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1990年代

ふしぎの海のナディア

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1990年4月13日から1991年4月12日、全39話、NHK総合

原作:ジュール・ヴェルヌ作 「海底二万マイル」

総監督:庵野秀明

監督:樋口真嗣

キャラクターデザイン:貞本義行

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第39話「星を継ぐ者…」

 N-ニュー ノーチラス号(第四世代型超光速恒星間航行用超弩級万能宇宙戦艦ヱクセリヲン) VS 衛星都市レッドノア。

 闘いの場はパリから軌道上へ。


 レッドノアの中で捉えられたネモ船長、エレクトラ副長、ジャン。

 ネオ・アトランティスの首領ガーゴイル に洗脳されたナディアとネオ皇帝がネモ船長を撃つ。

 と、N-ノーチラス号がレッドノア内で主砲を放ち形勢逆転。

 この衝撃で覚醒したネオがナディアを洗脳していた制御装置を破壊する。

ネオ「私も人と共に生きたかった」

 ナディアの兄ネオはその機械の身体が爆発して死んでしまう。

 ナディアがガーゴイルに従わないため、ガーゴイルはジャンを高所から落として殺す。

 ジャンの死体に泣きすがるナディア。

 そんなナディアにネモは、ブルーウォーターを使うように言う。

グランディス「女だったら誰よりも先に自分の好きな男の子を助けなさい。それが女よ」

 ナディアがブルーウォーターに祈りを捧げる。
 
 ブルーウォーターの光に包まれるナディア。

 ガーゴイルはナディアを止めようと光に近づくが、触れたとたん体が塩と化す。

 ガーゴイルは自分が「アトランティス人の末裔」と信じていたが実は人間だったのだ。

ネモ「ネメシス・ラ・アルゴール。君は人間だ。ナディアとたった二人の異星人で何ができる」

ガーゴイ「そうか…。さらばだ」

 塩の柱となって崩れたガーゴイル。 

 ブルーウォーターの力でジャンは生き返るが、ブルーウォーターはただの石になってしまう。

 地球に落下してゆくレッドノア。
 
 レッドノアから脱出するため旧ノーチラス号と同型艦に乗り換えたナディアたち。

 ナディアはネモ船長がいないことに気づく。

 ネモ船長はΝ-ノーチラス号に一人残りみんなの脱出のために血路を開くのだった。

ネモ「ナディア!どんなことがあっても生きろ!」

 ナディアたちを乗せた宇宙戦艦はネモがΝ-ノーチラス号の主砲で空けた穴から脱出する。

 大気圏に突入しレッドノアが爆発する。

 地表に向かって降下して行く宇宙戦艦の操縦室。

 ナディアの涙が頬に当たり、ジャンが目覚める。

ナディア「ジャン!よかった…!」
ジャン「ここは…?」
ナディア「宇宙船の中よ。あなたのふるさとへ帰ってるの」
ジャン「違うよ、ナディア。僕らのふるさとさ。君の生まれた星だよ。僕らは同じ地球人じゃないか」

 ナディアは泣きながらジャンに抱きつく。

 一方、地上で皆の帰りを待っている少女マリーとライオンのキングと看護婦イコリーナが夜空を見上げる。

 流れ星(ナディア達の乗った宇宙戦艦)を見つける。
 
 流れ星にお願いをするイコリーナ。

イコリーナ「早くサンソンやみんなが帰ってきて、これからはもうこんな思いはしないですみますように…」


 終。


 ・・・と思ったら、エピローグ。

 あれから12年後。

 地球に戻るために乗った宇宙戦艦は日本海溝深く沈められた。

 乗組員はそれぞれの暮らしを始め、エーコーとイコリーナは結婚。

 エレクトラはネモの子供をしっかり育てている。
 
 ジャンとナディアは5年前にようやく結婚。

 ナディアもお母さんになったが相変わらず肉や魚は食べない。

 キングにも子供が二匹いる。

 グランディスは気ままな独り身。

 ハンソンは自動車会社を設立し今では一番の大金持ち。
 
 本当に伯爵だったエアトンはイギリスに帰って家を継いだ。


マリー「サンソンは私マリー・エン・レーベンブロイと結婚しました」

 大人になったマリーのお腹には赤ちゃんが。

マリー「親子で日曜日に近所の公園を散歩するのが夢だったの」

 丘の上から海を眺めるサンソンとマリー。

マリー「それじゃあ、またね」

 と言ってマリーが飛行機の模型を飛ばす。

 その飛行機の模型は飛んで行き、そのままいつものエンディングにつながるのだった。

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「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の冒頭のパリ市内の戦闘シーンを観て、久しぶりにナディア最終回を思い出しました。

 庵野監督の構想としては「ナディア」の世界と「エヴァ」の世界は同一線上の世界としてつなげたかったとか。

 ナディアの「南の島編」も「アフリカ編」も歌だけの総集編も楽しめた私は、後に公開された劇場版もしっかり見ました。

 劇場版は別物ですね。


 流れ星に平和を祈るラストシーンは「サイボーグ009」の名シーン「どこ落ち」のオマージュですね。

 その「サイボーグ009」の元ネタはレイ・ブラッドベリのSF小説『万華鏡』ですが、庵野監督の作品の最終話のタイトルはいつも有名なSF小説から取っています。 

 ナディアの最終話のタイトルはジェイムズ・P・ホーガンの「星を継ぐ者」から取っています。

 他にも小松左京の「果しなき流れの果に」、ハーラン・エリスンの「世界の中心で愛を叫んだけもの」、ジェイムズ・P・ホーガンの「Thrice Upon A Time」、ラルフ・ネルソンの「まごころを君に」、テッド・チャンの「あなたの人生の物語」等々。

 どれも大傑作SF小説ぞろいなのでまだ読んだことない方を是非お読みください。

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声の出演

ナディア:鷹森淑乃

ジャン:日高のり子

マリー:水谷優子

ネモ:大塚明夫

エレクトラ:井上喜久子

ガーゴイル:清川元夢 
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