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しおりを挟む「ぴぇえ……一般に売るときは二百倍……五百倍に薄めるからぁ~」
「売るのか」
「もちろん! 効果はてきめんだし!いたたたた!痛い、痛いよお!凛莉ちゃーん!!売るもぉーーん! 痛いぃー!」
発売禁止にするとは絶対にシトリンは言わなかった、強情な奴め。
「えーと、何があったの?」
「アメジストちゃんにはないしょ!」
「え? え? なあ、ダイヤモンド……ってお前その顔、どーしたの!」
「うっせ! でもまあ……良いんだ、凄かったし? うひひ」
何も知らないアメジストはシトリンには内緒にされ、ダイヤモンドに絡むも適当にあしらわれる。まあ、ダイヤモンドの顔、というか頬には真っ赤な手のひらの跡、ビンタの跡が思いっきりクッキリついているのは目を引くよな。完全に渾身の力でサファイア君に引っ叩かられたんだろう。多分、吹っ飛んだだろうなダイヤモンド……サファイア君だってかなりの使い手だもん。成人男性を平手で吹っ飛ばすなんて訳なくできる。
「ううっ!折角会議なのに、アレのせいで師匠の服がイマイチになっちゃったぁ! もっといっぱい飾り紐とかつける予定だったのにー!」
あ、そのせいなんだ? シトリンの薬のせいで中々止まらなかったのかと思ってたら、違ったらしい? でも今日着ている服も中々凄いけど……襟が詰まったチャイナ服みたいで、何故か胸のところは菱形に空いてるけど……。女性が着る袖なしのチャイナ服のようなのに俺が着てもあまり違和感がない。下は妙に広いスリットが入っているけどズボンで、それにエンジニアブーツが合わせてあり、全身やっぱり黒だ。
そんで黒いファーのついたコートを肩からかけている。これがないとぱっくり空いた背中が丸見えになるんだよね、何故ここも空いている? 分からん。
「リンリーはいつもながら、ダイヤモンドまで随分と洒落た服だし、シトリンは頭がおかしくなったか?」
「うるさいよ! アメジストちゃん! でもこれ、ふわふわで気持ちいーなー」
シトリンは真っ白なウサギの着ぐるみを着ている。出ているのは顔面と指先だけという徹底ぶりだが、これもサファイア君の仕業で、仕返しである。
「くすくす、お似合いですよ!」
「うぎゅー! サファイア君めぇ」
人参型のポシェットまでつける徹底ぶりで、すれ違う人には大抵笑われるだろうな……よく似合っている。子供っぽさが大幅に上昇中だ。
ダイヤモンドはといえば真っ赤なライダースジャケットに真っ赤なワークパンツ。足元は編み上げのショートブーツでそれも赤い。あちこちに黒の差し色が効いた今までの作業着風からかなりのイメージチェンジを果たしている。
サファイア君が作ったんだろうな、時間がなかったとかいってたけど、ダイヤモンドの服を作ってたからじゃないのかな? 愛かな? 愛だと良いね。
「えへへ、いいだろー! 嫁の愛が詰まってるからね」
「嫁?! お前結婚してたのか! リンリーはもう良いのか??」
「結婚はこれからするのさ~リンリーちゃんはもう人妻だからね。浮気は死だし」
「おい?! どういうことだっ」
鉾先がこっちに向かった所でフロウライトの怒声が響く。
「会議を始める! 席につけっ!!」
正直面倒なので助かる。おいおい、こっちをみて笑うな、皆にバレるだろう?って大半は知ってるのか?
応援ありがとうございます!
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