5 / 16
くすぐったさで聖性さえ降臨するようです
しおりを挟む
部屋の空気が、まるで祈りの場のように澄みきっていた。
かすかなアロマと柔らかな照明。茜はベッドに身を横たえたまま、もう何度目かもわからない笑いの波に包まれていた。
彼女の瞳は潤み、頬は紅潮し、唇はくすぐったさに震えている。けれど、その顔にはどこか、やすらぎと陶酔の色が浮かんでいた。
「茜さん、少しだけ、深いところへ――まいりましょうか」
佐伯の静かな声に、茜はこくりと小さくうなずいた。
それを合図に、池尾と佐伯は、まるで舞を始める巫女のように動き始める。
池尾の手は右足首からふくらはぎを経て、内腿へと滑る。まるで絹の布を撫でるように優しい。
そしてその途中――膝裏のくぼみに、指先をそっと忍ばせた。
「くふっ……ひゃぁっ……あはっ、そこ……あぁ、だめ、ふふふ……!」
笑いが跳ねる。
けれどその笑いはもはや抵抗ではない。ただ純粋な感情の吐露――
心の奥底に沈んでいた抑圧された感情が、笑いというかたちで花開いていく。
一方、佐伯の手は左足の指先にある。一本一本、指の間に細い筆のような指を通し、くすぐるというよりも「ひらいていく」。
まるで茜の心を、花びらのようにそっと開くように。
「指と指の間ってね、たくさんの感覚が交差するの……心が、思い出す場所なのよ」
「ふふっ、くすぐったい……っ! でも、やだって思えない……!」
佐伯が親指で茜の足指の付け根をくるくると撫で、同時に池尾が膝裏から太腿の付け根へと指を滑らせる。
上下で包み込むように、甘く、確実に、彼女の快感を育てていく。
そしてそのときだった――
池尾が、足の裏の中央、土踏まずにそっと唇を近づける。
吐息すらくすぐったいその場所に、ふっと息を吹きかけ、舌先で円を描くように舐める。
「ひゃぁぁあああっ……!!」
茜の身体が跳ね上がる。
それは衝撃のような快感だった。
脳の奥がじんじんと震え、息を吸うことすらできないほどの、全身が“くすぐったさ”に呑み込まれる。
そして――
「ふふっ……ふあぁっ、あはははっ、も、だめぇっ……なにも、なにも考えられないのっ……!」
涙が頬を伝い、声が震え、身体は笑いに支配される。
だが、その姿は決して苦しげではない。
まるで――
幸せを謳う聖女のように、神聖で、美しかった。
池尾と佐伯はその美しさに気圧されながらも、そっと手を止めない。
笑いを、くすぐったさを、茜の内奥にまで染み込ませる。
笑いが涙に変わるまで。
くすぐったさが、癒しとなって完全に彼女を包むまで。
やがて――
茜の身体はゆっくりとベッドに沈み、深い深い呼吸を繰り返す。
「……ありがとう、ございます……なんだか、全部……洗い流されたみたいで……」
囁くようなその言葉に、佐伯はそっと茜の髪を撫で、池尾は微笑んだ。
「こちらこそ、ありがとう。全てを預けてくれて」
その夜。
茜の笑い声は、誰よりも美しく、誰よりも癒された魂の証となって、静かに消えていった――。
かすかなアロマと柔らかな照明。茜はベッドに身を横たえたまま、もう何度目かもわからない笑いの波に包まれていた。
彼女の瞳は潤み、頬は紅潮し、唇はくすぐったさに震えている。けれど、その顔にはどこか、やすらぎと陶酔の色が浮かんでいた。
「茜さん、少しだけ、深いところへ――まいりましょうか」
佐伯の静かな声に、茜はこくりと小さくうなずいた。
それを合図に、池尾と佐伯は、まるで舞を始める巫女のように動き始める。
池尾の手は右足首からふくらはぎを経て、内腿へと滑る。まるで絹の布を撫でるように優しい。
そしてその途中――膝裏のくぼみに、指先をそっと忍ばせた。
「くふっ……ひゃぁっ……あはっ、そこ……あぁ、だめ、ふふふ……!」
笑いが跳ねる。
けれどその笑いはもはや抵抗ではない。ただ純粋な感情の吐露――
心の奥底に沈んでいた抑圧された感情が、笑いというかたちで花開いていく。
一方、佐伯の手は左足の指先にある。一本一本、指の間に細い筆のような指を通し、くすぐるというよりも「ひらいていく」。
まるで茜の心を、花びらのようにそっと開くように。
「指と指の間ってね、たくさんの感覚が交差するの……心が、思い出す場所なのよ」
「ふふっ、くすぐったい……っ! でも、やだって思えない……!」
佐伯が親指で茜の足指の付け根をくるくると撫で、同時に池尾が膝裏から太腿の付け根へと指を滑らせる。
上下で包み込むように、甘く、確実に、彼女の快感を育てていく。
そしてそのときだった――
池尾が、足の裏の中央、土踏まずにそっと唇を近づける。
吐息すらくすぐったいその場所に、ふっと息を吹きかけ、舌先で円を描くように舐める。
「ひゃぁぁあああっ……!!」
茜の身体が跳ね上がる。
それは衝撃のような快感だった。
脳の奥がじんじんと震え、息を吸うことすらできないほどの、全身が“くすぐったさ”に呑み込まれる。
そして――
「ふふっ……ふあぁっ、あはははっ、も、だめぇっ……なにも、なにも考えられないのっ……!」
涙が頬を伝い、声が震え、身体は笑いに支配される。
だが、その姿は決して苦しげではない。
まるで――
幸せを謳う聖女のように、神聖で、美しかった。
池尾と佐伯はその美しさに気圧されながらも、そっと手を止めない。
笑いを、くすぐったさを、茜の内奥にまで染み込ませる。
笑いが涙に変わるまで。
くすぐったさが、癒しとなって完全に彼女を包むまで。
やがて――
茜の身体はゆっくりとベッドに沈み、深い深い呼吸を繰り返す。
「……ありがとう、ございます……なんだか、全部……洗い流されたみたいで……」
囁くようなその言葉に、佐伯はそっと茜の髪を撫で、池尾は微笑んだ。
「こちらこそ、ありがとう。全てを預けてくれて」
その夜。
茜の笑い声は、誰よりも美しく、誰よりも癒された魂の証となって、静かに消えていった――。
0
あなたにおすすめの小説
👨一人用声劇台本「寝落ち通話」
樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
彼女のツイートを心配になった彼氏は彼女に電話をする。
続編「遊園地デート」もあり。
ジャンル:恋愛
所要時間:5分以内
男性一人用の声劇台本になります。
⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠
・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します)
・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。
その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。
ブラック企業を退職したら、極上マッサージに蕩ける日々が待ってました。
イセヤ レキ
恋愛
ブラック企業に勤める赤羽(あかばね)陽葵(ひまり)は、ある夜、退職を決意する。
きっかけは、雑居ビルのとあるマッサージ店。
そのマッサージ店の恰幅が良く朗らかな女性オーナーに新たな職場を紹介されるが、そこには無口で無表情な男の店長がいて……?
※ストーリー構成上、導入部だけシリアスです。
※他サイトにも掲載しています。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる