47 / 75
レオナルド殿下とカリーナ姫の結婚式の為、ランソプラズム国に里帰りしてます。
しおりを挟む
私は14歳になった。5歳年上のジークハルト様や一緒に留学した皆さんは19歳になった。ミッシェル様は皆よりひとつ年下だから18歳、ジュリエッタ様は2つ下だから17歳だ。
今日はランソプラズム国の大聖堂でレオナルド殿下とカリーナ姫の結婚式が行われる。
エリーゼ様とユアン殿下も参列する。
前の人生と違うところはジークハルト様の妹のカトリーヌ様はミッシェル様とはまだ婚約していない。そもそもそんな話すらなかったようだ。
カトリーヌ様は女性魔法騎士になり、父のクロードおじさまと同じ第一騎士団で腕を振るっている。今日は白馬に乗ってパレードの馬車を先導する。キリッとした美人だから、きっとかっこいいだろう。
そしてリック様とジュリエッタ様も結婚した。レオナルド殿下や側近方はジークハルト様を除いて皆前の人生とは違う人と結婚している。
あっ、セシル様を忘れていた。前の人生でも婚約者がいなかったセシル様は今の人生でもまだ婚約者がいない。私はてっきりジュリエッタ様と恋人だと思っていたが全く違っていたらしい。
ジュリエッタ様とリック様の結婚式では『幸せになれよ~』とおいおい泣いて周りから失笑されていた。
セシル様はとても良い人なので早く素敵な人が見つかるといいな。
私がセシル様に、『私が婚約していなければ考えるんですけどね』とリップサービスをしたら、『俺、死にたくないからそんな恐ろしいこと言わないで』と泣かれた。
確かに私の不用意な言葉は相手の死を招きそうなので気をつけなければならない。
セシル様はランソプラズム国の魔法学校を卒業後、ランソプラズム国の魔法省に入り、魔道具を作る魔導士になり、日々研究したり、各地を飛び回り魔道具の提案や使い方のレクチャーをしている。
「レティシア、ジークが迎えに来たわよ」
母に呼ばれてエントランスに向かう。
私は昨日からランソプラズム国の実家に戻っている。
今日の結婚式では薄いピンクとゴールドの細身の神子ドレスを着ている。これはヴィクトリア様とお揃い。ヴィクトリア様は白とゴールドだ。正確には色違いのドレスだ。
さすが、ランソプラズム国の王太子殿下とスパリーナ国の王女殿下の結婚式。W神子で祝福の魔法をかける。
神子ドレスはジークハルト様はあまり好きではないのでちょっと不機嫌だ。
「それも可愛いが……」
なんだかぐにょぐにょ言っている。
夜会では私はジークハルト様から贈られた黒のフリルを沢山使った可愛いドレスを着る予定なのでその頃にはご機嫌になるだろう。
ジークハルト様は髪や瞳の色のドレスを着させたいのだが、さすがに結婚式のパーティーでシンプルな黒はまずいだろうと花やフリルやリボンを沢山付けた黒でも可愛く華やかなドレスにした。
デザイナーもいつも黒をリクエストされるので頭を捻っているようだ。
私はドレスやアクセサリーには無頓着な方なのでジークハルトとデザイナーに丸投げしている。グリーンや青、茶色など周りにいる男性の髪や瞳の色のドレスを着るのは絶対無理だろうとみんなは同情してくれるが、本音を言えばコルセットをつけなくていい神子ドレスが1番楽だなぁと思っている。
「よく見ると神子ドレスも可愛いな。今度黒い神子ドレスを作ってはどうだ」
「黒い神子ドレスですか?」
「神殿のシスターは黒いドレスを着ているので、神子が黒を着ても問題ないだろう?」
そう言われてみればそうだけど女神スパリーナがなんと言うだろう? 今度リーナに聞いてみよう。
大神殿に到着すると、ヴィクトリア様と辺境伯様が待っていた。
色違いのお揃いのドレスのW神子はご利益がありそうだと思うのか、あっという間に沢山の人に囲まれてしまった。が、ジークハルト様と辺境伯様の気が凍りつきそうなほど冷たかったので、人垣はさぁ~っと引いた。
「辺境伯様もジーク様と同じくらい狭量なのですか?」
私は小声でヴィクトリア様に聞いた。
「もう、50歳を超えているのに、ちっとも丸くならないのよ。歴代の神子は皆、狭量な守護騎士の夫に執着されていたのかもしれないわね」
そう仰りながら小さくため息をついた。
今日はランソプラズム国の大聖堂でレオナルド殿下とカリーナ姫の結婚式が行われる。
エリーゼ様とユアン殿下も参列する。
前の人生と違うところはジークハルト様の妹のカトリーヌ様はミッシェル様とはまだ婚約していない。そもそもそんな話すらなかったようだ。
カトリーヌ様は女性魔法騎士になり、父のクロードおじさまと同じ第一騎士団で腕を振るっている。今日は白馬に乗ってパレードの馬車を先導する。キリッとした美人だから、きっとかっこいいだろう。
そしてリック様とジュリエッタ様も結婚した。レオナルド殿下や側近方はジークハルト様を除いて皆前の人生とは違う人と結婚している。
あっ、セシル様を忘れていた。前の人生でも婚約者がいなかったセシル様は今の人生でもまだ婚約者がいない。私はてっきりジュリエッタ様と恋人だと思っていたが全く違っていたらしい。
ジュリエッタ様とリック様の結婚式では『幸せになれよ~』とおいおい泣いて周りから失笑されていた。
セシル様はとても良い人なので早く素敵な人が見つかるといいな。
私がセシル様に、『私が婚約していなければ考えるんですけどね』とリップサービスをしたら、『俺、死にたくないからそんな恐ろしいこと言わないで』と泣かれた。
確かに私の不用意な言葉は相手の死を招きそうなので気をつけなければならない。
セシル様はランソプラズム国の魔法学校を卒業後、ランソプラズム国の魔法省に入り、魔道具を作る魔導士になり、日々研究したり、各地を飛び回り魔道具の提案や使い方のレクチャーをしている。
「レティシア、ジークが迎えに来たわよ」
母に呼ばれてエントランスに向かう。
私は昨日からランソプラズム国の実家に戻っている。
今日の結婚式では薄いピンクとゴールドの細身の神子ドレスを着ている。これはヴィクトリア様とお揃い。ヴィクトリア様は白とゴールドだ。正確には色違いのドレスだ。
さすが、ランソプラズム国の王太子殿下とスパリーナ国の王女殿下の結婚式。W神子で祝福の魔法をかける。
神子ドレスはジークハルト様はあまり好きではないのでちょっと不機嫌だ。
「それも可愛いが……」
なんだかぐにょぐにょ言っている。
夜会では私はジークハルト様から贈られた黒のフリルを沢山使った可愛いドレスを着る予定なのでその頃にはご機嫌になるだろう。
ジークハルト様は髪や瞳の色のドレスを着させたいのだが、さすがに結婚式のパーティーでシンプルな黒はまずいだろうと花やフリルやリボンを沢山付けた黒でも可愛く華やかなドレスにした。
デザイナーもいつも黒をリクエストされるので頭を捻っているようだ。
私はドレスやアクセサリーには無頓着な方なのでジークハルトとデザイナーに丸投げしている。グリーンや青、茶色など周りにいる男性の髪や瞳の色のドレスを着るのは絶対無理だろうとみんなは同情してくれるが、本音を言えばコルセットをつけなくていい神子ドレスが1番楽だなぁと思っている。
「よく見ると神子ドレスも可愛いな。今度黒い神子ドレスを作ってはどうだ」
「黒い神子ドレスですか?」
「神殿のシスターは黒いドレスを着ているので、神子が黒を着ても問題ないだろう?」
そう言われてみればそうだけど女神スパリーナがなんと言うだろう? 今度リーナに聞いてみよう。
大神殿に到着すると、ヴィクトリア様と辺境伯様が待っていた。
色違いのお揃いのドレスのW神子はご利益がありそうだと思うのか、あっという間に沢山の人に囲まれてしまった。が、ジークハルト様と辺境伯様の気が凍りつきそうなほど冷たかったので、人垣はさぁ~っと引いた。
「辺境伯様もジーク様と同じくらい狭量なのですか?」
私は小声でヴィクトリア様に聞いた。
「もう、50歳を超えているのに、ちっとも丸くならないのよ。歴代の神子は皆、狭量な守護騎士の夫に執着されていたのかもしれないわね」
そう仰りながら小さくため息をついた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
619
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる