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31話
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夏の格技室は地獄のようだ。建物が日差しに晒されて、中の温度は外よりも暑い。毎日ドアを開けた途端に暖かい空気に迎えられる。
直射日光よりマシ。室内スポーツ組はそう言ってサウナのような屋内に入っていく。
窓という窓を全開にして少しでも空気を入れ替えるけど、熱された屋根や壁が際限なく熱を放出してくるので暑さはほとんど変わらない。
私たちは夏休みの間は午前中を中心に練習を設定している。格技室が少しでも暑くない時間帯を狙っているからだ。午後はトレーニングルームで筋トレや体力作りをする。
午前の練習が終わると、私も咲来も汗だくになっていた。
「このTシャツまた絞れるよ、ほら!」
Tシャツの裾を絞ると脱水前の服みたいに水分が出てくる。練習は適宜休憩を入れているけど、さっき絞ったのにまた絞れるようになっている。替えのシャツをもう少し多めに持ってきた方がいいかもしれない。
「格技室今日も暑かったね。あー、外の風気持ちいい」
暑さで顔を赤くした咲来がうちわでぱたぱたあおぎながら外に出てきた。日本拳法では防具を付けるのでこれより暑いらしく、想像するだけで倒れそうだ。
格技室の近くにはプールがある。練習後はこのままプールにあるシャワーを浴びるのがちょっとした楽しみになっていた。水しか出ないけど、この季節はもう水もぬるま湯みたいになっている。
練習着を水洗いして格技室の窓にハンガーで引っ掛けておくと、晴れていればあっという間に乾いてしまう。
グラウンドでサッカー部が走っているのを眺めながら職員室に向かった。
いつも堀田先生が職員室の横にある部屋を開けてくれて、3人でお弁当を食べている。
「先生、もう説教部屋開けてくれてるかな?」
「今日いつもより早いしまだ開いてなさそうじゃない?先生のとこ行こうよ」
何のための部屋かよくわからないこの部屋を私たちは説教部屋と呼んでいる。机と椅子があるだけで、6,7人くらいは入れる部屋だ。
女子プロレス部は部室が無いので、夏休み中は先生がこっそり使わせてくれている。人数も少ないのでこの部屋で十分広い。一番のポイントはエアコンが付いていることだ。
説教部屋はもう開いていた。前を通りかかると堀田先生が中にいてちょうどエアコンを入れているところだった。
「あら、お疲れ様。暑かったでしょ。今エアコン入れたからちょっと待っててね」
「ありがとうございます!あー、これで生き返る!」
咲来は横で笑いながらうちわをぱたぱたさせている。
今日早めに練習を切り上げたのは、これからとある場所に行くためだ。
直射日光よりマシ。室内スポーツ組はそう言ってサウナのような屋内に入っていく。
窓という窓を全開にして少しでも空気を入れ替えるけど、熱された屋根や壁が際限なく熱を放出してくるので暑さはほとんど変わらない。
私たちは夏休みの間は午前中を中心に練習を設定している。格技室が少しでも暑くない時間帯を狙っているからだ。午後はトレーニングルームで筋トレや体力作りをする。
午前の練習が終わると、私も咲来も汗だくになっていた。
「このTシャツまた絞れるよ、ほら!」
Tシャツの裾を絞ると脱水前の服みたいに水分が出てくる。練習は適宜休憩を入れているけど、さっき絞ったのにまた絞れるようになっている。替えのシャツをもう少し多めに持ってきた方がいいかもしれない。
「格技室今日も暑かったね。あー、外の風気持ちいい」
暑さで顔を赤くした咲来がうちわでぱたぱたあおぎながら外に出てきた。日本拳法では防具を付けるのでこれより暑いらしく、想像するだけで倒れそうだ。
格技室の近くにはプールがある。練習後はこのままプールにあるシャワーを浴びるのがちょっとした楽しみになっていた。水しか出ないけど、この季節はもう水もぬるま湯みたいになっている。
練習着を水洗いして格技室の窓にハンガーで引っ掛けておくと、晴れていればあっという間に乾いてしまう。
グラウンドでサッカー部が走っているのを眺めながら職員室に向かった。
いつも堀田先生が職員室の横にある部屋を開けてくれて、3人でお弁当を食べている。
「先生、もう説教部屋開けてくれてるかな?」
「今日いつもより早いしまだ開いてなさそうじゃない?先生のとこ行こうよ」
何のための部屋かよくわからないこの部屋を私たちは説教部屋と呼んでいる。机と椅子があるだけで、6,7人くらいは入れる部屋だ。
女子プロレス部は部室が無いので、夏休み中は先生がこっそり使わせてくれている。人数も少ないのでこの部屋で十分広い。一番のポイントはエアコンが付いていることだ。
説教部屋はもう開いていた。前を通りかかると堀田先生が中にいてちょうどエアコンを入れているところだった。
「あら、お疲れ様。暑かったでしょ。今エアコン入れたからちょっと待っててね」
「ありがとうございます!あー、これで生き返る!」
咲来は横で笑いながらうちわをぱたぱたさせている。
今日早めに練習を切り上げたのは、これからとある場所に行くためだ。
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