落ちこぼれ[☆1]魔法使いは、今日も無意識にチートを使う

右薙光介

文字の大きさ
18 / 177
2巻

2-2

しおりを挟む
 俺と同じ魔法使いで、『星』のアルカナを宿す少女。ミントの双子の妹でもある。
 この少女との出会いこそが、俺の人生の大きな転機だったように思う。

「……ああ、いや。領都に戻ってきたはいいけど、それはそれで心配事がね……」
「お友達のこと?」
「ああ。リック達はもう『エルメリア王の迷宮ダンジョン』に入っているみたいだから」
「大丈夫、アストルも入れるよ。すぐ、追いつける」

 ユユが笑みを浮かべて、俺のひざをポンポンと叩いてはげましてくれる。
 俺が心配しているのはそこじゃないものの、心遣こころづかいは素直すなおうれしい。

「ま、これでアストルを拒むんなら、拠点をクシーニに移せばいいだけだ」

 軽い調子で笑うエインズに、レンジュウロウが頷き返す。

しかり。それに、クフィーチャからは必ず戻って来いと念を押されておるしな」

 実力至上主義の強いクシーニでは、たった一ヵ月で三つの小迷宮レッサーダンジョンを攻略した俺達の帰還をしむ声がそれなりにあった。
 クシーニの冒険者ギルドの女主人――クフィーチャには〝主迷宮メインダンジョンの攻略もパパッとしていったらどうだい〟などと冗談か本気かわからない誘い文句で引き留められたが、まずは当初の目標である『エルメリア王の迷宮ダンジョン』に向かいたいことを伝えると、彼女は笑って送り出してくれた。
 他にも何人かの馴染なじみとなった冒険者達は、俺が☆1と知っても変わらぬ態度で接してくれたこともあって、クシーニは俺にとって思いのほか居心地のいい場所であったように思う。
 母と妹はともかくとして、俺が住むならあの町の方が合っているかもしれない。

「そういえば、アストルよ。忍術は使えるようになったのか?」
「ああ……練習がかなり必要でしたよ」

 レンジュウロウが〝ほう〟ときばを見せながら口角こうかくり上げる。
 狼人コボルト族である彼の笑顔はいささか物騒ぶっそうだが、最近は慣れてきた。

「ただ……実戦で使える気がまったくしませんよ」

 東の最果て『イーストエンド』にあるレンジュウロウの故郷、『ヤーパン』に伝わる特殊な魔法『忍術』。
 独特の文化体系を持つかの国の魔法は、俺達が使う魔法とはまったく系統が違うため、この魔法技術の修得にはかなりの根気と修練が必要だった。
 特に、『いん』と呼ばれる手指しゅしによる動作と特別な精神集中法が複雑極まりない。
 当初は何故なぜこんな迂遠うえんな発動式にするのか不思議だったが、チヨのような東方の斥候スカウト――『忍者』と呼ばれる――にとっては、移動しながら静かに魔法を発動する技術が必須だったらしい。
『ユニークスキル』の【反響魔法エコラリア】の効果によって、俺の魔導書には〈火遁かとんの術〉やら〈雷遁らいとんの術〉といった忍術が書き込まれたものの、『印』を結ぶのがなかなか難しくて発動するのにずいぶん手間がかかった。
 手先の器用さにはそれなりに自信があったのだけど……
 だが、おかげでユユ達のような普通の魔法使いが無詠唱を獲得する困難さを解決するヒントが見えてきた。研究すれば面白おもしろいかもしれない。

「アストル様は大変覚えがよろしかったので……もしかすると、『巫術ふじゅつ』や『陰陽術おんみょうじゅつ』も修得できるかもしれませんね」

 俺に忍術を指南してくれたチヨが微笑する。

「興味はあるけど……東の最果てイーストエンドは遠いなぁ」
「アストル、それよりも先に、まずは故郷、でしょ?」

 ユユがわきをつつく。

「ああ、『エルメリア王の迷宮ダンジョン』へ行く前に、一度故郷の村に戻ってくるよ。ちゃんと報告しないとな……」

 決心はしたものの、やはり気は重い。
 俺の故郷は絵に描いたような田舎いなかの村だ。☆1の扱いはすこぶる悪い。
村にも、俺と同じ☆1の人間はいたが、彼らは森のきわにあるて小屋に住むことを余儀なくされ、農業や狩りの雑用として――早い話が村の奴隷どれいとして働いていた。
 ある意味、それはこの世界における正しい☆1の扱いだ。

「大丈夫、ユユもついて行く」

 俺の浮かない表情を見て、ユユが背中をさすってくれる。

「あ、アタシも行きたい! アストルの自慢の妹に会ってみたーい」

 ミントはなんともお気楽な声を上げるが……これでも俺を励ましているんだろう。

「まぁ、ゆっくり羽を休めてこいよ。それと……コレ、やるよ」

 エインズが俺に放り投げたのは、腰にげる根付ねつけストラップだ。
 二羽のはとくちばしにくわえたクローバーを交差させている意匠いしょうが入っている。

「ラクウェイン侯爵こうしゃく家の印章……?」
「ホントに、お前はなんでも知ってるな。まさかとは思うが、宮廷規範やダンスの順番も覚えてたりしないだろうな……」
「ひ、一通りは……?」
「マジか……」

 今となっては宝の持ちぐされだが、一年前の俺は本気で迷宮貴族を目指していた。
 ……つまり迷宮探索の功労で貴族になろうとしていたのだ。
 そうすることで、伯爵令嬢であるミレニアと向き合い、彼女に相応ふさわしい男になろうとした。
 今思うと、とてつもなく傲慢ごうまんな理想だったと思える。
 迷宮攻略はそんな簡単なものじゃないし、ましてや『エルメリア王の迷宮ダンジョン』を自分なら攻略できると考えるなど、おこがましいにもほどがある。

「とにかく、それを持って行けよ。もし故郷でトラブったら、ラクウェイン侯爵家のエインズワース・オズ・ラクウェインにつかえているとでも、嘘ついとけ。大体それでなんとかなる」
「エインズ……助かる」

 エインズは軽い調子で笑っているが、地位の保証は☆1の俺にとってはのどから手が出るほど欲しかったものだ。
 故郷に帰るにあたって、これほどありがたい支援はない。
 ――いずれ返すが、今はありがたくとらを借りさせてもらおう。


 ◆


 パーティが拠点にしているエインズの小屋敷やしきに到着して一息ついた後、俺はエインズとレンジュウロウとともに、冒険者ギルドに顔を出すことにした。
 二人とも今度こそ『エルメリア王の迷宮ダンジョン』へ入るための探索許可を取り付けると息巻いきまいている。
 しかし、久しぶりに足を踏み入れた冒険者ギルドは、なんだか様子がおかしかった。
 妙にうわついた雰囲気ふんいきで、誰も彼もが落ち着きがない。
 ざわつく飲食エリアを横切って奥のカウンターヘ向かい、受付のナナミに問いかける。

「ナナミさん、何かあったんですか?」
「あ、アストル君、帰ってきたのね。それが……今ちょっとめててね」
「揉めてる?」
「えぇ。なんでも、予備学校の生徒がダンジョンから帰ってきていないそうなのよ」

 言葉を聞いた瞬間、嫌な予感が脳裏をよぎる。
 迷宮に挑む限り、死の危険は常にある。ダンジョンから誰かが帰ってこないことなど……この町では日常茶飯事にちじょうさはんじだ。
 だからと言って、気にならないわけではない。
 行方ゆくえ不明になったのが顔見知りでないことを祈るしかないが、こういう時の嫌な予感というのは、得てして絶望を運んでくるものだ。

「……それで、何を揉めてるんだ?」

 押し黙った俺の代わりに、エインズがナナミにたずねた。

「今、ギルドマスターとバーグナー伯爵が会談していますが……冒険者ギルドに捜索そうさくを強制しているようなんです」
「あん? 依頼でも要請ようせいでもなく……強制だと?」
「ええ、第七等級以上の冒険者全てを指定して、今すぐダンジョンへ救助に向かえとおっしゃるんですよ」

 隣で聞いていたレンジュウロウがあきれ顔で肩をすくめる。

「なんたる横暴おうぼう暗愚あんぐとは思っておったが、そこまでとは思わなんだ」
「最近の管理局のめ付けのせいで冒険者側にも鬱憤うっぷんがたまってて……依頼や要請だと危険な下層区域まで行く人がいなかったんですよ。それで集団指定依頼に切り替えてきたみたいで……」

 ナナミがため息交じりに応えたその時――
 大柄おおがらな男が、怒声を上げながら扉を蹴破る勢いで奥の部屋から出てきた。

冒険者おれたち相手に散々嫌がらせしておいて、娘が帰ってこねぇから危険区域に向かえってか!? ダンジョンめんなよ!」

 ガデスがほこるトップクラスの冒険者、〝鋼鉄拳こうてつけん〟ガッツさんだ。

「ダンジョン税の引き上げや、探索申請の却下きゃっか、魔法使いの強引な引き抜き……そこまでしておいて、今度は命までけろとは……がたいですね」

 ガッツさんの後に続くのは、短くり込んだ銀髪の冒険者。
 確か彼も、ガッツさんと同じ第三等級の冒険者のはずだ。
 それよりも、さっきの会話の内容が引っ掛かる。
 気になって視線を向けていると、怒り心頭しんとうといった様子で建物の出口に向かって大股おおまたで歩くガッツさんと目が合った。

「お、治癒屋、久しぶりだな」
「ガッツさん。誰が、帰ってないんですって……?」
「伯爵様の娘だとよ」

 ミレニア……!
 くそっ! 悪い予感というのは、どうしてこうも当たるのか……

「……詳しく!」
「お? おう……」

 迫る俺に少したじろぎながらも、ガッツさんは仔細しさいを説明してくれた。
 伯爵からもたらされた情報によると、ミレニア達は実地訓練のためにダンジョンへと向かい、中階層である地下十五階層で消息を絶ったらしい。
 当然、すぐさまバーグナー伯爵お抱えの調査団による救助が行われたものの、発見にはいたらなかった。
 代わりに、最近発動した形跡のある落とし穴シューターが見つかったそうだ。

「地下十五階層に部屋を丸ごとみ込む落とし穴シューターがあるってのは、冒険者おれたちにとっちゃ割と有名な話だ。その行先もな」

 その話は、まだ『エルメリア王の迷宮ダンジョン』に入ってすらいない俺でも知っている。
 落とし穴シューターの行先は地下二十四階層。
 今攻略されているのが二十八階層までなので、攻略最前線に近い下層区域だ。
 はっきり言って、とてもじゃないが、ダンジョンに潜って一ヵ月やそこらの新米調査団員が無事に脱出できるような場所じゃない。

「誰も動かねぇよ。俺様だって、あの辺りはヤベェんだ……」
「私とガッツのパーティでも怪我人を抱えて戻るには危険すぎます。そもそも、生きているかどうかも怪しい」

 第三等級冒険者二人の話を聞いているうちに、冷や汗が出て、目の前が薄暗くなっていく。
 ミレニアが死んでいるかもしれないという可能性に、心がきしむ。

「アストル、おい、大丈夫か」
「治癒屋……顔色わりぃぞ」

 エインズとガッツさんに揺さぶられ、遠のきかけた意識が戻ってくる。

「ああ、大丈夫……大丈夫だ。ガッツさん……他に情報は? 救助に行けそうな人は?」
「貴族ばっかりで組んだパーティらしいから、野営や安全確保の知識も怪しい。救助に行ったところで無駄足どころか、冥界めいかいに足をとられる可能性の方がたけぇ。……たとえ等級を落とすことになっても、俺様は指名を受けねぇぞ」

 ガッツさんの隣にいた銀髪の男性もそれに頷いて同意する。

「私も同意見です……というか、ここにいる冒険者のほぼ全てがそうでしょう」

 必死に考えを巡らせる。
 エインズ達と一緒に冒険して思い知らされたが、バーグナー公式調査団の冒険者としての能力はそれほど高くはない。
 下層区域まで行って、ミレニアを助けることはまず無理だろう。
 頼りのハイランク冒険者達も引き受けを拒否するとなれば、救助はほぼ絶望的だ。
 扉の奥からは、バーグナー伯爵のわめき散らすような怒声が漏れ聞こえてくる。
 いずれも高圧的で命令口調のそれが、この場にいる冒険者の心証しんしょうをさらに悪くしているとは気がつかないようだ。
 在学中は気にもめなかったが、レンジュウロウの言う通り、暗愚な人物に思えてきた。

「これはギルドマスターと話せる状況じゃねぇな、出直すか」
「うむ」

 エインズとレンジュウロウに肩を掴まれ、俺はなかば引きずられるようにギルドを後にした。


 確かとは言えない足取りでエインズの小屋敷に戻った俺は、目の前に出された茶に口もつけずになやんでいた。
 椅子に座ったまま思案をめぐらせるが、考えても考えても、ミレニアを助けられる手立てが思い浮かばない。
 そんな俺に、エインズが普段と同じように問いかける。

「で……どうする? アストル」
「どう、とは……」

 唐突な質問に、俺は言葉を失う。

「あの娘を助けに行きたいのか、行きたくないのか」
「……ッ!」

 それは当然、行けるものなら行きたい。
 当たり前だ。
 だが……しかし。
 それは簡単に口にできる言葉ではない。
 手段がない。
 第三等級冒険者が二の足を踏むようなダンジョンの深層へ、どうやって行くというのか。
 そもそも、俺にはいまだに探索許可が下りてないのだ。

「何を迷っておる」

 レンジュウロウがにやりと口角を上げる。
 エインズも、真剣ながらも〝答えは決まっているのだろう?〟といった顔だ。



 ――そう、答えは出ている。


「助けに、行きたい……! 力を貸してくれ」

 俺の言葉に、二人は力強く頷いた。


 ◆


「アストル、他に必要な物は?」
「えぇと、造血剤も栄養剤も持ったし、食料も入るだけ詰めた……あとは……」

 冒険者通りの露店をユユと回りながら、『エルメリア王の迷宮ダンジョン』突入の準備を急ピッチで進める。
 露骨ろこつに焦る俺の手を、ユユが握った。

「落ち着いて。きっとお友達は、無事だから」
「ああ……すまない」
「大切な、お友達なんでしょ? ユユも頑張るから、紹介してね」

 ユユがそうやってふわりと笑うと、少し気が楽になってきた。
 本当に、彼女には頭が上がらない。

「じゃあ、あとは解毒薬アンチドーテかな」

 ユユはそう呟くと、俺の手を引いて薬品関連の店の多いつじへと導いた。


 ――さかのぼること数刻。
 エインズの呼びかけで、すぐに全員がリビングに集まった。
 今回のことを事細かに説明したエインズは〝オレとレンジュウロウはアストルに同行する。お前らはどうする?〟と問いかけた。
 それに、ユユとミント、それにチヨは逡巡しゅんじゅんすることなく〝一緒に行く〟と頷いた。
 さも、当たり前のことであるかのようにだ。
 これは依頼でもなんでもない。
 俺の個人的なわがままだ。
 こんな危険に付き合う必要はない。
 俺は確認の意味も込めてそう話したが、姉妹は首を横に振って応えた。

「だって、アストル……一人でも行っちゃうでしょ?」
「だよねぇ~。……もう目がそう言ってるもん」

 ユユとミントはよく似たやわらかな笑みを浮かべ、俺をはさみ込むように抱擁ハグした。

「大丈夫、だよ」
「アストル一人で行かせたりしないからね!」

 二人のぬくもりが、鼓動こどうが、伝わってくる。

「よし、じゃあ、とっとと段取りを始めんぞ。チヨさん、レンジュウロウと一緒に情報収集を。俺はギルマスと伯爵に手を回してくる。ユユとアストルは備品の補充。ミントは……留守番るすばんだ」
「えー、なんでアタシだけー?」
「家に誰もいねぇと、誰か来た時こまるだろうが。明朝突入するから、今日は早めに休む。……食事の準備を頼むわ」

 エインズはてきぱきと指示を飛ばし、合図とばかりに手をたたく。

「作戦は夕食時に話す。とにかく、今は急いで準備だ」

 そう言い放つと、エインズは大股でリビングを去っていった。

「ワシとチヨも行く。十五層までの準備はユユに任せて大丈夫だ」
「わかりました。俺のわがままに付き合わせてしまって、すみません」
「なに、バーグナーに貸しを作っておくのも悪くない。おぬしはお主の目的のために、注力せよ」

 俺の肩をポンと叩いて、レンジュウロウとチヨが小屋敷を出ていった。

「じゃ、アストル。行こ」

 ユユが俺の手を引く。
 ミントは手を振りながらも、未練がましくほおふくらませる。

「いいなぁ、アタシもアストルの買い物に行きたーい」
「今回の件が終わったら、いくらでも付き合うよ」
「……! 約束よ?」

 一転して屈託くったくのない笑みを浮かべるミントに見送られ、俺とユユも冒険者通りに大急ぎで向かったのだった。


解毒薬アンチドーテも買ったし……ん、これで大丈夫。地下十五階層はユユ達も行ったことがある」
「その、向かうのは地下二十四階層だろ……? そこまではどうやって行くんだろう」
「たぶん、落とし穴シューターを使うんだと思う、よ?」

 なるほど。それならば、ミレニア達との合流も比較的容易だろう。
 確かにそれが手っ取り早い。
 しかし、そこから地上まで俺達の実力で上がっていけるかは、はなはだ疑問だ。
 現在の俺のレベルは、☆1上限値の50。
 三つの小迷宮レッサーダンジョンを攻略したことで、あっという間に上限値に達してしまった。
 冒険者としては一人前と言えるが、迷宮攻略の最前線に行けるレベルではない。

「エインズは『エルメリア王の迷宮ダンジョン』に慣れている。きっと何か作戦があるはず」

 俺の不安をかき消すように、ユユが握ったままの手に力を込める。
 いつだって、ユユはこうやって俺を引っ張ってくれる。

「ああ、そうだな。エインズリーダーを信用しよう」


しおりを挟む
感想 6,787

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

私が死んで満足ですか?

マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。 ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。 全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。 書籍化にともない本編を引き下げいたしました

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた

きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました! 「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」 魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。 魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。 信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。 悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。 かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。 ※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。 ※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。