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第4話 終わりにする・・・
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『こんなものか・・・家族じゃないのよね』
悲しいのか悔しいのか涙が出たが雨が流してくれた。しばらくするとアリスは歩き出した。どこに向かっているのかわからないが、歩いた。怒りと空腹がアリスに力を与えていた。
『うんざり』アリスの頭はこの思いが占めていた。
馬車がやって来た。慎重に馬を歩かせて進んでいる。
馭者台のいる男は馬車を止めると中にいる主人に話しかけた。
「人が歩いています。いや・・・人らしき者?娘さん?」
「なに」と言う声がして窓が開いたが
「いや、窓からじゃ見えませんよ」という馭者の声に
「近寄るか?」
「うーーん」と言う馭者の声が聞こえた。すると少しの間が空いたが、馬車の扉が開く音がして男が降りた。
そして道を歩いている娘に近寄ると
「お嬢さん。どうしましたか?」と話しかけた。
娘はちらりと男を見たが、また歩き出した。
「お嬢さん、馬車に・・・お嬢さん」と男が続けて話しかけているとふいに娘の体がぐらりと傾いた。男は慌て抱きとめると馭者に向かって
「手伝え、びしょ濡れの人間だ・・・かなり美人のな」と言った。
後ろの馬車からも誰か降りて来た。
「おや、拾い物ですね」雨が激しくなった。
「お姉様がいないとゆっくり乗れる」とバーバラが言った。
「やめろ、バーバラそういうのは聞きたくない」と侯爵が言うと
「でもお姉様も王室の馬車のほうが楽でいいのでは?」とバーバラが答えた。
「そうだな、あちらのほうが大きい?」と兄が言うと
「そんなに変わらん」と侯爵が不機嫌な声で言った。
「それではアリスは少し遅くなるだけで帰ってくるでしょうね。いつも通り夕食は向こうでしょうけど」と夫人が言うと
「そうだな。まだ婚約と言うのに夕食まで毎日一緒とは、姉上にもあきれる。どんだけアリスを気に入ってるんだ。うちの娘だぞ」と侯爵が憮然として言った。
「今日も楽しかったわ」と王妃が言うと
「そうだな。あの仲間で集まるといつまでたっても居心地がいい」と国王が答えた。
「アリスは侯爵家に戻ったんですね。少し残念です。もう少し話したかった」とエドワードが言うと
「そうやって甘いことを言っていると、付け上がるわよ」
「もう、うるさいです。早く嫁ぎ先に行って下さい」とエドワードが言うと
「言われなくてもすぐです」とメアリーが答えた。
メアリーは来月嫁ぎ先のメニリーフ王国へと行く。結婚式は来年だが準備もあって早めに行く予定だ。メアリーはまだ本人に言っていないが、アリスを連れて行くつもりだ。本人に言うと付け上がるから言わないがアリスがいるとなにかと便利で、助かるし・・・それにアリスの勉強にもなるだろうから。
王室はいつもより少し朝食が遅めだった。ピクニックのあとの恒例だ。国王は一応執務室に顔を出したが昼前には戻って午後は休んだ。
宰相も遅めにやって来た。書類が少ないのを確認すると明日で良いなとやはり昼前に帰った。
騎士団長は休んだ。団員は団長がいない分、自由に訓練していつもより気合がはいっていた。
侯爵家の朝食はいつものように準備されたが、兄が食べに来ただけだった。
昼食はいつものように各自が食べた。夕食は侯爵の希望でアリスの好物のりんごソースのポークソテーとレモンパイが用意されたがアリスは戻って来なかった。
ピクニックの翌日スぺーダ公爵家に片付けに来るようにと使いがだされた。
使いを出したのはお城の備品を扱う部門で、移動したばかりの部長だった。
スぺーダ公爵夫人は怒って使いを追い返した。
悲しいのか悔しいのか涙が出たが雨が流してくれた。しばらくするとアリスは歩き出した。どこに向かっているのかわからないが、歩いた。怒りと空腹がアリスに力を与えていた。
『うんざり』アリスの頭はこの思いが占めていた。
馬車がやって来た。慎重に馬を歩かせて進んでいる。
馭者台のいる男は馬車を止めると中にいる主人に話しかけた。
「人が歩いています。いや・・・人らしき者?娘さん?」
「なに」と言う声がして窓が開いたが
「いや、窓からじゃ見えませんよ」という馭者の声に
「近寄るか?」
「うーーん」と言う馭者の声が聞こえた。すると少しの間が空いたが、馬車の扉が開く音がして男が降りた。
そして道を歩いている娘に近寄ると
「お嬢さん。どうしましたか?」と話しかけた。
娘はちらりと男を見たが、また歩き出した。
「お嬢さん、馬車に・・・お嬢さん」と男が続けて話しかけているとふいに娘の体がぐらりと傾いた。男は慌て抱きとめると馭者に向かって
「手伝え、びしょ濡れの人間だ・・・かなり美人のな」と言った。
後ろの馬車からも誰か降りて来た。
「おや、拾い物ですね」雨が激しくなった。
「お姉様がいないとゆっくり乗れる」とバーバラが言った。
「やめろ、バーバラそういうのは聞きたくない」と侯爵が言うと
「でもお姉様も王室の馬車のほうが楽でいいのでは?」とバーバラが答えた。
「そうだな、あちらのほうが大きい?」と兄が言うと
「そんなに変わらん」と侯爵が不機嫌な声で言った。
「それではアリスは少し遅くなるだけで帰ってくるでしょうね。いつも通り夕食は向こうでしょうけど」と夫人が言うと
「そうだな。まだ婚約と言うのに夕食まで毎日一緒とは、姉上にもあきれる。どんだけアリスを気に入ってるんだ。うちの娘だぞ」と侯爵が憮然として言った。
「今日も楽しかったわ」と王妃が言うと
「そうだな。あの仲間で集まるといつまでたっても居心地がいい」と国王が答えた。
「アリスは侯爵家に戻ったんですね。少し残念です。もう少し話したかった」とエドワードが言うと
「そうやって甘いことを言っていると、付け上がるわよ」
「もう、うるさいです。早く嫁ぎ先に行って下さい」とエドワードが言うと
「言われなくてもすぐです」とメアリーが答えた。
メアリーは来月嫁ぎ先のメニリーフ王国へと行く。結婚式は来年だが準備もあって早めに行く予定だ。メアリーはまだ本人に言っていないが、アリスを連れて行くつもりだ。本人に言うと付け上がるから言わないがアリスがいるとなにかと便利で、助かるし・・・それにアリスの勉強にもなるだろうから。
王室はいつもより少し朝食が遅めだった。ピクニックのあとの恒例だ。国王は一応執務室に顔を出したが昼前には戻って午後は休んだ。
宰相も遅めにやって来た。書類が少ないのを確認すると明日で良いなとやはり昼前に帰った。
騎士団長は休んだ。団員は団長がいない分、自由に訓練していつもより気合がはいっていた。
侯爵家の朝食はいつものように準備されたが、兄が食べに来ただけだった。
昼食はいつものように各自が食べた。夕食は侯爵の希望でアリスの好物のりんごソースのポークソテーとレモンパイが用意されたがアリスは戻って来なかった。
ピクニックの翌日スぺーダ公爵家に片付けに来るようにと使いがだされた。
使いを出したのはお城の備品を扱う部門で、移動したばかりの部長だった。
スぺーダ公爵夫人は怒って使いを追い返した。
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