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第29話 アリスの決心
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すこし時を遡り船のなかで
「今回は随分穏やかな航海だな」とデイビスがアレクに言った。
「あぁ海の様子はいつもと同じに見えるが、なにか違うのだろうか?」とアレクが言っていると
ラズベリーが来て
「アリス様がお話したいそうです。改まってお話がしたいみたいです」と告げた。
すぐにやって来たアリスは
「わたくし、家族に会って話すことを考えましたが、なにもいうことがないのに気づきました。
歩いている時に、あのこと、このこと、あの時はとか、いろいろ頭に浮かびました。泣いて喚いて罵ろうと思いました。言ってやる言葉もたくさん浮かびました。文学的な言葉も皮肉も・・・だけど疲れて寝てしまうと忘れてしまうみたいで、ほんと、忘れたことも忘れて・・・たくさん、たくさん思い出して言い返してやり返しながら歩いて、寝て忘れてしまい。
馬に乗っている間に思い出そうと頑張りましたが・・・みんなどこかに行ってしまって。
多分わたくしは薄情なんでしょうね。
言いたいのは縁を切りたい。籍を抜いてくれだけです。こんなんでも王宮に行く必要がありますか?手紙で終わらせるのは?」とアリスが演説のように言うと
「そうか・・・だがな。王宮に行こう。わたしたちがあちらの顔を見たいしね。だけどアリス、実際に顔を見たら思い出すかも知れないからね。そしたら話したらいい。意地悪なことも言っていい。傷つけるとわかっても言ってよい」とデイビスが言うと
「そうだね。アリスの気持ちが穏やかになるのが大事だから・・・なんなら途中でアリスは退室してもいいし。わたしたちは皇国の者として話すことがあるから、どっちにしても王宮に行くんだよ。そういう連絡もしているしね」とアレクが言うとアリスが
「だったら、気楽でいいんですね。多分すぐ終わります。仕事だって本人がやればいいのですからね」と言って安心したように笑った。
その後のお茶の時に
「アリス、海の一族の料理は一族と一緒じゃないと食べられないのか?」とアレクが聞いた。
「どうでしょう。わたくしはあまり外に出たことがないから」と言う返事に
「そうだったな・・・海の一族の所に行くって言うのは出来るのか?」
「うん、出来るかな。遊びにおいでって言われているから」とアリスは考えて
「そうですね。籍を抜いたら遊びに行きましょう。四人に増えても大丈夫だと思う。お料理、たくさんあったから・・・でもなにか、お礼に上げたいな。ずっと心配してくれたから・・・なにがいいかな?天の山の果物は遠いし」とかアリスが悩んでいると
「そうだね。王妃の姪じゃなくなったら・・・難しいね。だけど心配してるならあれこれ考えて遅くなるより、先ず顔を見せればいいのではないでしょうか?」とデイビスが言うと
「それがいいね、アリス。彼らはアリスが思っているよりアリスを心配しているよ。だから先ず行ったらいいね。それからお土産を用意してまた行ったらいいよ」とアレクが言うと
「ほんとにそう思いますか?」とアリスは言うと二人をかわるがわる見て
「そうします」と言って
「こうなったら、早く王宮の用事をすませて会いに行きたい」と元気に言った。
「アリスの気持ちは落ち着いたが私たちの気持ちは落ち着きませんね。すこし走ったらいいのでしょうか?」とデイビスが言うと
「アリスを甘やかしたら落ち着きそうだ。わたしの気持ちは落ち着きそうだけど」とアレクがぼやいたが、デイビスはため息をついただけだった。
「国から文官を派遣して貰いましょう。実権はこちらが貰います。後は様子を見ながらですね。国としては豊かですし上が変わっても、人々の生活に変わりはないでしょう」とデイビスは言うと、冷たく笑いながら
「後はですね。様子を見ながら落として行きましょう。いつも隠してる腹黒を見せましょう」と言った。
「ほう、デイビス腹黒を見せるのか?楽しみだね」とアレクが言うと
「いやだぁ。アレク。あなたの腹黒を見せましょうとおすすめしているのですよ」とデイビスが返し
「俺はお前のを見たい」とアレクが返した。
「今回は随分穏やかな航海だな」とデイビスがアレクに言った。
「あぁ海の様子はいつもと同じに見えるが、なにか違うのだろうか?」とアレクが言っていると
ラズベリーが来て
「アリス様がお話したいそうです。改まってお話がしたいみたいです」と告げた。
すぐにやって来たアリスは
「わたくし、家族に会って話すことを考えましたが、なにもいうことがないのに気づきました。
歩いている時に、あのこと、このこと、あの時はとか、いろいろ頭に浮かびました。泣いて喚いて罵ろうと思いました。言ってやる言葉もたくさん浮かびました。文学的な言葉も皮肉も・・・だけど疲れて寝てしまうと忘れてしまうみたいで、ほんと、忘れたことも忘れて・・・たくさん、たくさん思い出して言い返してやり返しながら歩いて、寝て忘れてしまい。
馬に乗っている間に思い出そうと頑張りましたが・・・みんなどこかに行ってしまって。
多分わたくしは薄情なんでしょうね。
言いたいのは縁を切りたい。籍を抜いてくれだけです。こんなんでも王宮に行く必要がありますか?手紙で終わらせるのは?」とアリスが演説のように言うと
「そうか・・・だがな。王宮に行こう。わたしたちがあちらの顔を見たいしね。だけどアリス、実際に顔を見たら思い出すかも知れないからね。そしたら話したらいい。意地悪なことも言っていい。傷つけるとわかっても言ってよい」とデイビスが言うと
「そうだね。アリスの気持ちが穏やかになるのが大事だから・・・なんなら途中でアリスは退室してもいいし。わたしたちは皇国の者として話すことがあるから、どっちにしても王宮に行くんだよ。そういう連絡もしているしね」とアレクが言うとアリスが
「だったら、気楽でいいんですね。多分すぐ終わります。仕事だって本人がやればいいのですからね」と言って安心したように笑った。
その後のお茶の時に
「アリス、海の一族の料理は一族と一緒じゃないと食べられないのか?」とアレクが聞いた。
「どうでしょう。わたくしはあまり外に出たことがないから」と言う返事に
「そうだったな・・・海の一族の所に行くって言うのは出来るのか?」
「うん、出来るかな。遊びにおいでって言われているから」とアリスは考えて
「そうですね。籍を抜いたら遊びに行きましょう。四人に増えても大丈夫だと思う。お料理、たくさんあったから・・・でもなにか、お礼に上げたいな。ずっと心配してくれたから・・・なにがいいかな?天の山の果物は遠いし」とかアリスが悩んでいると
「そうだね。王妃の姪じゃなくなったら・・・難しいね。だけど心配してるならあれこれ考えて遅くなるより、先ず顔を見せればいいのではないでしょうか?」とデイビスが言うと
「それがいいね、アリス。彼らはアリスが思っているよりアリスを心配しているよ。だから先ず行ったらいいね。それからお土産を用意してまた行ったらいいよ」とアレクが言うと
「ほんとにそう思いますか?」とアリスは言うと二人をかわるがわる見て
「そうします」と言って
「こうなったら、早く王宮の用事をすませて会いに行きたい」と元気に言った。
「アリスの気持ちは落ち着いたが私たちの気持ちは落ち着きませんね。すこし走ったらいいのでしょうか?」とデイビスが言うと
「アリスを甘やかしたら落ち着きそうだ。わたしの気持ちは落ち着きそうだけど」とアレクがぼやいたが、デイビスはため息をついただけだった。
「国から文官を派遣して貰いましょう。実権はこちらが貰います。後は様子を見ながらですね。国としては豊かですし上が変わっても、人々の生活に変わりはないでしょう」とデイビスは言うと、冷たく笑いながら
「後はですね。様子を見ながら落として行きましょう。いつも隠してる腹黒を見せましょう」と言った。
「ほう、デイビス腹黒を見せるのか?楽しみだね」とアレクが言うと
「いやだぁ。アレク。あなたの腹黒を見せましょうとおすすめしているのですよ」とデイビスが返し
「俺はお前のを見たい」とアレクが返した。
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