65 / 113
65 酒と女子と父さんと
しおりを挟む
「うえっ、うえっ!そしてですね、私が結婚してくれって言ったらそのアライグマの女性は「ごめんなさい、あなた私の好みじゃないの……って!」それで私はぁーヤケになってこの、危険な帝国行きに志願したんですぅ!」
あれ?アライグマ先生を囲んで酒盛りしてる。
「私もぉー混ぜてくださいよー!」
「おー来い来い!」
フランだ。フランが脳筋に飛び込んでいる。
「そんでですねー!手籠にしたまでは良かったんですが!」
「良くねぇよ!この人畜無害な顔して!悪い奴だなーー!!」
「結局最後に盗られるんです!やってられませんよ!」
「そりゃ王子様が悪りぃな。あんな風船みたいな小僧の紐を離したらふわふわーって飛んでっちまう!」
「リーヤはなーんかふわーっとしてっからなー。今まではフローラ様が重しみたいにくっついてたけど、それを下ろしたらもーフワッフワだろ」
「その紐に上手いことじゃれついた猫がいた訳か」
「ちげーねー!ガハハハハ!」
「笑い事じゃありませんよ!そのでかいニャンコを退治する方法を考えてくださいよぉ!」
あ、分かった。これ、失恋男を慰める会だ!俺も参加したアレだ!
脳筋の溜まり場を訪れると、もうぐちゃぐちゃの混沌だった。一緒にいたレントが俺の両肩に手を置いて真剣な眼差しで言う。
「リーヤ、俺はどうしてもあの優男王子を倒さねばならない。頼むから、ここには近寄らず、リュンの世話やフローラ様達と一緒に居てくれ。頼むから、ここでおひねりもらってストリップショウとかやってくれるな、頼むから!」
「お、おう……分かった……」
俺一人で戻る事になったけど、後ろから
「てめー!フラン!誰がニャンコだ!どつき回すぞ!」
「うるさいですよ!ここは振られた人の集いですぅーお嫁さんがいる人は帰ってくださいー!」
そーだ!そーだ!と大ブーイングを浴びながらも
「黙れ!しかもモリス!何喋ってんだ!お前喋りすぎだ!馬鹿者!」
「う、うるさいのですーー!愚痴くらい言わせてくださいいいーー!そんなに言うなら新しい恋人紹介してくださいよおーーー!」
「その辺の脳筋捕まえりゃ良いだろ!」
「えーーー!」
離れよう、そうしよう。俺は何かと酒で失敗している。俺だって学習くらいはするんだからな。
かと言って母さんの所へ行けば、
「お腹が大きくなった時の服を作るわよ!」
「お母ちゃま、作るの?!」
「当たり前よー!って言いたいけど、私、裁縫は最低限なのよねー。あーあ、ローザかメグなら上手なのになー」
なんて女子会話に巻き込まれる。それも嫌だな、と城の中をほっつき回っていたら、父さんに出会った。
父さん、皇帝カリウス。俺から見てもちょっと極端な人。この世は母さんかそれ以外かで、見分けているんじゃないかな?と常日頃から思っている。
「リーヤ、少し話をしよう」
そんな母さん以外の俺に声をかけてきたのは物凄く珍しいので、俺はこくんと頷いて後ろをついて行った。
あれ?アライグマ先生を囲んで酒盛りしてる。
「私もぉー混ぜてくださいよー!」
「おー来い来い!」
フランだ。フランが脳筋に飛び込んでいる。
「そんでですねー!手籠にしたまでは良かったんですが!」
「良くねぇよ!この人畜無害な顔して!悪い奴だなーー!!」
「結局最後に盗られるんです!やってられませんよ!」
「そりゃ王子様が悪りぃな。あんな風船みたいな小僧の紐を離したらふわふわーって飛んでっちまう!」
「リーヤはなーんかふわーっとしてっからなー。今まではフローラ様が重しみたいにくっついてたけど、それを下ろしたらもーフワッフワだろ」
「その紐に上手いことじゃれついた猫がいた訳か」
「ちげーねー!ガハハハハ!」
「笑い事じゃありませんよ!そのでかいニャンコを退治する方法を考えてくださいよぉ!」
あ、分かった。これ、失恋男を慰める会だ!俺も参加したアレだ!
脳筋の溜まり場を訪れると、もうぐちゃぐちゃの混沌だった。一緒にいたレントが俺の両肩に手を置いて真剣な眼差しで言う。
「リーヤ、俺はどうしてもあの優男王子を倒さねばならない。頼むから、ここには近寄らず、リュンの世話やフローラ様達と一緒に居てくれ。頼むから、ここでおひねりもらってストリップショウとかやってくれるな、頼むから!」
「お、おう……分かった……」
俺一人で戻る事になったけど、後ろから
「てめー!フラン!誰がニャンコだ!どつき回すぞ!」
「うるさいですよ!ここは振られた人の集いですぅーお嫁さんがいる人は帰ってくださいー!」
そーだ!そーだ!と大ブーイングを浴びながらも
「黙れ!しかもモリス!何喋ってんだ!お前喋りすぎだ!馬鹿者!」
「う、うるさいのですーー!愚痴くらい言わせてくださいいいーー!そんなに言うなら新しい恋人紹介してくださいよおーーー!」
「その辺の脳筋捕まえりゃ良いだろ!」
「えーーー!」
離れよう、そうしよう。俺は何かと酒で失敗している。俺だって学習くらいはするんだからな。
かと言って母さんの所へ行けば、
「お腹が大きくなった時の服を作るわよ!」
「お母ちゃま、作るの?!」
「当たり前よー!って言いたいけど、私、裁縫は最低限なのよねー。あーあ、ローザかメグなら上手なのになー」
なんて女子会話に巻き込まれる。それも嫌だな、と城の中をほっつき回っていたら、父さんに出会った。
父さん、皇帝カリウス。俺から見てもちょっと極端な人。この世は母さんかそれ以外かで、見分けているんじゃないかな?と常日頃から思っている。
「リーヤ、少し話をしよう」
そんな母さん以外の俺に声をかけてきたのは物凄く珍しいので、俺はこくんと頷いて後ろをついて行った。
103
あなたにおすすめの小説
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
シナリオ回避失敗して投獄された悪役令息は隊長様に抱かれました
無味無臭(不定期更新)
BL
悪役令嬢の道連れで従兄弟だった僕まで投獄されることになった。
前世持ちだが結局役に立たなかった。
そもそもシナリオに抗うなど無理なことだったのだ。
そんなことを思いながら収監された牢屋で眠りについた。
目を覚ますと僕は見知らぬ人に抱かれていた。
…あれ?
僕に風俗墜ちシナリオありましたっけ?
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加
俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード
中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。
目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。
しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。
転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。
だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。
そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。
弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。
そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。
颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。
「お前といると、楽だ」
次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。
「お前、俺から逃げるな」
颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。
転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。
これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。
続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』
かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、
転生した高校時代を経て、無事に大学生になった――
恋人である藤崎颯斗と共に。
だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。
「付き合ってるけど、誰にも言っていない」
その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。
モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、
そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。
甘えたくても甘えられない――
そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。
過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの
じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。
今度こそ、言葉にする。
「好きだよ」って、ちゃんと。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる