
ガタンゴトンと周期的に同じ音を出す轍の音に紛れて、二人の荒い息が馬車の中にこだまする。そのうちに馬車が騎士団の門にたどり着いたようで、門番と御者が話をしている声が微かに聞こえてきた。
するとダニエルが座ったまま私の体を横抱きにして、私の顔を確認するように覗きこんだ。私ばかり乱されて彼は冷静なのだとばかり思っていたがそれは違っていて、ダニエルの顔は興奮に深部まで侵されていて頬を上気させ目は潤んでいた。
「・・・どうしよう、エミリー。君が僕の上で瀕死のウサギのように可愛く我慢しながら喘ぐものだから、何もしてないのにイッてしまったみたいだ。こんなのは初めてだよ。はぁっ・・・」
「な・・何ですって?!一体どういう意味なの?」
私は突然のダニエルの告白に驚き、自分のお尻の下にあったはずの固いモノがその勢いを失っていることに気が付いた。まさか・・まさか・・あの白濁液がズボンの中で・・・・?!!
「ダニエル!貴方今から訓練なのでしょう?どうするの、ズボンと下着を変えないといけないわ!」
「そうだね。でもその場合やっぱり理由が必要だよね。エミリーを馬車の中でイかせてたらズボンの中でうっかり自分も射精してしまったと説明するしかないね」
ダニエルが私を横抱きにしたままで、全く動揺も見せずにしれっとした天使の顔で微笑んだ。
「あっ・・・あっ・・・貴方って男はーーー!!!」
私の頭の中は動揺でパニックになった。その時にあることを思い出す。馬車はさっき騎士団の門をくぐったばかりだ。急げばまだ間に合う!
私は御者の座席に続く小窓を開けて、馬車を騎士団内部の車止めにまで走らせている彼にあるお願いをした。そうして人の良さそうな御者からそれを受け取って、にっこりと挑戦的にダニエルに向かって笑いかけた。私の考えを見抜いたのであろう天才的な騎士隊長は足を組んで頬杖をつき、私を呆れたような表情で見て少し悲しそうにつぶやいた。
「エミリー、君って人はそんなに僕の恋人だと認知されるのが嫌なの?」
「愚問ね。いつも言っているけど私は貴方の顔以外は全部大嫌いよ!」
その瞬間、馬車が止まって入り口の扉がノックされた。
「ダニエル様、お疲れさまでした。今から午後の訓練になります」
ルーク様の声が扉の向こう側から聞こえてきたので、私はすぐにそれを箱から出してダニエルのズボンの上に落とした。白くてドロッとしたパンナコッタがダニエルの下半身を覆いつくす。ダニエルは微動だにせず目を伏せて大きくため息をつくと、こういった。
「開けていいよ、ルーク。食い意地の張った可愛いエミリーがお土産のパンナコッタを食べようとして僕のズボンを汚してしまった。だから代わりの制服を用意してくれないか?このままでは訓練にならない」
扉を開けて馬車の内部を見たルーク様が、パンナコッタの箱を持った私とそれにまみれたダニエルを見て無言で目を泳がせた。この人には真相がばれていそうで怖いが、これで対外的なメンツは保てたはずだ。
たとえエミリー・スタインズが意地汚く馬車の中でデザートを食べようとしていたという悪評が立ったとしても、ダニエルの婚約者という立場を回避できたことは賞賛に値する。
「あの・・・ルーク様。ご迷惑をおかけして申し訳ありません」
私は試合に負けて勝負に勝ったのだと、ルーク様に頭を下げながら何とか自分に言い聞かせた。
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