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馬車の中で
それからダニエルは三人の腹心の部下に色々と指示を出し、私を横抱きにして地下からの階段を上がった。地上には信じられないほどの大勢の兵や騎士らがいて、ダニエルを誘拐したであろう二十人ほどの傭兵たちが捕えられ次々と護送されていく。
ダニエルと私が屋敷の正面玄関をでるなり、どこからともなく押し寄せる波のように味方の兵の声援が上がった。
黒の隊長服を着たダニエルが、金色の長い髪や白い肌の上から水滴を流して微かに震えているいたいけな令嬢を胸に抱き、玄関の階段を颯爽と降りていくのだ。
とっておきの絹の黄色いドレスはダニエルが足を進める度に空気を含んでひるがえり、ダニエルをまるで英雄のように魅せる。私の両手首には未だに紐が巻き付いているのだが、それを気にするものは誰もいなかった。
皆が口々にダニエルの名前を呼んで褒め称えるが、私には全く腑に落ちない。私が体を張ってダニエルを助けに来てあげたのに、この様子では私がダニエルに助けだされた感じに見えてしまう。
わざわざ尾行しやすいようにと目立つ黄色のドレスを着用し、ナイフで脅迫されながらも決して屈しなかった私を褒めてくれる人はどこにもいないのだろうか?!!っていうかこの手首の拘束を誰か解いて欲しい!!
ダニエルの帰還を喜ぶ騎士たちにそつのない礼をし、医務官の治療を丁寧に断ってからダニエルは用意された馬車に私を連れて乗り込んだ。思った通りに王国の東側の森にある使われていなかった屋敷で、奴らの拠点として数年使用されていた場所だったらしい。
先にミルドレイル伯爵家に私を送ってくれる予定らしいが、早く見積もっても馬車で一時間以上はかかる。
ダニエルの腕の中に横抱きで抱かれたまま馬車に乗り込んだ私は、ようやく密着させていた体を離した。そうして私のドロワースが馬車の床の上にふわりと舞って落ちていった。
私を抱いている間じゅうダニエルがわざと力を抜いていたので、自力で引っ付いていないと私のアレがいつ落ちてしまうか気が気でなかった私の腹筋は、さっきから鈍痛を発していた。
私が不満そうな目をしてダニエルを睨みつけると、彼は本当に嬉しそうな顔をして私を見つめ返した。
辺りは陽も落ちて真っ暗になっていて、カーテンをひいていない窓ガラスから差し込む月の光だけが二人を照らしている。馬車の前後には護衛の騎士達が数名馬に乗って馬車を護ってくれているらしいが、気を利かせたのかかなり距離を置いてついてきているようだ。
「ねえダニエル。充分理解してるし・・・無益だとか徒労だとか確実に分かっているつもりだけれども・・・一応聞いてみるわね。この紐をほどいてくれないかしら」
「んーーー君の手を自由にするとすぐに殴られそうだからね。それに濡れ鼠になって縛られているエミリーのほうが、憐れさが際立っていて綺麗だよ」
もうその答えは既に分かり切っていたのに、無駄なことをしてしまったものだわ。
「・・・だと思ったわ、じゃあ最後の手段を使うしかないわね」
私はもう一度腹筋を振り絞って体を起して、ダニエルの唇に顔を寄せた。そうしてキョトンとした顔をしているダニエルに向かって少し舌を出し、ゆっくりとした動きで柔らかそうなそれをぺろりと舐めた。
私の意外な行動に一瞬ダニエルが体を固くしたのが分かったが、間髪を入れずに舌をダニエルの唇の間に無理やり押し込んだ。そのまま口の皮膚を舐めとるようにゆっくりと内部で舌を這わせる。
「ん・・・・んっ・・・」
私を抱きしめるダニエルの腕がだんだん熱くなっていくのを感じた。そうしてダニエルが興奮しきって自分の舌を私のそれに絡ませてこようとした瞬間、その唇を離した。互いの唾液が混ざった透明な糸がすぅっと互いの間を繋いで・・・すぐに切れて無くなる。
ダニエルは唇を離す私に追いすがってくるように顔を近づけて・・・・それでも私の唇には届かない悔しさで端正な顔を歪ませた彼は、寂しそうに笑うとこういった。金色の髪がおでこの辺りで揺れて、月光のほのかな光を反射させている。
「・・・そういうことか・・・。それで両手が自由になったらエミリーは僕に何をしてくれるの?」
「それはその時のお楽しみよ。どうする?あなた次第だわ」
そういいながらダニエルの首筋に唇を這わせる。唇の柔らかい部分がダニエルの肌に触れる度に、彼の息が更に荒くなっていくのが分かった。なのに冷静な振りをしているダニエルは、何ともない調子で話し続ける。
そんな事をしても私に感じているのはバレバレだというのに馬鹿な男だわ・・・。
なんだかそんな様子を見ていると、ダニエルを可愛く思う気持ちが増してきて胸の奥がきゅーんと締め付けられる。誰に対しても冷静沈着で隙の無い完璧な男が、私にだけは乱されておかしくなっていく様を見るのは心地よかった。
「うーん、もう少し考えさせてほしいな」
「ふふ、貴方って本当に真性ドSの変態ね・・・」
そういって私はダニエルの首に触れていた唇を移動させて、隊長服の上着の下に着ていたシャツのボタンを口だけで外し始めた。上着はさっきダニエルが私の下着を取り出すときにホックを全て外していたからだ。
「・・・・すごい光景だね・・・君の濡れた髪が肌に擦れて冷たいよ・・・はあっ」
頬を赤らめて瞳を潤ませながら、ダニエルが胸のあたりに頭を擦り寄せている私を見下ろしながらつぶやいた。
「じっとしていて頂戴。でないと肌に歯が当たってしまうわよ」
そういって意地悪くわざと前歯を固い筋肉に強く当ててやる。同時に胸筋がピクンと動くのを見て微笑ましさが込み上げる。
「ダニエルったら意外と痛みを与えられるのが好きなのじゃないかしら?ほら、こういうの好きじゃない?」
半分ほどボタンを外し終わった頃、私は調子に乗って胸の真ん中の窪みの部分を唇をつけて勢いよく吸った。ダニエルがくぐもったうめき声を出したと同時にちゅうぅっと音がして、唇を離してみるとそこには赤い内出血の痕ができているのが月明りの下でもわかった。
「うっ・・・・!!」
「やだ・・・そんなに気持ちよかった?じゃ、ここも・・・ここもね・・・」
顔をシャツの下にくぐらせて、胸や肩の部分までいたるところにキスマークを付ける。そうして自分でも幾度つけたか分からなくなった頃・・・自分の創作した芸術を見るように頭を上げて、少し距離を取ってダニエルの上半身をまじまじと見つめた。
ワイシャツのボタンを四つ程外されたワイシャツは半分以上はだけられていて、その下の筋肉のついた肌を覗かせている。その張りのある丘陵を帯びた筋肉のあちこちに赤い斑点がいくつも浮かんでいて、まるで何かの疫病にかかった人のように見える。
おもわず微笑んで、私を斜めに見ているダニエルを見た。その顔は私に与えられる快楽に溺れていて、まるで私の所有物かのように思えて征服欲がいい感じで満たされた。
そのままじっと見つめていると、ダニエルは照れたようにエメラルドグリーンの瞳を潤ませて金色の睫毛を伏せた・・・切ない表情を浮かべたダニエルの顔が可愛くて胸が再びきゅんとなった。
ダニエルと私が屋敷の正面玄関をでるなり、どこからともなく押し寄せる波のように味方の兵の声援が上がった。
黒の隊長服を着たダニエルが、金色の長い髪や白い肌の上から水滴を流して微かに震えているいたいけな令嬢を胸に抱き、玄関の階段を颯爽と降りていくのだ。
とっておきの絹の黄色いドレスはダニエルが足を進める度に空気を含んでひるがえり、ダニエルをまるで英雄のように魅せる。私の両手首には未だに紐が巻き付いているのだが、それを気にするものは誰もいなかった。
皆が口々にダニエルの名前を呼んで褒め称えるが、私には全く腑に落ちない。私が体を張ってダニエルを助けに来てあげたのに、この様子では私がダニエルに助けだされた感じに見えてしまう。
わざわざ尾行しやすいようにと目立つ黄色のドレスを着用し、ナイフで脅迫されながらも決して屈しなかった私を褒めてくれる人はどこにもいないのだろうか?!!っていうかこの手首の拘束を誰か解いて欲しい!!
ダニエルの帰還を喜ぶ騎士たちにそつのない礼をし、医務官の治療を丁寧に断ってからダニエルは用意された馬車に私を連れて乗り込んだ。思った通りに王国の東側の森にある使われていなかった屋敷で、奴らの拠点として数年使用されていた場所だったらしい。
先にミルドレイル伯爵家に私を送ってくれる予定らしいが、早く見積もっても馬車で一時間以上はかかる。
ダニエルの腕の中に横抱きで抱かれたまま馬車に乗り込んだ私は、ようやく密着させていた体を離した。そうして私のドロワースが馬車の床の上にふわりと舞って落ちていった。
私を抱いている間じゅうダニエルがわざと力を抜いていたので、自力で引っ付いていないと私のアレがいつ落ちてしまうか気が気でなかった私の腹筋は、さっきから鈍痛を発していた。
私が不満そうな目をしてダニエルを睨みつけると、彼は本当に嬉しそうな顔をして私を見つめ返した。
辺りは陽も落ちて真っ暗になっていて、カーテンをひいていない窓ガラスから差し込む月の光だけが二人を照らしている。馬車の前後には護衛の騎士達が数名馬に乗って馬車を護ってくれているらしいが、気を利かせたのかかなり距離を置いてついてきているようだ。
「ねえダニエル。充分理解してるし・・・無益だとか徒労だとか確実に分かっているつもりだけれども・・・一応聞いてみるわね。この紐をほどいてくれないかしら」
「んーーー君の手を自由にするとすぐに殴られそうだからね。それに濡れ鼠になって縛られているエミリーのほうが、憐れさが際立っていて綺麗だよ」
もうその答えは既に分かり切っていたのに、無駄なことをしてしまったものだわ。
「・・・だと思ったわ、じゃあ最後の手段を使うしかないわね」
私はもう一度腹筋を振り絞って体を起して、ダニエルの唇に顔を寄せた。そうしてキョトンとした顔をしているダニエルに向かって少し舌を出し、ゆっくりとした動きで柔らかそうなそれをぺろりと舐めた。
私の意外な行動に一瞬ダニエルが体を固くしたのが分かったが、間髪を入れずに舌をダニエルの唇の間に無理やり押し込んだ。そのまま口の皮膚を舐めとるようにゆっくりと内部で舌を這わせる。
「ん・・・・んっ・・・」
私を抱きしめるダニエルの腕がだんだん熱くなっていくのを感じた。そうしてダニエルが興奮しきって自分の舌を私のそれに絡ませてこようとした瞬間、その唇を離した。互いの唾液が混ざった透明な糸がすぅっと互いの間を繋いで・・・すぐに切れて無くなる。
ダニエルは唇を離す私に追いすがってくるように顔を近づけて・・・・それでも私の唇には届かない悔しさで端正な顔を歪ませた彼は、寂しそうに笑うとこういった。金色の髪がおでこの辺りで揺れて、月光のほのかな光を反射させている。
「・・・そういうことか・・・。それで両手が自由になったらエミリーは僕に何をしてくれるの?」
「それはその時のお楽しみよ。どうする?あなた次第だわ」
そういいながらダニエルの首筋に唇を這わせる。唇の柔らかい部分がダニエルの肌に触れる度に、彼の息が更に荒くなっていくのが分かった。なのに冷静な振りをしているダニエルは、何ともない調子で話し続ける。
そんな事をしても私に感じているのはバレバレだというのに馬鹿な男だわ・・・。
なんだかそんな様子を見ていると、ダニエルを可愛く思う気持ちが増してきて胸の奥がきゅーんと締め付けられる。誰に対しても冷静沈着で隙の無い完璧な男が、私にだけは乱されておかしくなっていく様を見るのは心地よかった。
「うーん、もう少し考えさせてほしいな」
「ふふ、貴方って本当に真性ドSの変態ね・・・」
そういって私はダニエルの首に触れていた唇を移動させて、隊長服の上着の下に着ていたシャツのボタンを口だけで外し始めた。上着はさっきダニエルが私の下着を取り出すときにホックを全て外していたからだ。
「・・・・すごい光景だね・・・君の濡れた髪が肌に擦れて冷たいよ・・・はあっ」
頬を赤らめて瞳を潤ませながら、ダニエルが胸のあたりに頭を擦り寄せている私を見下ろしながらつぶやいた。
「じっとしていて頂戴。でないと肌に歯が当たってしまうわよ」
そういって意地悪くわざと前歯を固い筋肉に強く当ててやる。同時に胸筋がピクンと動くのを見て微笑ましさが込み上げる。
「ダニエルったら意外と痛みを与えられるのが好きなのじゃないかしら?ほら、こういうの好きじゃない?」
半分ほどボタンを外し終わった頃、私は調子に乗って胸の真ん中の窪みの部分を唇をつけて勢いよく吸った。ダニエルがくぐもったうめき声を出したと同時にちゅうぅっと音がして、唇を離してみるとそこには赤い内出血の痕ができているのが月明りの下でもわかった。
「うっ・・・・!!」
「やだ・・・そんなに気持ちよかった?じゃ、ここも・・・ここもね・・・」
顔をシャツの下にくぐらせて、胸や肩の部分までいたるところにキスマークを付ける。そうして自分でも幾度つけたか分からなくなった頃・・・自分の創作した芸術を見るように頭を上げて、少し距離を取ってダニエルの上半身をまじまじと見つめた。
ワイシャツのボタンを四つ程外されたワイシャツは半分以上はだけられていて、その下の筋肉のついた肌を覗かせている。その張りのある丘陵を帯びた筋肉のあちこちに赤い斑点がいくつも浮かんでいて、まるで何かの疫病にかかった人のように見える。
おもわず微笑んで、私を斜めに見ているダニエルを見た。その顔は私に与えられる快楽に溺れていて、まるで私の所有物かのように思えて征服欲がいい感じで満たされた。
そのままじっと見つめていると、ダニエルは照れたようにエメラルドグリーンの瞳を潤ませて金色の睫毛を伏せた・・・切ない表情を浮かべたダニエルの顔が可愛くて胸が再びきゅんとなった。
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