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14話 私はヒロイン

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学校に帰る道、誰と一緒に帰る?

今回もパレットと行きたい所であったが、彼以外と帰るとどうなるのか探っておくために違う者を選択する事にした。

「ストライクさん」
「何だ?」
「一緒に帰りませんか?」
「俺を誘うとはな、どうやら見る目があるらしい」

こいつも上から目線な発言だが、リンよりは毒がなさそうだ
歩きながら質問していく
大事な事をまずは聞かねば

「私が不勉強な未熟者で申し訳ないのですが……ボウル家を聞いた事がなくて」
「ああ俺の苗字を聞いた事がないのも無理はない、わが国は海を渡るからここまで名前が届いていない」
「そうなんですね」

海ぐらいあるか、この世界
今まで暮らしていたが家から出ていけなかった私にとっては世界の常識も知らないことが多い
元の世界に戻る為にはもっと勉強したほうがいいよね

「我が国では娯楽が発展しているからな、もし来てくれるのであれば退屈はさせないと約束しよう」
「確かに旅行してみたいですね」

嫁に来てくれるならば、という話なのは分かっているが
ここで婚約者がいるのでと言ってもパレットが危ない
ならば必殺『鈍感ヒロイン』である

「……はは、そうだな」

愛レベル1→2
リアルなら鈍感すぎてちょっとひかれるかもしれない
分かるだろってなるけど乙女ゲームの主人公は許されるのだ


学校に戻ってくると何やらざわざわしていた
ゴウホとストライクが近づいて行った

「あら、何かしらね?」
「食堂が随分と騒がしいな」
「お腹すいたわ~」

食堂の人だかりにやってくると

『申し訳ありません!!』
『ふざけんな!はやく飯を食わせろ!』
『いつまで待たせる気!?』

「何があったのでしょうか……?」
『これは聖女様、実は食事を作っている料理人が一人魔物に襲われたようなのです』
「え!?」
『だからといって私たちの食事が作れないなんて、それぐらい気合で作れって感じですよね~』

私がムカついているのはリアル知識持っているからとか関係ないな

「ふむ、つまり食材はあるが料理人はいないのだな?では私が作ろう」
『ぱ、パレット様が料理を!?』
『一国の王子に料理なんてできるのか?』
「料理部の皆が誰一人動いていない事のほうが驚きなのだが?」

部活動に料理部あるんだ

『だって貴族に料理をふるまうのは庶民どもの仕事だろ……?』
「今くだらない会話につきあっている暇はないな」
「パレット様、私も手伝う!」
「ユメカ?」
「野菜の皮むいて切るぐらいはできるから」
「……分かった」

厨房に入れてもらい、芋の皮をむいて切る作業をした
その間にも彼はテキパキと肉やキノコ、ニンジンを切って鍋にいれて
電機はおろかガス式でもないので木を燃やして火をつけている

「よし、出来た」
「……」
「ごめん、遅くなった!」
「いや、助かった」

こうしてできた食事を皆にふるまった

『本当に助かりました』
「いえ、そんな大層な事はしていませんよ」
「あれ、芋の皮すてられてる?」
「へ?」

芋の皮を拾い上げると、パレットに止められた

「……何をする気です?」
「食べる気ですけど」
「私が作ったもの食べなさい!」
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