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64 アライグマ先生はお口が軽い
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「陛下におかれましては、格別の配慮を賜り、誠にありがとうございます」
皇帝カリウスは静かに頷き、目でアシューレスに話を引き継ぐように指示を出す。
小さく頷き、第一眼鏡が、言葉を続けた。
「クォンツ国より遠路遥々ご苦労様でした。私はこの帝国で僅かばかりの力をふるわせていただいておりますアシューレス・ウォルターと申します」
面倒くせぇやり取りを俺は母さんの隣で聞いている。皇帝である父さん、母さん、次が俺、そしてレントの並んでいるから、帝国はレントを皇帝の家族として、エリスリーヤ姫の婚約者として認めたという事を示しているんだそうな。
「お納めください」
小さなワイン瓶と見た事のある小さなグラスが一つ。綺麗な箱に納めされ恭しく差し出される。
「「アジェントの酒」でございます」
「……これはこれは」
その後の眼鏡の対外的なやり取りは聞き流した。欠伸を堪えるのに相当我慢を強いられたからもううんざりだ。
「リーヤ様ーご気分は如何ですかー?あ、まだ膨れてないですねーうんうん、デリウス様の時と一緒で人族のお嫁さんは獣人族より成長が遅いですねー」
「お、おう。アライグマも来たのか」
なんか向こうを立つ時にグダグタになってたアライグマの先生がくっ付いて来たようだ。謁見とやらが終わってから、トテトテやってきて俺のぺたんこの腹を触っている。
「私はモリスですよ、リーヤ様!だってこっちで体調崩したらどうすんですか。まだそろそろ体に変化が出てきますから、あ、まさか派手にエロいことしてないでしょうね?ヘトヘトになるまでやっちゃダメですからね?」
「……しねぇよ!」
「全然しないのも駄目ですよー?イライラするのが一番いけませんー」
「黙れ!」
なんでそんな事をバラさなきゃならないんだ!やってねーよ!
「それにしてもまー色んな物を送って寄越しましたね。レント殿を無事に返す事、リーヤ様をクォンツに連れ帰る事。まぁ正しく見積もって下さってるんですけど」
「もう少し舐めてくれたら、突っ込みとか脅しとか、武力行使とかできました所を」
「うーん、実に残念ですなぁ」
眼鏡!眼鏡!!
「しかも使い方や世話まで出来る先生まで付けて寄越しやがりましたし。本気度が見える所が何とも残念でなりませんなぁ」
「街道も一生懸命作ってるらしいですし。無碍にすると帝国の悪評になってしまいますなぁ……あーあ。お渡ししたくないなー」
眼鏡ぇーーーー!
人質というか結構危ない所に送り出されたはずの、アライグマ先生はのんびりとお茶をすすりながら俺の大好きなガリガリクッキーを食っている。硬い物をガリガリやっていた俺はイライラがたまってんのか??
「あ、誰か試してみます?まぁ簡単にお試しするような物じゃないですけどねー!あはは!そう言う時は「偽アジェントの酒」で……」
「モリスさん?何ですかそれ」
良いのか?アライグマ。お前多分今とんでもない事を口にしてるぞ?多分眼鏡に根掘り葉掘り全て聞き出されるぞ?このアライグマ先生の口の軽さも「お土産」の一つに入ってるのかもしんない。
「秘術「アジェントの酒」の粗悪品なんですけど、飲んで一回だけ子供が産めるんですよ、まあ効かない事もあります。適合できないと永遠に子供が出来ない体になりますが。まあ普通男性は永遠に子供が産めないので問題ないですかねー??」
「へえ」「ほう」「先生はそれをお持ちで?」
「まぁ持ってますよー」
「へえ」「ほう」「それはそれは」
がんばってね、アライグマ先生。眼鏡はとってもしつこいよ!
皇帝カリウスは静かに頷き、目でアシューレスに話を引き継ぐように指示を出す。
小さく頷き、第一眼鏡が、言葉を続けた。
「クォンツ国より遠路遥々ご苦労様でした。私はこの帝国で僅かばかりの力をふるわせていただいておりますアシューレス・ウォルターと申します」
面倒くせぇやり取りを俺は母さんの隣で聞いている。皇帝である父さん、母さん、次が俺、そしてレントの並んでいるから、帝国はレントを皇帝の家族として、エリスリーヤ姫の婚約者として認めたという事を示しているんだそうな。
「お納めください」
小さなワイン瓶と見た事のある小さなグラスが一つ。綺麗な箱に納めされ恭しく差し出される。
「「アジェントの酒」でございます」
「……これはこれは」
その後の眼鏡の対外的なやり取りは聞き流した。欠伸を堪えるのに相当我慢を強いられたからもううんざりだ。
「リーヤ様ーご気分は如何ですかー?あ、まだ膨れてないですねーうんうん、デリウス様の時と一緒で人族のお嫁さんは獣人族より成長が遅いですねー」
「お、おう。アライグマも来たのか」
なんか向こうを立つ時にグダグタになってたアライグマの先生がくっ付いて来たようだ。謁見とやらが終わってから、トテトテやってきて俺のぺたんこの腹を触っている。
「私はモリスですよ、リーヤ様!だってこっちで体調崩したらどうすんですか。まだそろそろ体に変化が出てきますから、あ、まさか派手にエロいことしてないでしょうね?ヘトヘトになるまでやっちゃダメですからね?」
「……しねぇよ!」
「全然しないのも駄目ですよー?イライラするのが一番いけませんー」
「黙れ!」
なんでそんな事をバラさなきゃならないんだ!やってねーよ!
「それにしてもまー色んな物を送って寄越しましたね。レント殿を無事に返す事、リーヤ様をクォンツに連れ帰る事。まぁ正しく見積もって下さってるんですけど」
「もう少し舐めてくれたら、突っ込みとか脅しとか、武力行使とかできました所を」
「うーん、実に残念ですなぁ」
眼鏡!眼鏡!!
「しかも使い方や世話まで出来る先生まで付けて寄越しやがりましたし。本気度が見える所が何とも残念でなりませんなぁ」
「街道も一生懸命作ってるらしいですし。無碍にすると帝国の悪評になってしまいますなぁ……あーあ。お渡ししたくないなー」
眼鏡ぇーーーー!
人質というか結構危ない所に送り出されたはずの、アライグマ先生はのんびりとお茶をすすりながら俺の大好きなガリガリクッキーを食っている。硬い物をガリガリやっていた俺はイライラがたまってんのか??
「あ、誰か試してみます?まぁ簡単にお試しするような物じゃないですけどねー!あはは!そう言う時は「偽アジェントの酒」で……」
「モリスさん?何ですかそれ」
良いのか?アライグマ。お前多分今とんでもない事を口にしてるぞ?多分眼鏡に根掘り葉掘り全て聞き出されるぞ?このアライグマ先生の口の軽さも「お土産」の一つに入ってるのかもしんない。
「秘術「アジェントの酒」の粗悪品なんですけど、飲んで一回だけ子供が産めるんですよ、まあ効かない事もあります。適合できないと永遠に子供が出来ない体になりますが。まあ普通男性は永遠に子供が産めないので問題ないですかねー??」
「へえ」「ほう」「先生はそれをお持ちで?」
「まぁ持ってますよー」
「へえ」「ほう」「それはそれは」
がんばってね、アライグマ先生。眼鏡はとってもしつこいよ!
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