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出会い
しおりを挟む私は優秀だと言われる私立の中学校に通っている。
裕福な家庭で育ち、友人も多くそこそこ人気のある、という充実している不自由もない、むしろ幸せと言われるであろう生活を送っている。
他人からの私の評価は
"容姿端麗で成績優秀なお嬢様"。
誰もが憧れることもあるだろうこの評価が、私は嫌で嫌でしょうがなかった。
これらは真実でもあり、嘘でもあるのだ。
会社での経営者と会う立場でのストレスや、体の調子の悪さから精神病を患ってしまった両親は成績や見た目にとても厳しく、それに対しコンプレックスを抱える私は苦しい思いをしながら毎日を過ごしていた。
友人達は愚か、私達家族三人しか知らないこの事実。
好きでもない言葉を吐き、過保護な親に毎日夜中まで意味もなく怒られ、生活リズムが崩れることもあってか毎日尋常じゃない孤独とプレッシャーに押しつぶされそうになっていた。
充実しているであろうこの毎日も所詮はニセモノなのだ。
こうして私は繰り返される日々に絶望し、学校に行っても授業をサボりただぼーっとするということが多くなってきてしまっていた。
そんな時、私は彼に出会った。
今から約半年前の6月20日。
いつになく落ち込み、絶望しきっていた私は 少しだけなら、と丁度目に入ったカフェに入ってみることにした。
本当の本当に気まぐれだった。
「いらっしゃいませ。空いてる席へどうぞ」
優く微笑まれた私は一瞬固まった。
なんて、綺麗な笑顔なんだろう
ありきたりな表現だけれど、世界が輝いて見えた。今までの落ちた気分が嘘だったかのように。
なんでかはわからない。綺麗で整った美しい顔はしているが、そんなことではない。
私は今初めて出会ったこの人に、なんで心を、体をこんなにも動かされているのだろうか...
ハッとして歩みだし、丁度目に入った近くの席に座り、注文をする。
「失礼します。ご注文どうぞ」
「抹茶ラテ1つお願いします」
「かしこまりました。少々お待ちください」
また微笑む貴方。
とても綺麗で魅力的な笑顔。
これは、私に向けている笑顔ではなく営業のための笑顔だと、分かっている。
貴方は親しい人と話す時はどんな顔をして、どんな話し方をしているの?
どんなものが好きなのだろうか。
出会ったばかりの何も知らないあなたのことを知りたいと強く思った。
だってあなたは一瞬で私の世界を変えてしまったから。
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