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3 どちらに罪があるのか、山のように出る罪状

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「待って待って!一人芝居って。ルシールさんがエリーゼに濡れ衣を着せようとやったって事?」

「そうですわ!!」

 二人の声は揃ったけれど、私は言わなきゃならない。

「駄目よ!そんな人を貶めるような事を言っては。確固たる証拠がないのに言いふらすのは最低の人間のする事!人としての信用度はゼロ!無価値以下の人間です!」

 キッと強く言ってしまう。人の信用は大切な物だよ!お嬢さん達!

「証拠なら山のようにありますわ!エリーゼ」

「貴方が殿下を思って公表を控えるように言いましたが、私達は集めておいたのです!さあ、ご覧下さいませ!」

 紙の資料から写真みたいなのから、録音機みたいのから出るわ出るわ。証人という人も出てくる出てくる。

「あらぁ……。これはエリーゼは悪くないのではないかしら?ルシールさん」

「ぐっ!馬鹿な!嘘よ!こんなの!!デタラメよ!!」

  ルシールさんは大声で言い張る。あらあら?淑女ってそんな感じかしらあ?まあいいや。

「そうよ、決めつけてはいけないわ。さあ、ルシールさん。証拠を出してちょうだい。片一方だけ証拠を出して、片一方は出さないなんて不公平にもほどがありますから!さあ、あるんでしょう?証拠や証言がたくさん!」

 ルシールさんは押し黙ってしまった。あれ?困るんですけど??

「じゃあ王子様、証拠をお願いします。私が彼女を虐め、そして婚約破棄までになるほどの証拠を」

「しょ、証拠などッ……ルシールがそう言っていたのだ!」

「あのう……当事者の証言は証言として認められないのは、当然知っていらっしゃいますよね?知らないはずありませんよね?常識ですもの!さ、きちんとした第三者の証言や証拠をお願いします!」

 王子も口を噤んだ。えーーーあ、そうだ私のそばに立つこの人。この人もルシールさんに肩入れをしていたし、私を蔑んでいたわ。

「そこの方、ルシールさんの証拠をお持ちになっていますよね?こんなたくさん人がいる場所で、あげつらわれたのですから。まさか証拠もなしにこんなこと、しませんよね?」

「そ、それは……」
 
 この人もモゴモゴしている。どうなってんの?そこにジュディ様がすっと現れる。

「あるわけがありませんわ。エリーゼさまは何もしていませんもの。リッツ、本当に貴方という人はルシールさんに夢中になってエリーゼ様と我が家を蔑ろに……私もほとほと愛想が尽きましたわ。お父様、私もリッツ・ガラン伯爵令息との婚約を解消させていただきたく存じます。エリーゼ様の為に用意した証拠ですが、リッツの罪状も明らかでございます」

 あれぇ!ジュディ様まで婚約者やめちゃうの!あ、でも私のそばで青い顔でブルブル震えているリッツ君はどうやらルシールさんともお付き合いしていたようですね……。しかも……

「え、もしかしてルシールさん!ヨハン王子だけじゃなくてリッツさんとも致したの!?やだっ!結婚前でしょう!尻軽すぎない!?同時に二人と夜のお付き合いなんてやばいわよ!ちょ!やば!この写真やば!キャーッ」

 肌色率が高すぎる証拠写真的なものを見つけて、さしもの私も赤面した。やだーーーー!

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