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ダニエルのお仕置き
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床に座っている私を見下ろしながら、ダニエルが天使のような笑みを見せた。窓から斜めに差し込んでくる夕方の陽ざしが、金色の髪にあたって目にきらきらと光が反射する。一瞬ドキッと胸が高鳴ったが、これがダニエルを想う気持ちから来るのか恐怖から来るのか判別がつかない。
「あ・・・あの・・・誤解しないでね。クライブ様とは別にそういう関係ではなくて・・・強いて言うなら、通りすがり以上で知り合い未満の仲よ」
私とダニエルは恋人同士というわけではない。なのに私は頭の中で言い訳を考えるのに必死だった。そうして咄嗟に思いついた言い訳だったけれども、我ながらうまく形容したものだと自己満足に浸ってみる。
するとダニエルは桃色をした形のいい唇を開けて笑ったかと思うと、自身の長い指をその唇に押し当て、私を見つめる視線はそのままに顎を上げた。
「ふふ、ただの知り合いがエミリーを抱きしめたりするわけだ。今日は凄く楽しんだみたいだね。君の手と腕に大きな指の痕がくっきりついていたよ。ノーグローブ隊長がやったんでしょう?」
うっ!ダニエル史上稀に見る笑顔だわ!これまでの経験上から分析するに・・・えっと、もしかしてダニエルってば無茶苦茶怒ってるとでもいうの!!!どうして?!
やっぱり嫉妬ってやつなのかしら?!!ダニエルが私に嫉妬?!このエリートの天才が私なんかに嫉妬しているの?!だから私を床に寝かせたわけなの?
「・・・・もしそうなら・・・すごぉく面白いわ・・・」
思わず本音が口から漏れ出てしまった。はっと気が付いて口を押えた時には既に遅く、ダニエルがその動きを止めて目を大きく見開いている。
でも初めて見るダニエルの驚いた表情が面白くて、クッションの上で足を曲げ座っているままの体勢でその間に両手をついて前のめりになってダニエルの顔をじっと見上げた。
すると大きく見開かれた目の瞼がほんの少し伏せられて、いつも笑顔のダニエルが頬を染めて何とも言えない表情をする。もっと体を寄せて更に見つめると、ダニエルの瞳は殆ど閉じられて・・・私を見つめたまま苦しそうに顔だけを背けて口元に手を寄せて息を吐いた。
「エミリーは僕の気持ちが分かっていないんだね。今のは人生で三番目に胸が痛んだ瞬間だ」
「ああっ・・・ごめんなさい間違ったわ。そうじゃなくて、私はダニエルに怒りを覚えているのよ。だってどうして私が床に寝かされている訳なの?!気絶するほど女性を抱きしめておいてそれはないでしょう!」
「それは僕も後悔してるよ。本当はクッションも必要ないと思ったんだけど、ルークがそれはあまりにも酷すぎるっていうから仕方なくね・・・でもクッションはやっぱり無い方が良かった」
な・・何が仕方なくなのよ?!このドS!!
もっと心を抉るような怒りの言葉を投げつけてやろうと、前かがみになってお尻が浮いたとたん自分の異変に気が付いた。
何だかお尻の辺りがいつもと違って心もとなく風の通りがいい気がする。まさかと思いながらも自分の両手をそこに当てて確認する。
最悪の想像が当たったようで、ドレスの下は何も履いていない状態だった。つまりもう直接肌があるということだ!
「ひゃっ!!」
思わず小さな悲鳴を上げて膝を閉じて座りなおすと、ダニエルは楽しくて堪らないといった表情で私を見て微笑んだ。
「ダ・・・ダニエル・・ど・どういうことなの・・・?!わた・・私、な・・何も履いてな・・・」
「僕がいるのに他の男と交わっているのを見せつけられて、君にお仕置きするのは当然の行為だよね。僕の心は尋常ならない程に傷ついたんだよ?こんなことで僕が受けた痛みが薄れるわけではないけど、ほんの少しの慰めにはなった。特に君のそんな顔が見られて今はかなり満足しているよ」
ま・・・交わっただなんて、何て卑猥な言い方をするのかしら!私はその場で勢いよく立ち上がって、顔を怒りと恥ずかしさで真っ赤にしながら、椅子に足を組んで座ったままのダニエルに向かって手を突きだした。押さえていたドレスがふわりと浮き上がって冷たい空気が直接下半身を包みこむ。
「満足したのだったら早く返して!どこにあるの?私の下着!」
「さあ、怒りと悲しみで我を忘れていたからね、記憶がないんだ。でももしかして君が僕にキスをしてくれたら思い出すかもしれない」
そういって手を頬に当てて肘を椅子につきながら、いつもの天使の笑顔でにっこりと私に笑いかけた。
くぅっ!下着を盾に取られて私が強く出られないのを分かっていて、調子に乗ってるわね!
そっちがその気なら、濃厚すぎて腰が砕けるくらいのキスをしてやるわ!!それで、『エミリー様、下着は返しますからもっとお願いしますぅっ』て涙顔で言わせてやるのよ!!勿論その後は思いっきり侮蔑のこもった目で見降ろして、そのまま見捨てて帰ってやるんだから!!
「分かったわ、次は貴方が腰を抜かす番よ。覚悟してね。ダニエル」
そうして私は人生で最も挑戦的な瞳をしてダニエルを見つめ、にっこりと微笑んだ。
椅子に座ったままのダニエルの前に立ち、私はその膝の上に横向きに腰を下ろした。そうして両手で彼の頭を抱えると、そのエメラルドグリーンの目をじっと奥まで覗き込んで見る。
ダニエルの非の打ち所がない容姿を見てこの世の無情を感じる。どうして私を愛する完璧な騎士様がドS変態性癖の持ち主だったのかと残念な気持ちになりながらも、小さくため息を漏らした。
そうして彼の形のいい柔らかい唇に自分の唇を重ねると、ふっとダニエルの匂いが鼻をついて香ってきた。そういえば彼からはこんな匂いがいつも漂っている。
香水やシャンプーの匂いとは違う・・・きっと彼自身の匂いなのだろう。心地いい気分になると同時に・・・何だか体の奥がむずむずとしてくる。この感情は一体何なのだろうか・・・。
この香り・・・あの夜会の日に私が彼のアレを口にいれた時と同じ匂いだ。あの時もこんな感じの香りがして・・・そうして口の中に拍動しながら注ぎ込まれたあの液体の味・・・ドロッとした舌触りや独特な匂い・・。官能に染まったダニエルの悩ましい表情・・・。
「ん・・・・・んんっ・・・」
何故だかあの時の熱や感触・・・香りや音までが全て忠実に蘇ってきた。あまりに恥ずかしい記憶に、彼と唇を重ねたままだというのに体が熱くなってくるのを感じる。
ダニエルの唇を割って舌を絡めないと濃厚なキスにはならない。舌をゆっくりと閉じられたままのダニエルの唇に這わせると、何故だか彼の熱いモノの感触を思い出して羞恥心が襲ってくる。そうして唇の狭間に舌が触れたとたんに限界が来て思わず唇を離した。
「はぁぁぁぁぁ・・・・」
そうして長い溜息をついた。ダニエルが欲しいのかそれとも体が男性を求めているだけなのか分からないけれども、不意に高まってしまった官能が体中を満たしている。指先まで熱が駆け巡りぽかぽかと温かくなって、股の間がきゅうんと収縮して両脚を擦り合わせた
私ったら自分がこんなに快楽に弱かったなんて知らなかったわ。駄目・・・ダニエルってば見た目だけは素敵だから、こうして密着していると理性が働かなくなりそうよ。
「ごめんなさい・・・これ以上は・・・無理ぃ・・・」
私は熱い吐息をダニエルに悟られないように両手を口に当てて、泣きそうな顔をしながら襲ってくる欲情を抑えようと必死だった。
ダニエルはそんな私の顔を食い入るように見つめた後、金色の髪を揺らしてその端正な顔を切なさそうに歪めた。そうして熱い溜息をこぼしながら、いたたまれない様子で絞り出すように声を出した。
「ははっ、そんな顔するなんて反則だよ。あまりにも可愛すぎる。どれほど僕を煽ったら気が済むんだ、エミリー。唇に触れるだけのキスで僕を欲情させるなんてあり得ない。君の唇の味すら甘くて官能的で僕を興奮させるのに十分なのに・・・」
ダニエルは私の腰に手を掛けて、少し持ち上げてから膝の上から優しく降ろした。そうして腰に手をかけたままで優しい声でこういった。
「僕はこれを収めてから馬車で君を屋敷にまで送るよ。このままじゃ戻れないからね。だから君は先に部屋を出て僕の準備が整うまで別室でルークと待っていてくれないか」
「え・・・?でも私の下着は・・あ・・ご・・ごめんなさい」
初めはダニエルのいう意味が分からなかったが、すぐにズボンを盛り上げている部分に気が付いて何故だか悪いことをしたような気持ちになる。彼は爽やかに微笑むと、私を愛しそうに見つめてこういった。
「気の強いエミリーもいいけど、素直なエミリーもかなり腰にクるね。さっきからゾクゾクさせられっぱなしだよ。このままだと硬い床の上に君を押し倒して純潔を奪ってしまいそうになる。でもそれはもっと君が僕を愛して、涙を流しながらおねだりしてくるまで楽しみに取っておきたいからね」
そ・・・そうなの?あくまでソファーの上じゃなくて固くて冷たい床の上なわけね・・・。さすがは鬼畜大先生だわ…考えることが違う。
「じゃ私、下着を返してもらったら、着替えて部屋の外で待っているわ。だから下着を渡してちょうだい」
「あ・・それはちょっと待ってほしいな。これの処理に使うからね」
ダニエルは椅子に座ったまま私の腰に回した両手を引っ張って、唇が当たるほどに顔を近づけると天使の笑顔でこういった。
「あ・・あの・・いっている意味がさっぱり分からないわ。普通の人でもわかるように説明してくれないかしら?」
「性衝動で勃起した陰茎をおさめるには、一回射精するか時間をかけて興奮が収まるのを待つかしかないんだ。ということは今から僕がしようとしていることは分かるよね。早く屋敷に戻りたいんでしょう?エミリー」
唇が触れそうなほどに近くにあるダニエルの顔には、下卑た話をしているにも関わらず羞恥心のかけらも見えない程に朗らかで純粋な笑顔が浮かんでいる。その言動とのギャップに、さらに胸の鼓動がどんどんと高まってくる。
「わ・・私の下着であの液体を拭き取るつもりなら、どこかでタオルでも借りてくるわ。その方がダニエルの繊細なアソコの肌にも良さそうだもの!私の下着はごわごわの穴あきよ!アソコの皮が剥けちゃうわよ!」
「分かってないんだね。君の下着を使って、泣きながら僕に挿入してほしいと懇願している君を頭の中で想像して擦るんだよ。心配しないで、この分だとすぐに終わりそうだ」
そういってダニエルはゾクッとした愉悦の表情を浮かべた。それはどう考えても、ダニエルのあの液がたっぷりついた下着が返されるということだろう。それはどう考えても嫌だ・・・生理的嫌悪感が半端ない。処女の許容範囲を完全に超えている。
「で・・・で・・・でもそんな下着は二度と履けないじゃないの!私に下着なしで屋敷に帰れとでもいうの?!」
「心配しなくていいよ。ずっと馬車の中でこの間みたいに抱いておいてあげるから君の下半身は冷たくなったりしないよ」
「うっ!!!!」
やっぱりそういうつもりなのだ。このダニエルがおとなしく私に下着を返してくれるはずがなかったのだ。自分の考えの甘さに悔しさがこみ上げる。
「先に返した御者が君は僕と一緒だということをミルドレイル伯爵に伝えてあるだろうから、早く屋敷に戻らないと僕が責任を取らされそうだね。こういう形で君を手に入れるのは僕にとっても本意ではないんだよ」
ダニエルがこつんと優しく私のおでこと自分のおでこをくっつけてきた。思ったよりも熱を持ったダニエルの額が心地よくて、恐ろしいことを言われているというのにその状況を忘れそうになる。
「・・・ああ、君の下着はきっといい香りがするんだろうなぁ。味は甘いのかな塩辛いのかな?」
うっとりとしかけたがこのダニエルの一言で我に返った。
液体を拭くだけでなく、匂いまで嗅ぐつもりなの?!しかも・・・しかも味だなんて舐める気なのぉ・・・!もう限界だわ!!
「くっ!分かったわ!!そのまま下着を下ろして目を閉じて!!」
「えっ何のこと?エミリー」
私の言いたい意味は十分承知しているはずなのに、わざととぼけた調子でニヤニヤと笑いながら私の様子を伺っている。本当に真性鬼畜ドSの変態だ。
座っているダニエルの股の間に無言のまま体を押し入れて跪くと、おもむろにベルトを外して下着とズボンを同時に強引に下げた。ダニエルの膨張したモノが布の端に引っかかって、下げる時に痛みを感じたようだ。小さいうめき声と共にダニエルが体を少し折り曲げた。
ふんっ!!いい気味だわ!!
少しは溜飲を下げてほくそ笑んだあと、完全に姿を現した目的のモノに目を移した。夕方とはいえこの間の夜会の時とは違った光の満ちた部屋で・・・しかも間近で見るそれは、思ったよりも凶悪でダニエルの外見には似つかわしくないほどの未知の物体だった。
ゴクッ「・・・・・・・・・!!!」
思わず生唾を飲み込んで、目の前にそびえたつモノをまじまじと眺めた。その形たるや彫像の男性像で見るのとは全く違って、この世の生命のあらゆる形態から逸脱した複雑怪奇な形をしていた。
「こ・・・これって・・・みんなこんな形なの?それとも、貴方だけ特別にこんな形になった訳?内面の凶悪さが滲みでてきちゃったとか・・・」
「さあね、君は僕のものしか見る必要はないから、そんなことを知る必要はないよ。それでエミリーは一体何をするつもりなのかな?泣きながら挿入してほしいって懇願してくれるの?」
そういって椅子に座りながらひじ掛けに肘をついて、ズボンの前を開けたまま平然とした顔で私をみてにこにこと笑っている。そんな余裕たっぷりのダニエルを見てムッとした私は、まず口からちょろりと舌を出してみた。その瞬間目の前にそそり立つ熱を持った棒がピクリと跳ねた。
「・・・・ふっ・・」
小さな吐息交じりの快感の声を漏らしたダニエルは、今までの冷静な態度が嘘のように目を細めて息を荒くした。
「あ・・・あの・・・誤解しないでね。クライブ様とは別にそういう関係ではなくて・・・強いて言うなら、通りすがり以上で知り合い未満の仲よ」
私とダニエルは恋人同士というわけではない。なのに私は頭の中で言い訳を考えるのに必死だった。そうして咄嗟に思いついた言い訳だったけれども、我ながらうまく形容したものだと自己満足に浸ってみる。
するとダニエルは桃色をした形のいい唇を開けて笑ったかと思うと、自身の長い指をその唇に押し当て、私を見つめる視線はそのままに顎を上げた。
「ふふ、ただの知り合いがエミリーを抱きしめたりするわけだ。今日は凄く楽しんだみたいだね。君の手と腕に大きな指の痕がくっきりついていたよ。ノーグローブ隊長がやったんでしょう?」
うっ!ダニエル史上稀に見る笑顔だわ!これまでの経験上から分析するに・・・えっと、もしかしてダニエルってば無茶苦茶怒ってるとでもいうの!!!どうして?!
やっぱり嫉妬ってやつなのかしら?!!ダニエルが私に嫉妬?!このエリートの天才が私なんかに嫉妬しているの?!だから私を床に寝かせたわけなの?
「・・・・もしそうなら・・・すごぉく面白いわ・・・」
思わず本音が口から漏れ出てしまった。はっと気が付いて口を押えた時には既に遅く、ダニエルがその動きを止めて目を大きく見開いている。
でも初めて見るダニエルの驚いた表情が面白くて、クッションの上で足を曲げ座っているままの体勢でその間に両手をついて前のめりになってダニエルの顔をじっと見上げた。
すると大きく見開かれた目の瞼がほんの少し伏せられて、いつも笑顔のダニエルが頬を染めて何とも言えない表情をする。もっと体を寄せて更に見つめると、ダニエルの瞳は殆ど閉じられて・・・私を見つめたまま苦しそうに顔だけを背けて口元に手を寄せて息を吐いた。
「エミリーは僕の気持ちが分かっていないんだね。今のは人生で三番目に胸が痛んだ瞬間だ」
「ああっ・・・ごめんなさい間違ったわ。そうじゃなくて、私はダニエルに怒りを覚えているのよ。だってどうして私が床に寝かされている訳なの?!気絶するほど女性を抱きしめておいてそれはないでしょう!」
「それは僕も後悔してるよ。本当はクッションも必要ないと思ったんだけど、ルークがそれはあまりにも酷すぎるっていうから仕方なくね・・・でもクッションはやっぱり無い方が良かった」
な・・何が仕方なくなのよ?!このドS!!
もっと心を抉るような怒りの言葉を投げつけてやろうと、前かがみになってお尻が浮いたとたん自分の異変に気が付いた。
何だかお尻の辺りがいつもと違って心もとなく風の通りがいい気がする。まさかと思いながらも自分の両手をそこに当てて確認する。
最悪の想像が当たったようで、ドレスの下は何も履いていない状態だった。つまりもう直接肌があるということだ!
「ひゃっ!!」
思わず小さな悲鳴を上げて膝を閉じて座りなおすと、ダニエルは楽しくて堪らないといった表情で私を見て微笑んだ。
「ダ・・・ダニエル・・ど・どういうことなの・・・?!わた・・私、な・・何も履いてな・・・」
「僕がいるのに他の男と交わっているのを見せつけられて、君にお仕置きするのは当然の行為だよね。僕の心は尋常ならない程に傷ついたんだよ?こんなことで僕が受けた痛みが薄れるわけではないけど、ほんの少しの慰めにはなった。特に君のそんな顔が見られて今はかなり満足しているよ」
ま・・・交わっただなんて、何て卑猥な言い方をするのかしら!私はその場で勢いよく立ち上がって、顔を怒りと恥ずかしさで真っ赤にしながら、椅子に足を組んで座ったままのダニエルに向かって手を突きだした。押さえていたドレスがふわりと浮き上がって冷たい空気が直接下半身を包みこむ。
「満足したのだったら早く返して!どこにあるの?私の下着!」
「さあ、怒りと悲しみで我を忘れていたからね、記憶がないんだ。でももしかして君が僕にキスをしてくれたら思い出すかもしれない」
そういって手を頬に当てて肘を椅子につきながら、いつもの天使の笑顔でにっこりと私に笑いかけた。
くぅっ!下着を盾に取られて私が強く出られないのを分かっていて、調子に乗ってるわね!
そっちがその気なら、濃厚すぎて腰が砕けるくらいのキスをしてやるわ!!それで、『エミリー様、下着は返しますからもっとお願いしますぅっ』て涙顔で言わせてやるのよ!!勿論その後は思いっきり侮蔑のこもった目で見降ろして、そのまま見捨てて帰ってやるんだから!!
「分かったわ、次は貴方が腰を抜かす番よ。覚悟してね。ダニエル」
そうして私は人生で最も挑戦的な瞳をしてダニエルを見つめ、にっこりと微笑んだ。
椅子に座ったままのダニエルの前に立ち、私はその膝の上に横向きに腰を下ろした。そうして両手で彼の頭を抱えると、そのエメラルドグリーンの目をじっと奥まで覗き込んで見る。
ダニエルの非の打ち所がない容姿を見てこの世の無情を感じる。どうして私を愛する完璧な騎士様がドS変態性癖の持ち主だったのかと残念な気持ちになりながらも、小さくため息を漏らした。
そうして彼の形のいい柔らかい唇に自分の唇を重ねると、ふっとダニエルの匂いが鼻をついて香ってきた。そういえば彼からはこんな匂いがいつも漂っている。
香水やシャンプーの匂いとは違う・・・きっと彼自身の匂いなのだろう。心地いい気分になると同時に・・・何だか体の奥がむずむずとしてくる。この感情は一体何なのだろうか・・・。
この香り・・・あの夜会の日に私が彼のアレを口にいれた時と同じ匂いだ。あの時もこんな感じの香りがして・・・そうして口の中に拍動しながら注ぎ込まれたあの液体の味・・・ドロッとした舌触りや独特な匂い・・。官能に染まったダニエルの悩ましい表情・・・。
「ん・・・・・んんっ・・・」
何故だかあの時の熱や感触・・・香りや音までが全て忠実に蘇ってきた。あまりに恥ずかしい記憶に、彼と唇を重ねたままだというのに体が熱くなってくるのを感じる。
ダニエルの唇を割って舌を絡めないと濃厚なキスにはならない。舌をゆっくりと閉じられたままのダニエルの唇に這わせると、何故だか彼の熱いモノの感触を思い出して羞恥心が襲ってくる。そうして唇の狭間に舌が触れたとたんに限界が来て思わず唇を離した。
「はぁぁぁぁぁ・・・・」
そうして長い溜息をついた。ダニエルが欲しいのかそれとも体が男性を求めているだけなのか分からないけれども、不意に高まってしまった官能が体中を満たしている。指先まで熱が駆け巡りぽかぽかと温かくなって、股の間がきゅうんと収縮して両脚を擦り合わせた
私ったら自分がこんなに快楽に弱かったなんて知らなかったわ。駄目・・・ダニエルってば見た目だけは素敵だから、こうして密着していると理性が働かなくなりそうよ。
「ごめんなさい・・・これ以上は・・・無理ぃ・・・」
私は熱い吐息をダニエルに悟られないように両手を口に当てて、泣きそうな顔をしながら襲ってくる欲情を抑えようと必死だった。
ダニエルはそんな私の顔を食い入るように見つめた後、金色の髪を揺らしてその端正な顔を切なさそうに歪めた。そうして熱い溜息をこぼしながら、いたたまれない様子で絞り出すように声を出した。
「ははっ、そんな顔するなんて反則だよ。あまりにも可愛すぎる。どれほど僕を煽ったら気が済むんだ、エミリー。唇に触れるだけのキスで僕を欲情させるなんてあり得ない。君の唇の味すら甘くて官能的で僕を興奮させるのに十分なのに・・・」
ダニエルは私の腰に手を掛けて、少し持ち上げてから膝の上から優しく降ろした。そうして腰に手をかけたままで優しい声でこういった。
「僕はこれを収めてから馬車で君を屋敷にまで送るよ。このままじゃ戻れないからね。だから君は先に部屋を出て僕の準備が整うまで別室でルークと待っていてくれないか」
「え・・・?でも私の下着は・・あ・・ご・・ごめんなさい」
初めはダニエルのいう意味が分からなかったが、すぐにズボンを盛り上げている部分に気が付いて何故だか悪いことをしたような気持ちになる。彼は爽やかに微笑むと、私を愛しそうに見つめてこういった。
「気の強いエミリーもいいけど、素直なエミリーもかなり腰にクるね。さっきからゾクゾクさせられっぱなしだよ。このままだと硬い床の上に君を押し倒して純潔を奪ってしまいそうになる。でもそれはもっと君が僕を愛して、涙を流しながらおねだりしてくるまで楽しみに取っておきたいからね」
そ・・・そうなの?あくまでソファーの上じゃなくて固くて冷たい床の上なわけね・・・。さすがは鬼畜大先生だわ…考えることが違う。
「じゃ私、下着を返してもらったら、着替えて部屋の外で待っているわ。だから下着を渡してちょうだい」
「あ・・それはちょっと待ってほしいな。これの処理に使うからね」
ダニエルは椅子に座ったまま私の腰に回した両手を引っ張って、唇が当たるほどに顔を近づけると天使の笑顔でこういった。
「あ・・あの・・いっている意味がさっぱり分からないわ。普通の人でもわかるように説明してくれないかしら?」
「性衝動で勃起した陰茎をおさめるには、一回射精するか時間をかけて興奮が収まるのを待つかしかないんだ。ということは今から僕がしようとしていることは分かるよね。早く屋敷に戻りたいんでしょう?エミリー」
唇が触れそうなほどに近くにあるダニエルの顔には、下卑た話をしているにも関わらず羞恥心のかけらも見えない程に朗らかで純粋な笑顔が浮かんでいる。その言動とのギャップに、さらに胸の鼓動がどんどんと高まってくる。
「わ・・私の下着であの液体を拭き取るつもりなら、どこかでタオルでも借りてくるわ。その方がダニエルの繊細なアソコの肌にも良さそうだもの!私の下着はごわごわの穴あきよ!アソコの皮が剥けちゃうわよ!」
「分かってないんだね。君の下着を使って、泣きながら僕に挿入してほしいと懇願している君を頭の中で想像して擦るんだよ。心配しないで、この分だとすぐに終わりそうだ」
そういってダニエルはゾクッとした愉悦の表情を浮かべた。それはどう考えても、ダニエルのあの液がたっぷりついた下着が返されるということだろう。それはどう考えても嫌だ・・・生理的嫌悪感が半端ない。処女の許容範囲を完全に超えている。
「で・・・で・・・でもそんな下着は二度と履けないじゃないの!私に下着なしで屋敷に帰れとでもいうの?!」
「心配しなくていいよ。ずっと馬車の中でこの間みたいに抱いておいてあげるから君の下半身は冷たくなったりしないよ」
「うっ!!!!」
やっぱりそういうつもりなのだ。このダニエルがおとなしく私に下着を返してくれるはずがなかったのだ。自分の考えの甘さに悔しさがこみ上げる。
「先に返した御者が君は僕と一緒だということをミルドレイル伯爵に伝えてあるだろうから、早く屋敷に戻らないと僕が責任を取らされそうだね。こういう形で君を手に入れるのは僕にとっても本意ではないんだよ」
ダニエルがこつんと優しく私のおでこと自分のおでこをくっつけてきた。思ったよりも熱を持ったダニエルの額が心地よくて、恐ろしいことを言われているというのにその状況を忘れそうになる。
「・・・ああ、君の下着はきっといい香りがするんだろうなぁ。味は甘いのかな塩辛いのかな?」
うっとりとしかけたがこのダニエルの一言で我に返った。
液体を拭くだけでなく、匂いまで嗅ぐつもりなの?!しかも・・・しかも味だなんて舐める気なのぉ・・・!もう限界だわ!!
「くっ!分かったわ!!そのまま下着を下ろして目を閉じて!!」
「えっ何のこと?エミリー」
私の言いたい意味は十分承知しているはずなのに、わざととぼけた調子でニヤニヤと笑いながら私の様子を伺っている。本当に真性鬼畜ドSの変態だ。
座っているダニエルの股の間に無言のまま体を押し入れて跪くと、おもむろにベルトを外して下着とズボンを同時に強引に下げた。ダニエルの膨張したモノが布の端に引っかかって、下げる時に痛みを感じたようだ。小さいうめき声と共にダニエルが体を少し折り曲げた。
ふんっ!!いい気味だわ!!
少しは溜飲を下げてほくそ笑んだあと、完全に姿を現した目的のモノに目を移した。夕方とはいえこの間の夜会の時とは違った光の満ちた部屋で・・・しかも間近で見るそれは、思ったよりも凶悪でダニエルの外見には似つかわしくないほどの未知の物体だった。
ゴクッ「・・・・・・・・・!!!」
思わず生唾を飲み込んで、目の前にそびえたつモノをまじまじと眺めた。その形たるや彫像の男性像で見るのとは全く違って、この世の生命のあらゆる形態から逸脱した複雑怪奇な形をしていた。
「こ・・・これって・・・みんなこんな形なの?それとも、貴方だけ特別にこんな形になった訳?内面の凶悪さが滲みでてきちゃったとか・・・」
「さあね、君は僕のものしか見る必要はないから、そんなことを知る必要はないよ。それでエミリーは一体何をするつもりなのかな?泣きながら挿入してほしいって懇願してくれるの?」
そういって椅子に座りながらひじ掛けに肘をついて、ズボンの前を開けたまま平然とした顔で私をみてにこにこと笑っている。そんな余裕たっぷりのダニエルを見てムッとした私は、まず口からちょろりと舌を出してみた。その瞬間目の前にそそり立つ熱を持った棒がピクリと跳ねた。
「・・・・ふっ・・」
小さな吐息交じりの快感の声を漏らしたダニエルは、今までの冷静な態度が嘘のように目を細めて息を荒くした。
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甘いばかりの言葉も、優しい視線も、どうにも嘘くさいと思ってしまう。
本心の分からない人の心を、一体どうやって信じればいいのだろう。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
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「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
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・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
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