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24 ジェス家の未来は明るいさ

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「おじうえ……」

「ああ、クリスティンにカイラスも心配かけたね」

 流石にまだ足腰が痛むのでベッドでの生活をさせてもらっているが、目がさめてすぐに甥の二人がやってきた。

「あ、あのっ!」

「クリスティン。例の件ならもう忘れよう。私も早く忘れたいから、別の話題にしてくれないか?」

「……叔父上がそうおっしゃるなら……」

 きっとクリスティンはまだ入ったばかりながら、王宮務めだ。きっとあれがどこの誰かなど詳しい事を知っているのだろう。でも私はそれを知りたいとは思わない。もう二度と会う事もない御仁だろうし。

「クリスティン、そんな事より君の仕事ぶりが知りたいな。あとリリエン嬢に会ったよ。とっても可愛らしいお嬢さんじゃないか?」

「でしょう!リリエンはとっても可愛いんです!いつもダイエットしなきゃダイエットしなきゃって言ってるんですけど、私はもう少しふんわりしている方が好きなんですよ!」

 クリスティンはあの兄とあの義姉の子供ながら細っそりしている。多分私の体型に似たんだろう。そしてあの両親に囲まれて暮らして来たのだからぽにぽにが好きなんだ。
 ふんわり、そう言えば角が立たないか……。人の好みは色々だもんな。

「じゃあ、早く家にお嫁さんに来てもらってシェフ自慢のポテトフライを沢山召し上がっていただかなくちゃね」

「そうですね!シェフのポテトフライは美味しいですから!」

 ニコニコとクリスティンの機嫌は治った。そうか、クリスティンはリリエン嬢の事が大好きで堪らないんだな。分かるぞ、その気持ち。ジェス家の男は一直線になりがちだからなぁ!

「わ、私は……もっとスマートな方が……叔父上みたく……」

「そうか、カイラスとクリスティンの女性の好みは違うんだなぁ」

 うんうん、それぞれで良いねぇ!

「あー……カイの場合は女性の好みというか……いてっ!」

「黙れ、クリス」

 何だ何だ?甥同士で。叔父さんは除け者か?まあ若者の好きな子の話はいいもんだなぁ~。

「まあ、私は大丈夫だからね?でもまだ体があちこち痛いんだ。少し寝ていいかい?」

 甥は二人とも気遣いの出来る優秀な子だ。

「分かりました、叔父上」

「私とアーヴァインで処理できる案件は進めてあります。養生なさってください」

「助かるよ、カイラス」

 しかも仕事も出来ると来た、素晴らしいなぁ。

 なんだかんだでジェス家の未来は明るいよな!

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