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34 包囲、されてない?
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「シシリーちゃん、よく無事で帰ってきたわね……大勢で」
「お母様、これには深い訳がありまして」
私は祖国に戻ってきたわ……ギルマルド様達と一緒に。
「楽しい旅路でした!」
ニコニコと笑うギルマルド様と
「やっと、やっと着きましたー!うわああんっ」
と泣く私の侍女達が印象的ですが
「ねえ、この前にお話ししたお店なんだけど」
「ああ、ぜひ行きましょう。楽しみだなあ」
とか
「あ、あの次のお休みに……」
「案内してくれるんでしょう?嬉しいな」
とか……ギルマルド様の部下達の数人と距離が接近してる侍女が出来ていたのよね……。
「絶対罠です!皆騙されているのですーーーっ!」
マリリーが泣きながら訴えて来たけれど、それが全部そうでもなさそうで頭が痛い所なの。
「そ、そりゃあ……シシリー様の侍女様とお付き合い出来たら私どもとてギルマルド殿下の覚えがめでたくなるのでありがたい所ですが、もしその目的だけでシシリー様の侍女を誘惑したなどとギルマルド様にバレると殺されますので。そんな事しません」
と、騎士の一人が真面目な顔で答えたのよねえ……。このギルマルド隊、暑苦しいくらいギルマルド様に懐いていてギルマルド様の嫌がる事は一つもしないよく訓練された隊員で構成されてるのよ。
「やっと殿下に春が訪れたので、部下である私達も春の恩恵に預かろうかと思いまして!」
邪気の無い笑顔でにこーーーっと笑われたら、流石の私も「あ、そうなの……仲良くね」としか言えなかったりしたわけ…‥。
「マリリー殿、約束していたデートの件ですが」
「約束などしておりませんっ!ライマー様、近寄らないでーっ!」
マリリーはギルマルド隊の副官のライマー様にずっと言い寄られているけれど、逃げ回っている。
「良いではありませんか、主同士が仲が良いのです、さあ、私達も!」
「お断り致しますーー!」
別に私はギルマルド様と仲良く過ごしたことはないけれど、周りから見れば仲が良いらしいわ。楽しそうにライマー様と追いかけっこをしているマリリーだけれど、いつかあのしつこさに負けて結婚してしまいそうな気がするのよ、怖いわ。なんだか包囲網がどんどん狭まっているような気がするし……。
「所でお母様、私はデブでもお馬鹿でもギルマルド様は構わないらしいのでデブもお馬鹿も卒業したいと思いますわ……」
「えっ!普通、愚かな女を妻になど欲する殿方はいらっしゃらないでしょう?」
普通はそう思うわよね、それが普通よね。
「いえ、あの方は私であれば何でもいいそうですわ……」
私の遠い目の視界の隅っこで手を振っているギルマルド様が見える……良いのよ、そんなにアピールしなくても見えていましてよ。
「あの方を追い払う方法が何かないのかとずっと思案しておりますが、どうやっても見つからなくて……」
「そう……だったの……辛かったわね」
お母様を悲しませてしまったわ。親不孝ね、シシリー。
「お、追い払うなど恐ろしい事を言わないでくださいませ!シシリー様っ私、泣いてしまいそうです!」
ギルマルド様が泣くとそれはそれで良くない事が起こりそうなのでやめてください。
「そんなことしないので安心してください」
「やったぁ~!」
追い払えない、の間違いですけれどね……。本当にこの方、どうしたらいいのでしょうか?
「お母様、これには深い訳がありまして」
私は祖国に戻ってきたわ……ギルマルド様達と一緒に。
「楽しい旅路でした!」
ニコニコと笑うギルマルド様と
「やっと、やっと着きましたー!うわああんっ」
と泣く私の侍女達が印象的ですが
「ねえ、この前にお話ししたお店なんだけど」
「ああ、ぜひ行きましょう。楽しみだなあ」
とか
「あ、あの次のお休みに……」
「案内してくれるんでしょう?嬉しいな」
とか……ギルマルド様の部下達の数人と距離が接近してる侍女が出来ていたのよね……。
「絶対罠です!皆騙されているのですーーーっ!」
マリリーが泣きながら訴えて来たけれど、それが全部そうでもなさそうで頭が痛い所なの。
「そ、そりゃあ……シシリー様の侍女様とお付き合い出来たら私どもとてギルマルド殿下の覚えがめでたくなるのでありがたい所ですが、もしその目的だけでシシリー様の侍女を誘惑したなどとギルマルド様にバレると殺されますので。そんな事しません」
と、騎士の一人が真面目な顔で答えたのよねえ……。このギルマルド隊、暑苦しいくらいギルマルド様に懐いていてギルマルド様の嫌がる事は一つもしないよく訓練された隊員で構成されてるのよ。
「やっと殿下に春が訪れたので、部下である私達も春の恩恵に預かろうかと思いまして!」
邪気の無い笑顔でにこーーーっと笑われたら、流石の私も「あ、そうなの……仲良くね」としか言えなかったりしたわけ…‥。
「マリリー殿、約束していたデートの件ですが」
「約束などしておりませんっ!ライマー様、近寄らないでーっ!」
マリリーはギルマルド隊の副官のライマー様にずっと言い寄られているけれど、逃げ回っている。
「良いではありませんか、主同士が仲が良いのです、さあ、私達も!」
「お断り致しますーー!」
別に私はギルマルド様と仲良く過ごしたことはないけれど、周りから見れば仲が良いらしいわ。楽しそうにライマー様と追いかけっこをしているマリリーだけれど、いつかあのしつこさに負けて結婚してしまいそうな気がするのよ、怖いわ。なんだか包囲網がどんどん狭まっているような気がするし……。
「所でお母様、私はデブでもお馬鹿でもギルマルド様は構わないらしいのでデブもお馬鹿も卒業したいと思いますわ……」
「えっ!普通、愚かな女を妻になど欲する殿方はいらっしゃらないでしょう?」
普通はそう思うわよね、それが普通よね。
「いえ、あの方は私であれば何でもいいそうですわ……」
私の遠い目の視界の隅っこで手を振っているギルマルド様が見える……良いのよ、そんなにアピールしなくても見えていましてよ。
「あの方を追い払う方法が何かないのかとずっと思案しておりますが、どうやっても見つからなくて……」
「そう……だったの……辛かったわね」
お母様を悲しませてしまったわ。親不孝ね、シシリー。
「お、追い払うなど恐ろしい事を言わないでくださいませ!シシリー様っ私、泣いてしまいそうです!」
ギルマルド様が泣くとそれはそれで良くない事が起こりそうなのでやめてください。
「そんなことしないので安心してください」
「やったぁ~!」
追い払えない、の間違いですけれどね……。本当にこの方、どうしたらいいのでしょうか?
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