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目を覚ませば、隣にエルストが眠っていて一瞬びっくりした。
シーツをかき集めながら、”えっ!? なんで私のベッドにいるの?!” って思ったが、身体中に散らばる情事の後を見て、昨日このベッドで何があったのかを一瞬で理解して納得した。
そうだった……。昨日、私……エルストさんとしちゃったんだ。
人には決して言えない場所が鈍痛を持っていて、まだ何かが挟まっているように感じるのも、そのせいだ。
自然と顔に熱が集まるのを感じる。
その熱を冷ますために顔に手を当ててエルストを見れば、未だスヤスヤと寝息を立てて眠っていた。
エルストさんの寝顔、初めて見る……。
こんなチャンスは中々ない! と思い、じっと見つめることとした。
まるで抱き枕のように私の腰に手を回したままこっちに顔を向け、安心しきって眠る顔はいつもよりもやや幼く見える。それでも、きめ細やかな肌に、左右対称に整ったパーツ。
やっぱり、綺麗な顔だな……。
昨日の夜は、銀の長い睫毛に縁取られるエメラルドグリーンの瞳に優しさを湛えて私を愛おしそうに見つめてくれた。
薄い唇は触れ合えばマシュマロのように柔らかく、お互いの熱を映すように何度も深く重ね合った。そして甘い吐息と共に紡がれる愛の言葉に、どうしようもないほどに胸を熱くさせた。
シーツの合間から覗く上半身にはその外見からは想像もつかないほど、意外にも固い筋肉が付いていて、その逞しい胸に抱き寄せられれば、触れる箇所から強く男を感じされ、ドキドキする気持ちが止まらなかった。
優しく、逞しく、強く自分を求められ、終始幸せ感に浸って熱い熱に翻弄された。
昨日のことを思い出せば、冷めるどころか更に顔に熱が集まってしまい、一旦忘れよう! と思いシーツを頭まで被って顔を隠せば、隣からクスクスと、面白くてたまらないという笑い声が聞こえた。
ガバッとシーツから顔を出せば、目を開けてこっちを愛おしそうに見るエルストと目があう。
「あ、お、おはようございます」
「おはよう。身体は大丈夫?」
とろけそうな視線を向けながらそう言われ、思わず俯いてしまう。
「だ、大丈夫です」
「本当に? だいぶ無理させちゃったからね」
下から覗き込むようにして心配そうな顔を向けられる。
心配してくれるのも、優しくしてくれるのも、とっても嬉しいんですが……でも! 恥ずかしいです!!
恥ずかしさに耐えられなくなり視線をさまよわせれば、ふとエルストさんの視線が私の顔ではなく、じっと私の胸を見つめていることに気づいた。
見つめられている視線の先には赤く咲く情事の跡が散りばめられており、その中でより一層赤く満開に咲き誇る花びらがあった。
もしかして、この花を見ているの……?
「この花、昨日、赤く色づきました」
エルストの顔を見上げれば、目を細め優しい微笑みを浮かべていた。
「こんなにも、花を美しいと感じたことは生まれて初めてです。あなたの白い肌に良く映えます」
赤い花びらの上を長い指でツーっと形を縁取るようになぞられれば、そこから甘い痺れが身体全体に広がっていった。
「んっ、」
鼻から漏れる甘さを含んだ吐息が、部屋の雰囲気を一気に甘く淫らなものに変えていった。
腕を引き寄せられ唇が重なる。
「もう少しだけ……」
再び始まる甘い時間に身体をほてらせ、一緒にシーツの波に身体を沈めた――。
シーツをかき集めながら、”えっ!? なんで私のベッドにいるの?!” って思ったが、身体中に散らばる情事の後を見て、昨日このベッドで何があったのかを一瞬で理解して納得した。
そうだった……。昨日、私……エルストさんとしちゃったんだ。
人には決して言えない場所が鈍痛を持っていて、まだ何かが挟まっているように感じるのも、そのせいだ。
自然と顔に熱が集まるのを感じる。
その熱を冷ますために顔に手を当ててエルストを見れば、未だスヤスヤと寝息を立てて眠っていた。
エルストさんの寝顔、初めて見る……。
こんなチャンスは中々ない! と思い、じっと見つめることとした。
まるで抱き枕のように私の腰に手を回したままこっちに顔を向け、安心しきって眠る顔はいつもよりもやや幼く見える。それでも、きめ細やかな肌に、左右対称に整ったパーツ。
やっぱり、綺麗な顔だな……。
昨日の夜は、銀の長い睫毛に縁取られるエメラルドグリーンの瞳に優しさを湛えて私を愛おしそうに見つめてくれた。
薄い唇は触れ合えばマシュマロのように柔らかく、お互いの熱を映すように何度も深く重ね合った。そして甘い吐息と共に紡がれる愛の言葉に、どうしようもないほどに胸を熱くさせた。
シーツの合間から覗く上半身にはその外見からは想像もつかないほど、意外にも固い筋肉が付いていて、その逞しい胸に抱き寄せられれば、触れる箇所から強く男を感じされ、ドキドキする気持ちが止まらなかった。
優しく、逞しく、強く自分を求められ、終始幸せ感に浸って熱い熱に翻弄された。
昨日のことを思い出せば、冷めるどころか更に顔に熱が集まってしまい、一旦忘れよう! と思いシーツを頭まで被って顔を隠せば、隣からクスクスと、面白くてたまらないという笑い声が聞こえた。
ガバッとシーツから顔を出せば、目を開けてこっちを愛おしそうに見るエルストと目があう。
「あ、お、おはようございます」
「おはよう。身体は大丈夫?」
とろけそうな視線を向けながらそう言われ、思わず俯いてしまう。
「だ、大丈夫です」
「本当に? だいぶ無理させちゃったからね」
下から覗き込むようにして心配そうな顔を向けられる。
心配してくれるのも、優しくしてくれるのも、とっても嬉しいんですが……でも! 恥ずかしいです!!
恥ずかしさに耐えられなくなり視線をさまよわせれば、ふとエルストさんの視線が私の顔ではなく、じっと私の胸を見つめていることに気づいた。
見つめられている視線の先には赤く咲く情事の跡が散りばめられており、その中でより一層赤く満開に咲き誇る花びらがあった。
もしかして、この花を見ているの……?
「この花、昨日、赤く色づきました」
エルストの顔を見上げれば、目を細め優しい微笑みを浮かべていた。
「こんなにも、花を美しいと感じたことは生まれて初めてです。あなたの白い肌に良く映えます」
赤い花びらの上を長い指でツーっと形を縁取るようになぞられれば、そこから甘い痺れが身体全体に広がっていった。
「んっ、」
鼻から漏れる甘さを含んだ吐息が、部屋の雰囲気を一気に甘く淫らなものに変えていった。
腕を引き寄せられ唇が重なる。
「もう少しだけ……」
再び始まる甘い時間に身体をほてらせ、一緒にシーツの波に身体を沈めた――。
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