上 下
29 / 30
その後の日々

離れていてはすれ違うだけ

しおりを挟む
もー、うだうだと悩んで先延ばしにしてもしょうがない。

「リュート、私はリュートを愛してる。
そして子供が欲しいと思ってる。」

突然の告白にリュートの動きが完全に止まった。聞いているかわからないけど、今言ってしまわなないと、言葉にしないと、またうだうだ悩んでなにも出来なくなっちゃう。

「まだ産まれてない子供の代わりにぐずぐず悩みのはやめて、創造主様と子供に悩んで乗り越えてもらおうと思います。」

まだ動かないリュートは聞いていると信じてそのまま話す。今は行動に移す為にも言葉にしてしまう事を優先する。

「創造主様もう私の考えてる事はわかっていると思います。でもリュートは…えっと…ちっちちおやなのかなぁ?」

恥ずかしくて疑問系になっちゃったけど、


すると、創造主様が珍しい表情して、チラチラとリュートを見ている?

『…あー、つがい君が…』

リュート⁈
姿見の中のリュートがうずくまって…
…いや、土下座している⁈

えっ!なんで?

『今回ばかりは私はつがい君に同情するな~』

創造主様が姿見に触れると、

「ゆいー!すまなかったー許してくれー
これからは結に何でも話す。もう寝室に閉じ込めたりもしない。何でもするし、悪いところは言ってくれ、直すからー。なんでもするからー捨てないでくれー」

はぁー⁈
今私告白したよね。それがまた何で私がリュート捨てる事になるのぉ?

『いや~、父親になるのかな?って…
私には伝わってるけど…
つがい君には君の照れ隠し別の意味につたわってるみたいだよ~』

「⁈リュート、捨てないから!。最初に言ったよね。思い出して。」

顔を上げたリュートはこの一瞬で驚くほど憔悴しきっていた。
これは絶対私が悪いよね。
目の端で創造主様が頷いているのがみえた。

「リュートごめんね。違うの、ちゃんともう一度言うから聞いててね。
私はリュートの事愛してるし、リュートとの子供が欲しいと思ってるの。」

愛情表現がストレートなリュートに私の照れ隠しは伝わらないし、致命傷になる事を学習しました。

そして、出っ会ってからの時間も、共通点もあまり無い私達は距離を置いては、すれ違う事はあっても分かり合える事は無いと気付きました。

『あははは、やっぱりいいね君。
はいはいそれじゃあ…』

「創造主様その前に。
創造主様はこの、えっと…白い世界から出る事は出来るのですか?」

『問題無いよ~だって、私は自分の創った世界と共に生きるだけだから~創った世界にほとんど干渉しないで、観賞してるだけ~』

あはははと笑う創造主様にイラッとする。

『今の分かった。関わらない干渉と見て』

「リュート、今から戻るからね。まずは、私の話をちゃんと最後まで聞いてね。」

リュートが高速で首を縦に振るのを確認してから創造主様に向き合う。

『…私今初めて涙が出そうになったよ~』

「それではお願いします。」

私の顔は今、無だろう。

『…段々私の扱い雑になってない?

それじゃあ、後はよろしくね。お義母さん』

はいはい。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

mの手記

現代文学 / 連載中 24h.ポイント:1,391pt お気に入り:0

【第一章完結】半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:191pt お気に入り:696

進芸の巨人は逆境に勝ちます!

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:142pt お気に入り:1

親友彼氏―親友と付き合う俺らの話。

BL / 完結 24h.ポイント:610pt お気に入り:20

イケメンストーカーに目を付けられましたが全力で逃げます!

恋愛 / 完結 24h.ポイント:42pt お気に入り:660

こころ・ぽかぽか 〜お金以外の僕の価値〜

BL / 連載中 24h.ポイント:1,001pt お気に入り:783

桜天女

恋愛 / 完結 24h.ポイント:454pt お気に入り:0

戦略的婚約解消

恋愛 / 完結 24h.ポイント:35pt お気に入り:25

処理中です...