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19 張りぼての幸福
朝から胸がそわそわしていた。引っ越しの荷物は昨日のうちに届いていたけれど、今日は家具が届く日。わたしとトオルの「新しい暮らし」が、ようやく形になる日だった。
まだ段ボールがいくつも積まれたリビングで、コーヒーを片手にカーテン越しの光を見ていた。
トオルは朝から工具を並べて、配送の人が来る前に壁の位置を測っている。メジャーを伸ばす音が、やけに頼もしく感じた。
最初に届いたのはソファだった。二人で選んだグレーのファブリック。配送員が玄関から運び入れるのを見て、わたしは思わず笑ってしまった。大きい。想像していたよりもずっと大きくて、部屋の半分を占めそうな勢いだ。
「ねぇ、これ……本当にここでいいの?」
「うん、角度をちょっと変えれば窓も塞がらないし」
トオルが腰に手を当てて、満足そうにうなずく。わたしは彼の横顔を見ながら、胸の奥にじんわりと広がる幸福を感じていた。
この人と、これから毎日暮らしていくんだ。家の中にふたりの匂いが混じっていくんだ――そう思うだけで、全てが輝いて見えた。
次に届いたのはベッド。マットレスが運び込まれると、狭い寝室がさらに狭く感じたけれど、それでもトオルは几帳面に配置を決めていく。
「ここは東向きだから朝日が当たるだろ? 頭はこっちの方がいい」
「じゃあ、わたし側にライト置くね」
そんな何気ないやり取りが、どれも新鮮だった。家具を置くたびに「わたしたちの家」が出来上がっていく。まるでジグソーパズルを組み立てるように。
最後に届いたのが、テレビだった。
箱の大きさを見ただけで、トオルが眉をひそめる。
「やっぱりでかいな……」
配送員が笑って「最近のは軽いですよ」と言いながら設置してくれたけれど、壁に掛けてみると、確かに大きすぎた。
壁の白さに、真っ黒な画面が堂々と広がっている。少しでも角度を変えれば、ソファから手を伸ばして触れられそうなくらいの存在感だった。
「……やっぱり、ちょっと大きいかな」
トオルがつぶやく。
「でも、やっぱり大きい方が映画も迫力あるよ」
わたしは笑ってごまかした。
そう言いながら、自分の胸の奥にわずかな罪悪感が広がっていくのを感じていた。あの時、店で言い合いになったことを思い出す。
「部屋のサイズ考えろよ」と言うトオルに、「夢があるでしょ!」と反論した。結果、わたしの意見が通ってローンまで組んだ。
大きなテレビを前にすると、勝ち負けの問題ではなかったことが分かる。でも今さら引き下がることはできなかった。
だって、わたしが勝ち取った「理想の部屋」だったのだから。だって、負けたくなかったから。
カオリ先輩が泥棒した家具は本当に趣味がよくてこの部屋は居心地が良かったのだ。
設置が終わる頃には、外が夕焼けに染まっていた。段ボールの山が片付き、広がったリビングの中で、わたしとトオルはようやくひと息ついた。
「夕飯、どうする?」
「せっかくだし、外で食べようか」
そう言ったわたしに、トオルが少し考えてから言った。
「ラーメン、食べたいな」
「え? ラーメン?」
「うん、近くにうまい店があるんだ、連れて行きたい」
記念日のディナーがラーメン――ちょっと拍子抜けしたけれど、トオルが嬉しそうだったから何も言えなかった。
店のカウンターで並んで座り、湯気の向こうに見える彼の顔を見ながら、「これが幸せなんだろうな」と思った。
背伸びしない、等身大の幸せ。わたしが少し背伸びをしすぎていたのかもしれない。
翌朝、カーテン越しの光で目が覚めた。昨日の家具がちゃんと部屋に馴染んでいるのを見て、少し安心した。
朝食のトーストを食べながら、トオルが言った。
「今日、クッションと観葉植物でも買いに行こうか」
「うん、行こう!」
わたしは元気に答えた。トオルが近所のホームセンターのつもりで言っているのは百も承知だ。
だけどわたしは、頭の中で別の場所を思い浮かべていた。おしゃれな、つまりお高いものばかりのショッピング街。
大きなガラス張りの店で、おしゃれな鉢植えや北欧風のクッションが並ぶ場所。デートがてら、見るだけでもいいじゃない。
わたしはそれを「見るだけ」と言いながら、すでに買う気満々だった。
昼過ぎ、二人で駅前に出た。トオルはリュックに水筒を入れて、まるで散歩の延長みたいな格好。わたしはせっかくだからと少しメイクを濃くして、スカーフを巻いた。
歩道に差し込む秋の日差しが心地よくて、最初のうちは笑いながら歩いていた。
けれど、ショッピング街に入った途端、空気が少し変わった。
トオルが周囲の高級ブランドの看板を見上げて、わずかに眉を寄せる。
「ミナ、ここ? ちょっと場違いじゃない?」
「見るだけだって。ほら、あそこの店、観葉植物すごくおしゃれだよ」
そう言って彼の手を引いた時、ふと、視線の先に見覚えのある人影があった。
カオリ先輩。家具を泥棒した女。すごくいい色の服を着ていた。その隣には、背の高い男性。カジュアルな服装。よく見る服装だけど、きれいな着こなし。腕時計も靴もセンスが良くて、周りの景色が、二人を引き立てている。
先輩は彼に話しかけながら、笑っていた。自然で、柔らかくて、幸せそうだった。
カジュアルな服装なのに、全身がブランドで整っているのがわかった。
怒りと嫉妬で足が止まった。トオルもわたしが見ているものを認めて足が止まった。
二人はわたしたちに気づかず、そのまま別の高級店に入っていった。ガラス扉の向こうで、彼が先に入ってドアを押さえ、カオリ先輩が軽く頭を下げて中へ。
その一連の動作が、まるで映画のワンシーンのようで、胸の奥に差し込むような寂しさが広がった。
トオルは何も言わなかった。けれど、彼の横顔が少し硬くなっているのが分かった。
「図々しいわね。泥棒のくせに」と言ったが、返事がなかった。
沈黙が、じわじわと広がっていく。
おしゃれなカフェの前を通っても、雑貨店のショーウィンドウを見ても、もう心が浮き立たなかった。
わたしの中で、カオリ先輩の笑顔が繰り返し再生される。
負けられない。わたしだってローンで買えば良いのだ。
ホームセンターでいいじゃん――そう言ったトオルの言葉が頭の中に響くが、無視した。
カオリ先輩でも持っていたのだ。あのセンスのいい家具を。暮らしを。
同僚を家に招待して、暮らしを見せたいのだ。羨ましい!そう言わせたいのだ。
帰り道、トオルが言った。
「やっぱり、ホームセンター行こう。安いし、種類も多いし」
わたしはうなずいたけれど、声は出なかった。
並んで歩く距離が、昨日より遠く感じた。
ホームセンターで色々見ても欲しいと思うものはなかった。
わたしたちは何も買わずに家に戻った。
帰宅してリビングの明かりをつける。大きなテレビが、無言で壁を占領している。
その黒い画面に、わたしとトオルの姿がぼんやり映った。
どちらも少し疲れた顔をしていた。
ソファに座ると、彼が何も言わずにリモコンを取り、ニュースをつけた。
映し出された映像が壁いっぱいに広がる。
――やっぱり大きい。
わたしは胸の中でつぶやいた。
だけど、もう「良かった」とは言えなかった。
画面の光が部屋を照らす中、わたしは思った。
家具も、部屋も、テレビも、全部、形だけの幸福なんじゃないか。
トオルと過ごす時間こそが本当の幸せなのに、それを飾ることばかり考えていた。
カオリ先輩を見た瞬間に、自分の中の虚栄がはっきり見えたのだ。
ソファの端に座るわたしの手を、トオルがそっと握った。
「今度さ、ベランダに置く小さい植木を買いに行こう。陽当たりいいし」
「……うん」
その手の温もりに、少し救われた気がした。
大きすぎるテレビの前で、わたしたちは無言でニュースを見つめていた。
壁一面の画面。部屋一杯一杯のソファ。
正直、持て余す家具に、これからの生活を不安に感じた。
まだ段ボールがいくつも積まれたリビングで、コーヒーを片手にカーテン越しの光を見ていた。
トオルは朝から工具を並べて、配送の人が来る前に壁の位置を測っている。メジャーを伸ばす音が、やけに頼もしく感じた。
最初に届いたのはソファだった。二人で選んだグレーのファブリック。配送員が玄関から運び入れるのを見て、わたしは思わず笑ってしまった。大きい。想像していたよりもずっと大きくて、部屋の半分を占めそうな勢いだ。
「ねぇ、これ……本当にここでいいの?」
「うん、角度をちょっと変えれば窓も塞がらないし」
トオルが腰に手を当てて、満足そうにうなずく。わたしは彼の横顔を見ながら、胸の奥にじんわりと広がる幸福を感じていた。
この人と、これから毎日暮らしていくんだ。家の中にふたりの匂いが混じっていくんだ――そう思うだけで、全てが輝いて見えた。
次に届いたのはベッド。マットレスが運び込まれると、狭い寝室がさらに狭く感じたけれど、それでもトオルは几帳面に配置を決めていく。
「ここは東向きだから朝日が当たるだろ? 頭はこっちの方がいい」
「じゃあ、わたし側にライト置くね」
そんな何気ないやり取りが、どれも新鮮だった。家具を置くたびに「わたしたちの家」が出来上がっていく。まるでジグソーパズルを組み立てるように。
最後に届いたのが、テレビだった。
箱の大きさを見ただけで、トオルが眉をひそめる。
「やっぱりでかいな……」
配送員が笑って「最近のは軽いですよ」と言いながら設置してくれたけれど、壁に掛けてみると、確かに大きすぎた。
壁の白さに、真っ黒な画面が堂々と広がっている。少しでも角度を変えれば、ソファから手を伸ばして触れられそうなくらいの存在感だった。
「……やっぱり、ちょっと大きいかな」
トオルがつぶやく。
「でも、やっぱり大きい方が映画も迫力あるよ」
わたしは笑ってごまかした。
そう言いながら、自分の胸の奥にわずかな罪悪感が広がっていくのを感じていた。あの時、店で言い合いになったことを思い出す。
「部屋のサイズ考えろよ」と言うトオルに、「夢があるでしょ!」と反論した。結果、わたしの意見が通ってローンまで組んだ。
大きなテレビを前にすると、勝ち負けの問題ではなかったことが分かる。でも今さら引き下がることはできなかった。
だって、わたしが勝ち取った「理想の部屋」だったのだから。だって、負けたくなかったから。
カオリ先輩が泥棒した家具は本当に趣味がよくてこの部屋は居心地が良かったのだ。
設置が終わる頃には、外が夕焼けに染まっていた。段ボールの山が片付き、広がったリビングの中で、わたしとトオルはようやくひと息ついた。
「夕飯、どうする?」
「せっかくだし、外で食べようか」
そう言ったわたしに、トオルが少し考えてから言った。
「ラーメン、食べたいな」
「え? ラーメン?」
「うん、近くにうまい店があるんだ、連れて行きたい」
記念日のディナーがラーメン――ちょっと拍子抜けしたけれど、トオルが嬉しそうだったから何も言えなかった。
店のカウンターで並んで座り、湯気の向こうに見える彼の顔を見ながら、「これが幸せなんだろうな」と思った。
背伸びしない、等身大の幸せ。わたしが少し背伸びをしすぎていたのかもしれない。
翌朝、カーテン越しの光で目が覚めた。昨日の家具がちゃんと部屋に馴染んでいるのを見て、少し安心した。
朝食のトーストを食べながら、トオルが言った。
「今日、クッションと観葉植物でも買いに行こうか」
「うん、行こう!」
わたしは元気に答えた。トオルが近所のホームセンターのつもりで言っているのは百も承知だ。
だけどわたしは、頭の中で別の場所を思い浮かべていた。おしゃれな、つまりお高いものばかりのショッピング街。
大きなガラス張りの店で、おしゃれな鉢植えや北欧風のクッションが並ぶ場所。デートがてら、見るだけでもいいじゃない。
わたしはそれを「見るだけ」と言いながら、すでに買う気満々だった。
昼過ぎ、二人で駅前に出た。トオルはリュックに水筒を入れて、まるで散歩の延長みたいな格好。わたしはせっかくだからと少しメイクを濃くして、スカーフを巻いた。
歩道に差し込む秋の日差しが心地よくて、最初のうちは笑いながら歩いていた。
けれど、ショッピング街に入った途端、空気が少し変わった。
トオルが周囲の高級ブランドの看板を見上げて、わずかに眉を寄せる。
「ミナ、ここ? ちょっと場違いじゃない?」
「見るだけだって。ほら、あそこの店、観葉植物すごくおしゃれだよ」
そう言って彼の手を引いた時、ふと、視線の先に見覚えのある人影があった。
カオリ先輩。家具を泥棒した女。すごくいい色の服を着ていた。その隣には、背の高い男性。カジュアルな服装。よく見る服装だけど、きれいな着こなし。腕時計も靴もセンスが良くて、周りの景色が、二人を引き立てている。
先輩は彼に話しかけながら、笑っていた。自然で、柔らかくて、幸せそうだった。
カジュアルな服装なのに、全身がブランドで整っているのがわかった。
怒りと嫉妬で足が止まった。トオルもわたしが見ているものを認めて足が止まった。
二人はわたしたちに気づかず、そのまま別の高級店に入っていった。ガラス扉の向こうで、彼が先に入ってドアを押さえ、カオリ先輩が軽く頭を下げて中へ。
その一連の動作が、まるで映画のワンシーンのようで、胸の奥に差し込むような寂しさが広がった。
トオルは何も言わなかった。けれど、彼の横顔が少し硬くなっているのが分かった。
「図々しいわね。泥棒のくせに」と言ったが、返事がなかった。
沈黙が、じわじわと広がっていく。
おしゃれなカフェの前を通っても、雑貨店のショーウィンドウを見ても、もう心が浮き立たなかった。
わたしの中で、カオリ先輩の笑顔が繰り返し再生される。
負けられない。わたしだってローンで買えば良いのだ。
ホームセンターでいいじゃん――そう言ったトオルの言葉が頭の中に響くが、無視した。
カオリ先輩でも持っていたのだ。あのセンスのいい家具を。暮らしを。
同僚を家に招待して、暮らしを見せたいのだ。羨ましい!そう言わせたいのだ。
帰り道、トオルが言った。
「やっぱり、ホームセンター行こう。安いし、種類も多いし」
わたしはうなずいたけれど、声は出なかった。
並んで歩く距離が、昨日より遠く感じた。
ホームセンターで色々見ても欲しいと思うものはなかった。
わたしたちは何も買わずに家に戻った。
帰宅してリビングの明かりをつける。大きなテレビが、無言で壁を占領している。
その黒い画面に、わたしとトオルの姿がぼんやり映った。
どちらも少し疲れた顔をしていた。
ソファに座ると、彼が何も言わずにリモコンを取り、ニュースをつけた。
映し出された映像が壁いっぱいに広がる。
――やっぱり大きい。
わたしは胸の中でつぶやいた。
だけど、もう「良かった」とは言えなかった。
画面の光が部屋を照らす中、わたしは思った。
家具も、部屋も、テレビも、全部、形だけの幸福なんじゃないか。
トオルと過ごす時間こそが本当の幸せなのに、それを飾ることばかり考えていた。
カオリ先輩を見た瞬間に、自分の中の虚栄がはっきり見えたのだ。
ソファの端に座るわたしの手を、トオルがそっと握った。
「今度さ、ベランダに置く小さい植木を買いに行こう。陽当たりいいし」
「……うん」
その手の温もりに、少し救われた気がした。
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