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41 兄は決めた!
「私は落ち着いているぞ。なあメッキス卿!私が領地に引っ込んだら夏に避暑に来てもいいぞ。深ーい池があるのだ、落ちたら浮かび上がることはないと言われているほど深いがとても美しい池でな、そこで釣りをさせてやろう」
美しい顔でとてつもなく悪いことを言ったメルトニウスだが、焦りまくっているメッキス大臣はまったく気づかない。
「いや、駄目だ!そういうことじゃない!おまえは歴代最高の騎士団長と言われる男だ。領地経営だけなんて宝の持ち腐れではないか!あれほど研鑽を積み、若くして騎士団長まで登りつめたというのに!誰もが手にできるわけではないのだ、捨ててはいかん」
「ふんっ!宝の持ち腐れなどではまったくない!騎士団長ももう飽きた。強くなりすぎてまともに相手になる者もいないのだから、これ以上研鑽する意味もないしな。
領地領民のためにこの身を捧げるのは貴族として生まれた者の責務だろう?それを全うすることにする」
心が決まったメルトニウスは清々しい顔をしているが、メッキス大臣はこの後に起きるだろう騒動を思い青褪め、いやその顔色は既に土色と化していた。
「なあ、本当に夏になったら避暑に来ると良いぞ、陛下とともにな。釣りをさせてやる」
一生懸命に宥めようとするメッキス大臣の声を無視し、メルトニウスはくすくすと悪い笑みを浮かべながら帰って行った。
メッキス大臣が、騎士団長辞職の責任が自らに波及する前に自分も辞めねばと焦っていた頃。
屋敷に戻ったメルトニウスは、執務室に父を訪ねて言った。
「父上、話があります」
「なんだ?熱り立っているようだが」
「私は騎士団を辞めます!」
「な、なんだいきなり、何があった」
メルトニウスは城であったことをライザックに話した。
「なんと!サレンドラもバカにされたものだ」
「ええ、ですから騎士団を辞めて父上の補佐にして頂こうと思っています。よろしいですよね?」
「え?いきなりか?」
「無職で暫く遊んでもよろしいのですか?」
「んー。ん?そうだ!公爵補佐でよい。公爵補佐として最初の仕事を任せる。私の代わりに社交を、そして一日も早くコレという女性を見つけてこい」
にやあと笑う父に、チッと舌打ちをする息子。
しかしメルトニウスも否とは言わない。
「そうですね、そろそろ考えてもよい頃だ。わかりました、騎士団を辞めたら社交は私が担い、次期公爵夫人を探し出しましょう」
「ああ、そうしてくれたらどれほど心休まることか。では早速ミラとリイサにも報告しよう」
そうしてメルトニウスはあれほど心血を注いでいたにも関わらず、騎士団の皆が平伏して足に縋り付くのを振り払い、引き継ぎを終えると本当にあっさり辞めてしまった。
以来、きっかけとなったメッキス財務大臣、そして表立っては誰も口にしないが、メルトニウスに三行半をつきつけられた国王に対し批判の目が向けられるようになる。
「王国最高の淑女を愚かな息子が、王国最高の剣と呼ばれる騎士を愚かなその父が手折った」
実際のところメルトニウスは手折られてはいないが、国王の批判派にとって味方を得やすい謳い文句とされてしまう。
小さな囁きから始まったそれはいつしか大きなうねりとなり、国王は早く退位してガルシア王子が即位すべきと考える貴族が増え始めたのだった。
美しい顔でとてつもなく悪いことを言ったメルトニウスだが、焦りまくっているメッキス大臣はまったく気づかない。
「いや、駄目だ!そういうことじゃない!おまえは歴代最高の騎士団長と言われる男だ。領地経営だけなんて宝の持ち腐れではないか!あれほど研鑽を積み、若くして騎士団長まで登りつめたというのに!誰もが手にできるわけではないのだ、捨ててはいかん」
「ふんっ!宝の持ち腐れなどではまったくない!騎士団長ももう飽きた。強くなりすぎてまともに相手になる者もいないのだから、これ以上研鑽する意味もないしな。
領地領民のためにこの身を捧げるのは貴族として生まれた者の責務だろう?それを全うすることにする」
心が決まったメルトニウスは清々しい顔をしているが、メッキス大臣はこの後に起きるだろう騒動を思い青褪め、いやその顔色は既に土色と化していた。
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一生懸命に宥めようとするメッキス大臣の声を無視し、メルトニウスはくすくすと悪い笑みを浮かべながら帰って行った。
メッキス大臣が、騎士団長辞職の責任が自らに波及する前に自分も辞めねばと焦っていた頃。
屋敷に戻ったメルトニウスは、執務室に父を訪ねて言った。
「父上、話があります」
「なんだ?熱り立っているようだが」
「私は騎士団を辞めます!」
「な、なんだいきなり、何があった」
メルトニウスは城であったことをライザックに話した。
「なんと!サレンドラもバカにされたものだ」
「ええ、ですから騎士団を辞めて父上の補佐にして頂こうと思っています。よろしいですよね?」
「え?いきなりか?」
「無職で暫く遊んでもよろしいのですか?」
「んー。ん?そうだ!公爵補佐でよい。公爵補佐として最初の仕事を任せる。私の代わりに社交を、そして一日も早くコレという女性を見つけてこい」
にやあと笑う父に、チッと舌打ちをする息子。
しかしメルトニウスも否とは言わない。
「そうですね、そろそろ考えてもよい頃だ。わかりました、騎士団を辞めたら社交は私が担い、次期公爵夫人を探し出しましょう」
「ああ、そうしてくれたらどれほど心休まることか。では早速ミラとリイサにも報告しよう」
そうしてメルトニウスはあれほど心血を注いでいたにも関わらず、騎士団の皆が平伏して足に縋り付くのを振り払い、引き継ぎを終えると本当にあっさり辞めてしまった。
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感想 5
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