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よかった

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「レティ! 私はここにいる! 大丈夫だから!」
「お嬢様! レティシア様!」

 何だろう? ああそうだ。結婚式だった。
 寝坊してしまったのかな? 

 リンダだけじゃなく、ジークハルト様まで来られているのか。

 私の手を握っている。とうしたんだろう? 何かあったのかな?

 私は目を開けて身体を起こした。

「レティ!」
 ジークハルト様が抱きついてくる。

 どうしたのだろう? ここはどこ? 私の部屋じゃないわ。

「レティ! 大丈夫か!」
ジークハルト様が悲痛な声で私を呼ぶ。
 
 あっ、いつものジークハルト様だ。

「ジーク様? いつものジーク様だ。私、戻ってこれたのですね」

 私は安心して涙が溢れてきた。

「夢だったのですね。戻ってこれてよかったです」
 私は泣きながらジーク様にしがみついた。

「怖い夢を見たのか?」
「怖い夢ではなかったのですが、怖かったです。ジーク様に迎えに来て欲しいと祈ったら迎えに来てくれました」
「そうか」

 リンダは、そろそろ夜会の用意をしようと私を起こそうとしたが、全く起きず、うなされていて、うわ言でジークハルト様を呼んでいたので、慌ててジークハルト様を呼びにいったそうだ。

『ジーク様、迎えに来て』そう、うわ言で言っていたらしい。確かに私は夢でそう言っていた。

 私は夢の内容をジークハルト様とリンダに話した。

「女神スパリーナに聞いてみよう。彼女なら何が知っているかもしれない」
「そうですね。それがいいです。お嬢様がそんな世界に行くなんてとんでもないです」

 ただの夢なのにふたりとも必要以上に心配している。
 その姿を見ているとただの夢ではないのかと不安になる。
「リンダ、夜会の用意をしておいてくれ、私は女神スパリーナに会ってくる」

 そう言ってジークハルト様は消えてしまった。
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