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27 詰めてからの詰将棋
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「な、なあ、ラム。ゼルトラン君どうなるの?」
俺の服の腹辺りのボタンを器用にプチプチと外すラムの手を払い除けながら一応聞いてみる。今でも酷い事になってるんだけど?!
あの後すぐに扉は閉められ、お掃除のメイドさんがすぐに待機していたようで真っ赤な血の跡はもうきれいに消えているだろうけど。
「何が良い?牛挽き、鋸挽き、水責め、火炙り。ギロチンもあるぞ」
「ひい?!拷問じゃないか!」
ラ、ラムさん?!何を言ってます?!
「当たり前だ。お前は皇帝側妃。お前が頭を下げて良いのは私と正妃のソレイユにのみだ」
「ラム……怒ってるのか……?」
「私はお前を気に入っていると言ったはずだ」
怒ってたのかー……。
「も、もしかして俺が軽く見られたのに怒ってたのか?」
「当たり前だろう」
「……う、うん……」
俺の為に怒ってくれる人がいるなんて、なんか……くすぐったいな……て言うか、普通にくすぐったいな?!
「何で服を脱がせようとしているのか教えて欲しい」
ラムさん、ラムさん?ここは執務室ですよ、仕事場ですよ??
「ならば教えてやる。私の優しい側妃殿はロイター家がお取り潰しになるのに心を痛めるんだ」
「へ、へえ?それで」
確かラムさんの側妃は俺しかいませんでしたね??なるほど、心優しい俺はどうするって?
「まず皇帝の怒りを鎮める為に体を差し出すんだ、今すぐに」
「嫌だよ。リンダも居るのに……」
俺は呆れ顔でちらりとさっきまでリンダが立っていた場所を見る……誰もいない?俺の護衛兼見張り兼ソレイユ様へのチクリ役のリンダが……いない、だと?!
「さっき出て行ったが?」
空気読みすぎぃーーー!
「いや、でもやだよ、こんな所で!じゅ、準備とかしてないし……!」
まだ昼間だし!それなのにボタンを全部外し終わったラムに抱え上げられて、豪華な執務室の机の上に腰掛けさせられた。
「大丈夫だろ」
「いや!大丈夫じゃない!」
ちょっと、ちょっとやめてよ!ベルトを引っ張るのは!!
「だが、ディエスが私の機嫌を取らないとロイター家はお取り潰しで全員路頭に迷うし、ゼファイト・ロイターも毒杯でも煽って貰わねばならんが良いか?」
「お、脅しか?!」
「そんなつもりは一欠片もないぞ。何せ悪いのはゼルトラン・ロイターだ。アレの失態を一族郎党で拭うだけだ」
「う、うう……うーー」
俺は、俺の安眠を守りたい。俺、俺そんなに恨まれたくないよーーー!少しだけ笑うラムの表情からはそれが冗談なのか本気なのか……どちらとも取れる顔なのがすごく、困る!
「い、痛いのは、嫌だぁ……」
「大丈夫だろ、どうする?」
ず、狡い!絶対狡い!優しいとかそういうんじゃなくて、これは絶対脅しの類だ。なんだろう、詰めてからの詰将棋、囲い終わってからの籠城戦。逃げ道を塞いでからの提案。狡いだろう!
「あんまり痛くしないでぇ……」
「心得た」
顔を覆って泣くしかない。
俺の服の腹辺りのボタンを器用にプチプチと外すラムの手を払い除けながら一応聞いてみる。今でも酷い事になってるんだけど?!
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「ひい?!拷問じゃないか!」
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怒ってたのかー……。
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「何で服を脱がせようとしているのか教えて欲しい」
ラムさん、ラムさん?ここは執務室ですよ、仕事場ですよ??
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「へ、へえ?それで」
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「まず皇帝の怒りを鎮める為に体を差し出すんだ、今すぐに」
「嫌だよ。リンダも居るのに……」
俺は呆れ顔でちらりとさっきまでリンダが立っていた場所を見る……誰もいない?俺の護衛兼見張り兼ソレイユ様へのチクリ役のリンダが……いない、だと?!
「さっき出て行ったが?」
空気読みすぎぃーーー!
「いや、でもやだよ、こんな所で!じゅ、準備とかしてないし……!」
まだ昼間だし!それなのにボタンを全部外し終わったラムに抱え上げられて、豪華な執務室の机の上に腰掛けさせられた。
「大丈夫だろ」
「いや!大丈夫じゃない!」
ちょっと、ちょっとやめてよ!ベルトを引っ張るのは!!
「だが、ディエスが私の機嫌を取らないとロイター家はお取り潰しで全員路頭に迷うし、ゼファイト・ロイターも毒杯でも煽って貰わねばならんが良いか?」
「お、脅しか?!」
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「う、うう……うーー」
俺は、俺の安眠を守りたい。俺、俺そんなに恨まれたくないよーーー!少しだけ笑うラムの表情からはそれが冗談なのか本気なのか……どちらとも取れる顔なのがすごく、困る!
「い、痛いのは、嫌だぁ……」
「大丈夫だろ、どうする?」
ず、狡い!絶対狡い!優しいとかそういうんじゃなくて、これは絶対脅しの類だ。なんだろう、詰めてからの詰将棋、囲い終わってからの籠城戦。逃げ道を塞いでからの提案。狡いだろう!
「あんまり痛くしないでぇ……」
「心得た」
顔を覆って泣くしかない。
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