マイアバターに異世界転生したら宰相だった私に救いの手を!

鏑木 うりこ

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召しませ★ダーリン

9 ダーリン★ダーリン♡

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 寝ているか、ヤッているか、飯食っているか、カティスの膝の上に乗っているかという絶望的な4択生活が3週間目に突入した。

 「良いのか?このまま私を置いておいて」

 一度、カティスの執務室で聞いてみた。途端に不機嫌になって、動けなくなるまで抱き潰されたので、それ以降は聞かない。
 
 皇国参謀のユーフィスに、ちらりと視線を送れば両手を上げてお手上げポーズ。

「リィン、お前は俺以外見なくていい」

 凄い束縛系だった。

「シターン ロウエル宛に手紙を書いておいた」

 私の代金をしっかり払ってくれるようだ。頑張ったかいがあったというもの。まだ頑張りの途中だったな。

 頭脳労働ブラックから、肉体労働ブラックに転職した。もちろん後者の方が環境は劣悪だ。24時間労働みたいなものだから。
 賃金支払い者のご機嫌1つで、即労働開始だ。夜も昼もあったものじゃない。ついでに給料はでない。最悪の最悪だ。
 
「なあ」

 服の上から太腿を撫でられる。ぞわりとした感覚と、これから始まる行為に心臓がふるっと震えた。不整脈だな。
 
「昼間から盛るなよ。躾のなってないペットだな?」

 努めて冷たく突き放す。コレが良いんだと。銀月だか銀シャリだかの聖女だか宰相だかが、自分の下でアンアン喘いで雌イきキめて抜かずの3発。
 
 いや、良いけどね。自分の事じゃなきゃね。銀シャリの聖女、良いな。

 撫でていた手をピシャリと叩く。が、その手は腰に回されて、さわさわと動いてゆく。
 くだらない。カティスはこういう恋人ごっこをしたがる。面倒くさい。
 体の方は無理やり慣らされて、合わせられた。もう本気でヨがれる。元の体には戻れない気がした。

 それでも国と仲間の為、ちんこをしゃぶってでも戦争回避しなくてはならない。ああ、もうしゃぶってたわ、辛い。

 
 事態が動いたのはそれから二日後だった。
 朝から城はざわざわと、騒がしかった。重要な来客があると言う。当然私には伝わってはこないが、そのうち分かるだろう。人の口に戸はたてられない。

 朝起き抜け1番に、怪しげなポーションを2つ渡された。

「飲め」

「中身を聞いても?」

「体の自由が効かなくなるのと、かなりの効力の媚薬だ」

 どうせ拒否権はない。命を奪うものでないのであれば、考えるだけ無駄だろう。
 味も良く、飲みやすい。良薬は口に苦し。危ない薬は美味しいものだ。

「あ…ぁ…」

 効果はすぐ現れて、体が重くなる。ついでにまぶたも重くなり、目をあけていられない。意識が遠くなった。

「なぁ、リィン」

 耳元で囁かれる。ひたりと心臓の上に手のひらをあてがう。

「抱くぞ」

「……」

 カティスは後ろに控えていた部下に

「さっきの奴の3倍濃いの持ってこい」

「はっ!しかしそのようなものを服用しては命に関わるのでは…?」

「バカな。この程度でこいつが死ぬか?起きてるんだよ、これは効いてねぇ」

バレた♡



「…っあぁー…!」

 意識が戻ったら、すっかり咥えこまされていた。出来上がってる、すごく気持ちいい 

すき もっと おく して

「気がついたか?…ちょうど良い」

「んは…っ…あっ!ひぅ…おくぅ…」

 目の前のクソイケメンが、満足そうに笑う。喜んでいただけて嬉しいです。茹で上がった頭でも、長年の習慣で無意識に耳は音を拾った。
 廊下で争う音がする。5人?6人?特に2人は使い手だ。足運びが違う。

「奥に出すぞ、良い声で啼け!」

「んっ?あっあっ!おく!そこっらめぇ!あああ」

あああーーーー

 演技上手な高級娼婦より、もっと上手に啼いた。

 この瞬間だけは何も分からない。廊下の扉は開いたかもしれない。見知った顔、聴き覚えのある声が聞こえたかも知れない。
 自分のすぐ上に居るだろう美丈夫の顔も見えない。白く明滅する脳内と胎の中にぶち撒けられる、ドクドクと脈打つ注入音。
 覚え込まされた身体が、これは素敵な事だと喜びに打ち震える。

 私の両手の指先が、ぬるりと不快を拾った。カティスの汗と血だろう。思いっきり引っ掻いたようだが、きっと喜ぶんだろうな。変態め。
 ようやく聴覚が戻ってきた私の耳に、愉快そうにカティスは囁く。

「ほら、これで真に成ったぞ?」

 ずくん、とナカの質量が増えた気がする。

「そう…か」

 成った。良かった。これでしばらくの安寧を。その後は別の誰かに託そう。
 私はだいぶ高値で売っただろう?

これで十分だ。

「これで」

 私の心の中の呟きの続きを拾ったように、カティスは囁く。

「もう遠慮しなくて良いな?本気で可愛いがってやろう」

「は⁈」

 今 なんつった⁈遠慮してた⁇人の自分でも知らない奥の奥まで土足で侵入してきて⁈
 本気⁈本気ってなんだよ!これ以上ナニをする気なんだ⁈

 演技も何もかも、すっ飛ばして素で青ざめた。

 とても、物凄くとても満足そうな笑顔をうっそりと浮かべ、カティス・ファディアン皇王は私の肩口に噛み付いた。





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