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篠崎彩奈
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高校時代、1年から3年までずっと同じクラスだった篠崎彩奈は、私は嫌いだった。
「なんとかいいなさいよ!」
放課後、部室の中でユニフォームを脱がされ、下着姿で震える彩奈を見ては笑っていた。
共学とは言え、もともと女子校だったから男子生徒が少なく各クラスにひとりいた男子生徒からしてみれば、ハーレムに近かったのだろうが···
「ごめんなさい。許して···」
練習の後片付けに少し遅れただけで、私を含む女子数人は、何かしら彩奈を苛めては楽しんでいた。
「愛莉、どうする?こいつ、許して欲しいって」
彩奈を取り囲んでたひとりが、私にそう言った。
「んー、どうしよっかなぁ?」
先に制服に着替えた私は、携帯を見ながら笑った。
「彩奈?許して欲しい?」
「う···ん」
秋の始まりとは言え、締め切った部室の中はかなり暑い。
「じゃ、さ···裸になっちゃおっか?暑いし···」
「え?」
周りの女子は、一様に笑いながら、彩奈を見下ろす。
「彩奈は、可愛いからさ。脱いでるとこ撮ってあげる···」
彩奈の傍にいた女子に目配せをすると、二人は両脇から彩奈を抑え···
シャキッ···
「これ、なんだと思う?」
家庭科で新しく注文した和鋏を目の前に翳す。
「ハサ···ミ」
ふふっ···
シャキンッ···ジョキッ···ジョキッ···
「や···」
彩奈が、身につけていたブラを両端から切っていくと、形のいい双山が見え、
「彩奈って、胸おっきいんだね···」
色々な角度から動画を撮り、
ジョキッ···ジョキッ···
ショーツを切ると真っ黒な三角地帯が見えた。
「こいつ、こんなんなんだ···」
「足、開かせて···」
「いや···やめて···」
嫌がる彩奈を床に押し倒し、広がった足から順にゆっくりと秘密の丘を撮影していった。
「お願い···やめて···」
「うん。やめてあげる。さっ、帰ろ!」
高らかに笑いながら、部室を出た私は他の子と一緒に帰宅し、誰もいない家で動が編集をしてから、“IMAGINE”という動画サイトに先程撮影した彩奈の動画をあげた。
それから三日程して、彩奈は顔にアザをつけて登校し、廊下から教室を覗いてる男子数人がニヤニヤしていた。
彩奈に対する苛めは、収まる事もなかったが大事になる事もなく続き、卒業する前日まで続いた。
※ ※ ※
「へぇ。そっか、あれからお父さん亡くなったんだ···」
「うん。ちょうど母の三回忌の翌日にね」
彩奈が、営業部に来てやっと一ヶ月になった週末。
「大変だったね。じゃ、いまはひとり?」
「そ···。だから、あっちの実家を売って貰って、こっちに来たら···」
「じゃ、食べよ食べよ!あー、お腹空いちゃった」
ひとり暮らしをして、少しは料理が出来るようにはなったが、
「美味しいっ!!え?なにこれ!」
彩奈の方が、俄然料理とかは上だった。
「なにって、ふくさ煮だけど?高地さんだって、食べたことあるでしょ?」
「そうだけど···。富さんが作るのより美味しいから」
富さんは、実家でお世話になっている家政婦さん。私が産まれる少し前から同じ敷地で暮らしてる。
「でも、ほんとに教えてくれるの?メイク。私、そんな持ってないし」
「だーいじょうぶよ!メイク用品ならたくさんあるから!!きれいにしたら、彼氏だって出来るから」
(本当に出来るかは知らない。過去が過去だから···)
夕飯を終え、交代交代でお風呂に入った。
「でも、高地さん。凄いね」
「えぇ?なにが?ほら、ジッとして···」
彩奈の肌にゆっくりと化粧水をはたき、美容液や乳液をパッティングしていく。
「だめよ?ちゃんと、肌のお手入れもしないと」
ろくに手入れをしていないのか、年齢的にはかなりガサガサした感じだったが、下地を付けると滑らかになっていった。
「凄い···。これ、私?」
鏡に映った自分の顔を見た彩奈は、両頬に手を当て、私を見る。
「そうよ。明日は、私エステに行くから、一緒にやってもらおうね!!」
「え、でも、私そんな···」
「大丈夫よ。私が出してあげるから。エステ言って、お洒落して、美味しいもの食べよ!さ、落とすわよ」
彩奈は、目を見開いていたが、化粧を落とすと、また大人しくなっていった。
彩奈がベッドを嫌がるから、ふたりで布団を並べ、深夜まで女子トークを楽しみ眠りについた···
※ ※ ※
「······。」
(驚いてる、驚いてる···)
エステに行って、エステシャンの言われるがまま施行される彩奈は、見ていて面白かった。
「可愛いわよ、彩奈」
(大して変わってないけど···)
「そ、そう?なんか、不思議···」
そんな彩奈を連れて、今度は彩奈が行きそうなショップへ行くものの···
「たかっ!!」
「······。」
(たった5000円のブラウス1枚で?高い?)
「お金の事は、気にしないで···」
「······。」
躊躇する彩奈に似合いそうな服を見繕い、
「大変お似合いですよ···」
その場で、フィッティング購入。
「あ、ありがとうございます」
真っ赤な顔で、頭を下げる彩奈···
「あ、お姉さん。その服、古いから捨てといて」
彩奈が着ていた服の処分をお願いし、
「さ、お腹空いたからご飯食べに行こう」
彩奈の背中を押すように、私は予約しておいたレストランへと向かい、彩奈はその日シンデレラになっていった···
※ ※ ※
バタンッ···
「ふぅっ···。疲れた···」
玄関を開けると仄かに香る薔薇の香りが鼻を擽る。
「あ、着替えないと···」
高地愛莉に言われるがまま、エステに行き、服を買い、今までの生活では絶対に入れなかった高級レストランでの食事···
急いで着替えをし、父や母が眠る小さなご仏壇に手を合わせる。
「父さん?母さん?私ね···」
「なんとかいいなさいよ!」
放課後、部室の中でユニフォームを脱がされ、下着姿で震える彩奈を見ては笑っていた。
共学とは言え、もともと女子校だったから男子生徒が少なく各クラスにひとりいた男子生徒からしてみれば、ハーレムに近かったのだろうが···
「ごめんなさい。許して···」
練習の後片付けに少し遅れただけで、私を含む女子数人は、何かしら彩奈を苛めては楽しんでいた。
「愛莉、どうする?こいつ、許して欲しいって」
彩奈を取り囲んでたひとりが、私にそう言った。
「んー、どうしよっかなぁ?」
先に制服に着替えた私は、携帯を見ながら笑った。
「彩奈?許して欲しい?」
「う···ん」
秋の始まりとは言え、締め切った部室の中はかなり暑い。
「じゃ、さ···裸になっちゃおっか?暑いし···」
「え?」
周りの女子は、一様に笑いながら、彩奈を見下ろす。
「彩奈は、可愛いからさ。脱いでるとこ撮ってあげる···」
彩奈の傍にいた女子に目配せをすると、二人は両脇から彩奈を抑え···
シャキッ···
「これ、なんだと思う?」
家庭科で新しく注文した和鋏を目の前に翳す。
「ハサ···ミ」
ふふっ···
シャキンッ···ジョキッ···ジョキッ···
「や···」
彩奈が、身につけていたブラを両端から切っていくと、形のいい双山が見え、
「彩奈って、胸おっきいんだね···」
色々な角度から動画を撮り、
ジョキッ···ジョキッ···
ショーツを切ると真っ黒な三角地帯が見えた。
「こいつ、こんなんなんだ···」
「足、開かせて···」
「いや···やめて···」
嫌がる彩奈を床に押し倒し、広がった足から順にゆっくりと秘密の丘を撮影していった。
「お願い···やめて···」
「うん。やめてあげる。さっ、帰ろ!」
高らかに笑いながら、部室を出た私は他の子と一緒に帰宅し、誰もいない家で動が編集をしてから、“IMAGINE”という動画サイトに先程撮影した彩奈の動画をあげた。
それから三日程して、彩奈は顔にアザをつけて登校し、廊下から教室を覗いてる男子数人がニヤニヤしていた。
彩奈に対する苛めは、収まる事もなかったが大事になる事もなく続き、卒業する前日まで続いた。
※ ※ ※
「へぇ。そっか、あれからお父さん亡くなったんだ···」
「うん。ちょうど母の三回忌の翌日にね」
彩奈が、営業部に来てやっと一ヶ月になった週末。
「大変だったね。じゃ、いまはひとり?」
「そ···。だから、あっちの実家を売って貰って、こっちに来たら···」
「じゃ、食べよ食べよ!あー、お腹空いちゃった」
ひとり暮らしをして、少しは料理が出来るようにはなったが、
「美味しいっ!!え?なにこれ!」
彩奈の方が、俄然料理とかは上だった。
「なにって、ふくさ煮だけど?高地さんだって、食べたことあるでしょ?」
「そうだけど···。富さんが作るのより美味しいから」
富さんは、実家でお世話になっている家政婦さん。私が産まれる少し前から同じ敷地で暮らしてる。
「でも、ほんとに教えてくれるの?メイク。私、そんな持ってないし」
「だーいじょうぶよ!メイク用品ならたくさんあるから!!きれいにしたら、彼氏だって出来るから」
(本当に出来るかは知らない。過去が過去だから···)
夕飯を終え、交代交代でお風呂に入った。
「でも、高地さん。凄いね」
「えぇ?なにが?ほら、ジッとして···」
彩奈の肌にゆっくりと化粧水をはたき、美容液や乳液をパッティングしていく。
「だめよ?ちゃんと、肌のお手入れもしないと」
ろくに手入れをしていないのか、年齢的にはかなりガサガサした感じだったが、下地を付けると滑らかになっていった。
「凄い···。これ、私?」
鏡に映った自分の顔を見た彩奈は、両頬に手を当て、私を見る。
「そうよ。明日は、私エステに行くから、一緒にやってもらおうね!!」
「え、でも、私そんな···」
「大丈夫よ。私が出してあげるから。エステ言って、お洒落して、美味しいもの食べよ!さ、落とすわよ」
彩奈は、目を見開いていたが、化粧を落とすと、また大人しくなっていった。
彩奈がベッドを嫌がるから、ふたりで布団を並べ、深夜まで女子トークを楽しみ眠りについた···
※ ※ ※
「······。」
(驚いてる、驚いてる···)
エステに行って、エステシャンの言われるがまま施行される彩奈は、見ていて面白かった。
「可愛いわよ、彩奈」
(大して変わってないけど···)
「そ、そう?なんか、不思議···」
そんな彩奈を連れて、今度は彩奈が行きそうなショップへ行くものの···
「たかっ!!」
「······。」
(たった5000円のブラウス1枚で?高い?)
「お金の事は、気にしないで···」
「······。」
躊躇する彩奈に似合いそうな服を見繕い、
「大変お似合いですよ···」
その場で、フィッティング購入。
「あ、ありがとうございます」
真っ赤な顔で、頭を下げる彩奈···
「あ、お姉さん。その服、古いから捨てといて」
彩奈が着ていた服の処分をお願いし、
「さ、お腹空いたからご飯食べに行こう」
彩奈の背中を押すように、私は予約しておいたレストランへと向かい、彩奈はその日シンデレラになっていった···
※ ※ ※
バタンッ···
「ふぅっ···。疲れた···」
玄関を開けると仄かに香る薔薇の香りが鼻を擽る。
「あ、着替えないと···」
高地愛莉に言われるがまま、エステに行き、服を買い、今までの生活では絶対に入れなかった高級レストランでの食事···
急いで着替えをし、父や母が眠る小さなご仏壇に手を合わせる。
「父さん?母さん?私ね···」
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